降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。
「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」
そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。
「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。
《連載第19回》ドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』編①
みなさん、こんにちは。岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。
2022年10月から放送開始となったドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(略称:「推し武道」)は、ご覧いただいていますでしょうか。
本作は、倉敷市出身の漫画家・平尾アウリさんのマンガ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」が原作で、岡山を舞台に活動する地下アイドルグループ「ChamJam(チャムジャム)」と、彼女達を熱狂的に応援するファンたちの様子を描いたコメディ作品を実写化したものです。
2020年に全国放送されたアニメでは、舞台となった岡山の実際の風景が忠実に描かれており、見慣れた風景がてんこ盛り。ストーリーもアイドル目線ではなく、アイドルに人生をかけるオタクたちにスポットをあてたコメディタッチな展開が話題になりました。
ドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の岡山ロケは、2022年8~9月に行われました。
全編岡山ロケというわけではありませんでしたが、岡山が舞台なので、表町商店街、岡電(路面電車)、西川緑道公園、JR岡山駅、鶴見橋など、岡山らしい風景がたくさん出てくるため、しっかり岡山を感じていただける仕上がりになっているかと思います。
特に『表町商店街 上之町エリア』や『岡電』はたびたび登場します。
1話の「七夕イベント」シーンは、表町商店街の上之町エリアで撮影しました。当初は別の屋外ロケーションでの撮影を予定していたのですが、週間天気予報ではピンポイントで「雨天」予報。急遽、「屋内で撮影できるロケーションの候補を挙げて欲しい」という依頼が…。
これまで何度も撮影をさせていただいているし、普段ステージを組んで演奏会などされている実績もあったので、上之町エリアであれば、ご協力頂けるかもしれないと、自治会長や店舗への挨拶回りなどを行い、時計台の前にステージを組む準備を始めました。
それと同時に、最初に予定していた屋外ロケーションの撮影場所が変更になったため、関係者にお借りする予定だったテントやテーブルなどの使用がない旨を伝えたり、音出しをする予定があったため地元に回覧板で撮影概要を案内していたので、撮影中止の旨をお知らせしたりと、短期間で関係各所との調整を行い、当日を迎えました。
撮影時はステージ上でChamJamがダンスする中、エキストラの方々も含む観客(オタク)役の方たちも、歌に合わせて叫ぶ掛け声を事前に綿密に練習。本番に臨むなどエネルギー溢れるシーンを表現していました。
このような、大規模な撮影は、地元の協力があってこそ実現できるものだと改めて感じました。この場をお借りして感謝を伝えたいと思います。急なお願いにもかかわらず、快く撮影協力してくださった地元の方々、本当にありがとうございました。
劇中には風景だけでなく、「桃ボート」「きびだんご」「大手饅頭の袋」「アクセントTシャツ」などなど、岡山らしいものも続々と登場しますので、ストーリーと併せて岡山の魅力を再発見するきっかけになると嬉しいです。
瀬戸内海放送(KSB)では、毎週日曜日の朝10時から放送で1話30分。全10話の予定で放送しておりますので、是非、ご覧ください。
作品データ
【タイトル】
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』
【放送日】
2022年10月~放送
【ストーリー】
フリーターのえりぴよ(松村沙友理)は、地元・岡山のマイナー地下アイドル・ChamJam(チャムジャム)のメンバー・市井舞菜(伊礼姫奈)に人生のすべてを捧げている熱狂的なアイドルオタク。
収入のすべてを推しである舞菜に貢ぎ、自らの服装は高校時代の赤ジャージのみという徹底ぶり。24時間推しのことを想い、声の限りを尽くして推しの名前を叫ぶその姿は、いつしか「伝説」と呼ばれるようになり、オタク仲間からも一目置かれる存在となっていた。
一方で、内気でシャイな性格の舞菜は、単推し(=一人のメンバーを一途に応援すること)してくれるえりぴよを認知していながらも、緊張のあまり 「塩対応」してしまう日々…。
お互いを大切に想っているのにすれ違い続ける、もどかしく歯がゆい二人の関係はこれからどうなるのか…!?
「いつか舞菜が武道館のステージに立ってくれたなら…死んでもいい!」
そう断言する伝説の女性ドルオタ・えりぴよのまっすぐでひたむきな活動は、やがてChamJamもオタクたちも巻き込んでいく…!?
【キャスト】
松村沙友理/伊礼姫奈/中村里帆/MOMO(@onefive)/KANO(@onefive)/SOYO (@onefive)/GUMI (@onefive)/和田美羽/豊田裕大/ジャンボたかお (レインボー)
【スタッフ】
原作:平尾アウリ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」 (COMICリュウWEB/徳間書店)
監督:大谷健太郎/北川瞳/高石明彦
脚本:本山久美子/音楽:日向萌
【県内撮影時期】
2022年8月~9月
【県内ロケ地】
表町商店街/岡電(路面電車)/西川緑道公園/JR岡山駅/鶴見橋ほか
【番組公式ホームページ】
https://www.asahi.co.jp/oshibudo/
岡山県フィルムコミッション協議会の詳細は下記から。
【Profile】
岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに
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