このコーナーを開始する少し前に、ワタクシもフェイスブックを始めました。双方向の記事作りができれば素敵と思ったんです。よろしければ、「大盛りアニキ」までお友だち申請お願いします。

で、例によって、のんびりとフェイスブックのタイムラインを眺めていると、あるお店の記事が目に入りました。いわく、「濃厚な『こってりラーメン』始めました」と。これはチェックしなければいけません。そう、岡山のつけめんの代表的存在店のひとつ、『烏城』さんです。「あ、アニキですか？　よければ久しぶりにのぞいてみてくださいよ」連絡を入れたところ、即答で掲載のOKをいただいたので、早速スケジュール調整をして、満を持してエクスプロールを敢行することにしたのです。少し（？）時間があきましたが。

ここは以前『カロリー』という名で別の方が2年ほど営業をされてました。東京の有名店直伝のつけめんで評判だったのですが閉められることになり、縁あって現店主の三宅晋司さんが跡を継ぎ、店名も変えてスタートすることになったとか。香川で学生時代を過ごし、本場でうどんの洗礼を受けたため、うどん店で長く店長を務めた三宅さん。「チャンスがあったら自分でやってみたい」と思っていたところ、同じ麺でも「つけ麺」の話が転がり込んできて「やらずに後悔することばかりだったから、やって後悔したい」と決断！　リーマンショックの強い影響下にあった2009年7月に新装開店します。ご本人は、「本当に『やって後悔』してるんですけどね」と笑ってますが、それはご謙遜。人気店です。

看板のつけ麺「半熟煮たまごつけ麺（小）」820円。もともと受け継いだつけ麺は、シャンタンスープで、「岡山の人に受け入れられるかな？」と不安だったためアレンジを決行。7、8種類のベースの骨の分量を増やして炊き方も変えました。それまでは弱火で4、5時間程度だったものを、火力全開で時間も3倍程度の15時間煮込まれています。当然味わいは濃厚になりますが、その手間も半端ではないとか。麺は当然太麺ですが、つけ麺用の加水率の高い「もちもちツルツル」ではなく、細麺用の低加水のものを採用。「このほうが小麦の風味が出るんです」と麺の味わいを最優先するあたりは、うどん店を切り盛りしていた三宅さんらしいチョイス。もちろんチャーシュー、煮たまご、メンマなどの具材は手作りです。

新メニューの「こってりラーメン」750円（夜限定）の登場です。「これ、極細麺なんですよ」。本当だ！　太麺圏に極細とは！　「もともと、つけ麺の2杯目（替え玉用）に使ってたんですが、このスープに相性抜群だったので」。そのスープとは？「基本はつけ麺スープがベースなんです。背油とニンニクを加えてさらに煮込みます」。レンゲでスープをすくうと、あんかけレベルのとろみがあり（本当！）、超濃厚の味わい。トッピングも手間がかかってますが「それよりも、麺とスープを味わって欲しいですね」と、「シンプル・イズ・ベスト」の姿勢が潔いです。ほかにもラーメンメニューがありますが、なぜ「つけ麺」だけに絞らなかったのですか？「お客様に選択の幅を提供したかったんです」。さすがです。

「あ、このパンダは本当の店長です。6年間、彼にこき使われてます」と笑う三宅さんは続けて、「『つけ麺は冷めるから嫌』という方がいるでしょう？　『ぬるさにこそおいしさがある』と思うんですよ」と力説。「うどんでいう『ひやあつ』こそが、本当においしさが分かると思うんです、スープも麺の風味も。そして冷め切る前に一気に食べるのが最高です」。なるほど。うどんをバックボーンに持った方ならではの説得力あるお言葉。確かにアツアツのスープは味がわかりにくいですもんね。熱くて。寒い日はいいけど。

「6年前から「つけ麺文化を広めたい」との信念を貫きつつ、新しいチャレンジにも余念のない『烏城』。10周年を迎える4年後にはどんなお店になっているのか楽しみです。

つけ麺を極めつつ、新たなジャンルも開拓する伊福町の烏！

土・日曜以外は、店長（notパンダ）がひとりで厨房に立つ、こぢんまりとした1軒。店内はオシャレな作りで、女性ひとりで気軽に立ち寄れる雰囲気も魅力のひとつ。素材と手間を惜しまずに生み出されるスープのうまみが大きな特徴だが、小麦本来の風味を味わえるちぢれ麺も特徴的。上記のメニューのほか、「煮干しラーメン（並）」640円や、トッピングの「魔法の粉（辛味・カレー）」30円などもあり、この店の幅広さを表している。また、隠れたオススメメニューは数量限定の「明太卵かけごはん」250円なので、ぜひ一度味わってみて欲しい。「冬にもザルそば食べるでしょ？　これからのシーズン、ぬるいつけ麺食べてみてください」とは店長からのメッセージ。

＜消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意＞