Mission_31/月に一度現れる街のオアシス。早起き派も夜明かし派も丸ごと受け止める、懐の深い『京橋朝市』が愛され続ける理由とは?
岡山で話題のスポットやイベント、知る人ぞ知るレアな情報など、誰もが気になる地元のモノ、ヒト、コトを『タウン情報おかやま』が徹底調査するこの企画。スタッフが実際に現地を訪れ、体験したとっておきの情報をリポートして、「岡山の魅力を再発見できる、よりディープでフレッシュな街ネタ」をお届けします!
新鮮な食材や人気グルメが集まる朝市。岡山県内でも地域性豊かな朝市が各地で開かれ、人々の生活に密着した憩いの場として親しまれています。名産品やご当地グルメが味わえることから、旅の合間に立ち寄れる観光スポットとしても人気。地元の飾らない空気感、ここでしか出合えない食文化を体験できる朝市は、土地の今を知るにはぴったりの場所なのかもしれません。
そして、岡山を代表する名物朝市の一つが『備前岡山京橋朝市(通称:京橋朝市)』。岡山市北区京橋町から内山下エリアの、河川敷広場一帯を会場に、毎月第1日曜(1月は第2日曜)に開催されています。ワタクシことちょー査団長Mも京橋朝市が大好き。正直言って朝は苦手なタイプですが、年に4回程度はがんばって早起きをして、季節の食材やグルメをチェックしに訪れています。団長Mが思う京橋朝市の魅力は、何と言っても充実した朝ご飯! 常連店の人気メニューからニューフェイスのグルメまで、どれを食べるのかワクワクしながら屋台巡りをするのが定番になっています。今回は、団長Mが普段と変わらずプライベート気分で楽しませてもらいながら(失礼!)、京橋朝市の魅力をお届けします。
京橋朝市は月1回、早朝の5:00~10:00の約5時間だけ開催しています。まだ薄暗い中から各店が準備をはじめ、店を開ける頃にはすでにお客さんの姿がちらほら。取材を行った6月2日は日の出が早く、5:00には辺りがすっかり明るくなっていました。初夏を迎えた早朝の河川敷は、涼しくてとても爽やか。深呼吸して新鮮な空気をたっぷり吸い込んだら、早速何かが焼ける匂いが漂ってきました。早くも食欲を刺激されてお腹ペコペコの団長M。さっそく朝ご飯クルーズに向かいます!
毎回100店前後の店が軒を連ね、飲食店以外にも地元生産者による出店が多数。季節の果物や野菜、肉や魚、玉子、乾物類などのさまざまな食材が販売されています。和気町にある養鶏場『にわとり村』の放し飼い卵や、瀬戸内市の『wacca farm』が自然栽培で育てた野菜など、朝市ならではの食材を目当てに通う常連客もたくさん。新鮮な食材をお得な直売価格で買えるのがうれしいですね。食品以外にも、お花や生活雑貨のお店も出店しています。
うどんや中華粥、焼き鳥に肉まんと、バラエティ豊かな京橋朝市グルメ。歩く度にあれもこれもと手を出しがちですが、まずお店をサッとひと巡りしてから選ぶのがおすすめ。その場で食べるものと持ち帰るものを計画的に買うことができ、後から食べたいものが出てきたけどお腹いっぱいで無理…なんて事態も防げます。
香ばしい焼き魚の香りに誘われながら屋台の間を歩くと、「アマゴの塩焼き」の看板が見えてきました。これは、新見市でアマゴ養殖を手掛けている『Naradewa』の名物メニュー。アマゴは身がホクホクと柔らかく淡泊な味が特徴で、塩焼きにすることでアマゴ本来のおいしさが味わえるのだそう。今回は初体験のアマゴを食してみることにします。
アマゴを片手にさらに通りを歩くと、でっかいチーズの塊を発見! こちらは、グルメ好きが高じて仲間と朝市出店を果たしたという店主、篠原さんが手掛けるチーズリゾット&グリルのお店です。起き抜けの胃に優しいリゾットは朝ご飯にぴったり。しかもその場で削ったチーズで追いチーズ! 朝っぱらから、まるで高級レストランのような贅沢感を味わえる幸せ。京橋朝市ではこんな意外性のあるグルメも楽しめるんです。
すっかり明るくなった7:00前。京橋朝市の人気店、石窯ピザ屋さんの前にはものすごい行列ができていました。毎回たくさんのお店が並びますが、中には早々と売り切れてしまうお店も。人手のピークは6:00~7:00台。できるだけ早い時間に余裕をもって来るのがおすすめです。
川原に腰掛け、ゲットしたアマゴとチーズリゾットで待望の朝ごはんタイム。水辺の穏やかな景色と開放感は、つい長居したくなる心地よさ。早起きの爽快感を満喫できるロケーションのよさも京橋朝市の魅力のひとつです。京橋朝市には『カヌーパークOKAYAMA』によるカヌー体験コーナーもあり、朝市を楽しむ合間にカヌー遊びを楽しめます。
まだまだ続く朝ご飯クルーズ。魅力的なお店が多いからなのか、不思議とたくさん食べられるのも朝市マジックですね。
京橋朝市で人気を集めるグルメのひとつがカレーで、毎回地元の個性的なカレー店が複数出店しています。カレーに目が無い団長Mが見つけたのは、県内のさまざまなイベントに出店している『tiru and pati’s Curryshop』。ジビエ肉を使った野菜たっぷりのヘルシーなカレーは、スパイスの風味が引き立つまろやかなおいしさ。常連店の変わらない味はもちろん、新しい岡山グルメの動向をチェックできるのも楽しいですね。
朝ご飯でお腹を満たした後は、おいしいコーヒーで締めの一杯。まずは『てづくりおやつカオマニー』で、コーヒーに合うキュートな焼き菓子をチョイスしました。
初物づくしの今回の締めは、これまた初めての『HORIWAKI COFFEE LABO』の京橋スペシャルブレンドでホッとひと息。シャキッと目が覚め、週末の一日を元気にスタートできました。
朝の散歩やランニング後に買い物する人、週末の仕事前に朝食目当てで立ち寄る人、朝まで飲み明かした流れで締めの食事を楽しむ人など、一人でもグループでも、みなさんいろんなシチュエーションで朝市を楽しんでいる様子。「早起きを習慣化したい」と、朝活がてら京橋朝市に来ている若い女性もいました。
実行委員会の方は京橋朝市の魅力について、「月に一度だけ現れて、さまざまな人と文化が繋がり合うオアシスのような存在」だと語ります。誰かが仕掛けるイベントではなく、集まったお店とお客さんみんなが主役。お互いがマナーを守り、責任を持って自由に楽しむ。それが自然と成立しているからこそ、30年以上も変わらず愛され続けているのだと感じました。老若男女が思い思いに過ごし心地よい空間をみんなで共有し合っている京橋朝市。毎回「来てよかったな」と幸せな気持ちにさせてもらえます。これからもずっとずっと続いてほしいですね。
出店状況は毎回変わるので、来る度に違うお店との出合いがあります。健康的な早起き習慣、まずは京橋朝市の日から楽しく始めてみてはいかがでしょうか?
Information
備前岡山京橋朝市
- 住所
- 岡山市北区京橋町 京橋西詰の河川敷一帯[MAP]
- 電話番号
- 086-231-9373(京橋朝市実行委員会)
- 開催日
- 毎月第1日曜(1月は第2日曜) ※雨天決行
- 開催時間
- 5:00~10:00ごろ
- HP
- https://www.kyoubashiasaichi.com/BD/home/index.html