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岡山から夢を追うアスリートを応援! 夢人

《東千尋×アグレッシブインラインスケート》悔しさをバネに。世界へと挑み続ける若き女王。

THE VOICE OF ATHLETE

  • 情報掲載日:2019.06.13
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

《東千尋×アグレッシブインラインスケート》悔しさをバネに。世界へと挑み続ける若き女王。

競技人生17年。幼少期にインラインスケートと運命的な出合いを果たし、ただひたすらに競技に打ちこんできた東さん。常に志高く、ストイックな姿勢で世界トップレベルのプレイヤーにまで上りつめた彼女の足跡をたどる。

夢人
東千尋 CHIHIRO AZUMA PROFILE
1996年6月生まれ。5歳で競技に目覚めて以来、世界を相手に数々の勝利を収めてきた、日本を代表する選手。現在は柔道整復師とプロスケーターの二足のわらじを目指す。

誰にも負けたくない。その一心で磨いた技が、世界を魅了する。

ヨーロッパ諸国で誕生したインラインスケート競技。エクストリームスポーツのひとつで、技とスタイルを競うアグレッシブインラインスケートは熱狂的なファンも多い。本場・ヨーロッパ諸国やストリートスポーツ発祥のアメリカを筆頭に、世界中で人気を博しているスポーツといえる。エアーと呼ばれるジャンプ技、グラインドと呼ばれる足先の技を組み合わせて技術を競うが、単に難易度の高い技を披露すればよいというわけではなく、いかに美しく格好よく技を決められるか(スタイル)も求められる。ここ岡山には、世界に引けを取らないトッププレイヤーが続々と誕生している。身長159㎝、スラッとした小柄な体格に、常にニコニコと屈託のない笑顔を浮かべるカワイイ女性、東千尋選手もそのひとり。その小さな体からは想像できないほどダイナミックな技とスタイルで人々を魅了し、世界の強豪を下す。

インラインスケートとの出合いは5歳。自転車用のヘルメットを買いに訪れたスポーツ用品店で、ふと目にしたスケート靴に目を奪われたのが始まりだ。手にした当日、すぐにその魅力に取りつかれた東さんは、両親の勧めでインラインスケートの練習ができる「ASPO」へと足を踏みいれた。そこで目にしたのは、現在でも親交のある金島総一郎選手のプレイ。当時、15歳にしてすでにプロの道を歩んでいた彼がさっそうと駆け抜け、飛んだり回ったりする姿にあこがれを抱いた。練習に通えるのは週2日のみ。限られた時間をフル活用し、一日8時間みっちり練習に明け暮れたという。そんな風に競技と真摯に向き合えたのは、負けず嫌いと自己分析する性格、そして、インラインスケートを心から楽しむ気持ちがあったからこそだろう。

国内大会は性別や年齢ではなく、熟練度によって出場できるクラスが分けられる。年上や異性と戦うことも多い中で、初めて出場した大会では優勝を飾ることができた。しかし、その後は他選手も力を付けてきたため、なかなか勝つことができなかったという。だが、9歳のときにひとつの転機が訪れる。負傷で数カ月間競技から離れ、やっとの思いで復帰戦に挑むも予選敗退。同世代がみな決勝へ進む中、ひとり負けを突きつけられた。「その瞬間、『スケートなんてもうやらない!』って、大泣きです(笑)」と懐かしそうに振り返る。この経験を機に、スケートへの意識が一変。グラインドを基礎からやり直し、必死で練習を重ねてわずか1カ月ですべての技を習得した。そして、いつしか同世代の女子に負けることはなくなった。

夢人
「日本ではまだまだマイナースポーツなので、競技の格好よさや楽しさをもっと多くの人に広めたいです!」と、愛らしい笑顔で話す東さん
夢人
「山田グリーンパーク」内の練習場。セクションはすべて手づくりで、泥まみれになりながらも仲間と力を合わせて作ったため、愛着もひとしおだ

12歳のときにアジアで開催される「X‐GAMESASIA」への出場権を初めて手にする。世界のプロ選手が集まる大会とあって、結果は惨敗。しかし、その瞳から輝きが消えることはなかった。海外大会の雰囲気に圧倒されるも、目の前でくり広げられる高レベルのプレイにただただ感動したという。そして2009年、アマチュア世界一を決める大会において抜きん出て優勝し、プロの世界へ。2010年の「Chazsands invitational」や、2011年に開催された世界最高峰の大会「Winter clash」でも優勝を飾った。さらに「Pow‐Wow」や「FISE」など数々の大会で圧倒的なまでの強さを見せ、世界に名を轟かせた。2017年、初開催の世界選手権「World Roller Games」でもその勢いは衰えることなく、世界の頂を手にした。各国で開催される大会は、実際に会場を訪れて初めて構造物の種類がわかることも多いという。「どの技をどう組み立てるか。初見の会場、しかも短時間の練習で距離感をつかみ、技を合わせるのが一番大変です」。そういった状況でも即座に対応できるのは、自身が磨きあげた技の多さだけではなく、「誰にも負けたくない」という強い思いも起因しているのだろう。

▲世界選手権「World Roller Games 2017」で優勝した際の様子

幼少期からともに歴史を刻んできた「ASPO」なき後、金島選手から誘いを受け、「山田グリーンパーク」へと拠点を移した。「この場所には、世界トップレベルのスケーターがたくさんいます。お互いに切磋琢磨してどんどん高みに上っていける、最高の環境なんです」と満足そうな表情を見せる。今年は、スペインを舞台に世界選手権が開催される。選手のレベルが格段に上がってきており、厳しい戦いになりそうだが、「連覇を目指す」と力強く言い放つ姿は、まさに「王者」の風格を感じさせる、堂々とした佇まいだった。

(タウン情報おかやま2019年6月号掲載より)

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