降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。
「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」
そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。
「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。
《連載第58回》全国公開中の映画「脛擦りの森」岡山ロケ地で聖地巡礼!
みなさんこんにちは。
岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾です。
前回のコラムでご紹介した、映画「脛擦りの森」(4月10日全国公開)はご覧いただけましたでしょうか。今回は、本作品の新見市と高梁市のロケ地をご紹介したいと思います。
私も、ゴールデンウイーク中に、母と叔母と一緒に「宇山洞」と「穴門山神社」を聖地巡礼しました。
過去にロケハンやロケで幾度となく現地を訪れていましたが、地元の方以外でお会いすることはほとんどありませんでした。しかし、今回は4組のご夫婦にお会いしたり、駐車場に県外ナンバーの車が並んでいたりと、「もしかしたら聖地巡礼で来てくれたのかな?」とうれしくなりました。
今日は、その宇山洞(新見市)と穴門山神社(高梁市)について。
新見市の「宇山洞」は、総延長約1,500mの県指定天然記念物で、巨大な洞口が特徴的な鍾乳洞です。映画「脛擦りの森」のほか、NHK-BSプレミアムドラマ「八つ墓村」(2019年放送)のロケ地としても使われています。
私はNHK-BSプレミアムドラマ「八つ墓村」のロケハンで初めて「宇山洞」を訪れました。
制作会社のプロデューサーと「洞窟」を探し歩き、観光地となっている「満奇洞」「井倉洞」「備中鐘乳穴」「羅生門」を制覇した後は、「鬼女洞」や「井弥の穴」、「諏訪洞」など自然の鍾乳洞を見つけるため、一つ一つ攻めていった中の一つに「宇山洞」があり、最初に足を踏み入れた時の感覚を今でも覚えています。
駐車場から遊歩道のように整えられた森の中の道を進んでいくと、森の奥に鍾乳洞の入口が見えてきます。遠くにある為、あまり大きさを感じなかったのですが、近づくにつれ、穴に吸い込まれるのではないかと思わせる、縦に大きな穴の迫力に足がすくみ、自然の雄大さを感じました。

ロケハンやロケでは、秋や冬に訪れることが多く、緑はあるものの枯れ木や枯草などで寂しい感じが漂っていましたが、先日訪問した際には苔やソテツ科の植物が生い茂り、新緑の中でマイナスイオンを感じることができリフレッシュできました。その日は入洞届を出していなかったので、穴が見えるところまで行ってUターンしました。


※鍾乳洞に入るには入洞届が必要です。必ず、手続きを済ませて入洞してください
続いて紹介するのは、高梁市川上町の「穴門山(あなとやま)神社」です。
穴門山神社は、フジテレビのスペシャルドラマ「悪魔の手毬唄」(2019年放送)やNHK-BS4Kドラマ「悪魔の手毬唄」(2026年放送)、そして、映画「脛擦りの森」のロケ地となりました。
神社の手前の集落には、弥高山キャンプ場があり、夏のキャンプ時期やツツジなどの花の開花時期には、お客様が訪れます。小学生の頃、スポーツ少年団でソフトボールをしていたのですが、夏のキャンプでよく弥高山キャンプ場を利用していました。そのちょっと先に「穴門山神社」があるなんて、当時は全く知りませんでした。
集落に鳥居が立ち、一本道を5分ほど下っていくと神社にたどり着きます。前回のコラムでもご紹介した通り、穴門山神社は平安時代前期に編纂された『延喜式神名帳』にも記載されている由緒ある神社です。
本殿の裏山は断崖絶壁で、どうやってここに建てたのだろうと不思議に思うほどで、本殿裏には御神窟が! 映画「脛擦りの森」では、印象的なシーンで使われています。

ミステリー作品でも撮影をさせて頂ける懐の深さ!
宮司さんをはじめ地元の方々のご理解とご協力あってこそ実現できた撮影です。
また、撮影時は雪が降ったりして、神社までの道中を地元の方が雪かきなど、円滑に撮影が行えるようにサポートしてくださったり、あたたかい豚汁の炊き出しをしてくださったりと心も身体も温まりました。
入口の鳥居のところで、お飾りが垂れて飾られているため、背の高い車両だとひっかけてしまうことから、撮影車両が現場入りする際に私が鳥居の前に待機し、車両が通る際にお飾りを持ち上げるといった作業をしていた時に、近所のおばあちゃんが、ミカンと栄養ドリンクを差し入れてくれ、「寒いけど頑張ってね」と声をかけてくださいました。
地元の方々の心のこもったメッセージが心に残っています。

神社や地域のあちこちに映画「脛擦りの森」のポスターを貼ってくださっていて、盛り上げてくれています。ぜひ、足を運んでいただきたいと思います。その際には20円でひけるおみくじもやってみてくださいね♪ 私は「中吉」でした!

劇場で映画を観た後は、ぜひ、聖地巡礼をお楽しみください。
【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに
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