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岡山魅力再発見!!

《岡山の星空》「天文王国」とも呼ばれ、天体観測に適した地ともいわれている岡山。その理由と岡山での星空の楽しみ方を聞いてみました。

  • 情報掲載日:2021.07.22
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

あたりまえにある身近なあんなものやこんなものに、実はこんな歴史や理由があるのです…。
そんな身近にある何? なぜ?を調べます。

岡山の星空

コロナ禍でおでかけしにくい今。外出しなくても自宅から見られるものといえば、そう、星空! 岡山は「天文王国」とも呼ばれ、天体観測に適した地ともいわれています。その理由、さらに岡山での星空の楽しみ方を聞いてみました。あ、8月はペルセウス座流星群がありますね!

岡山が天体観測に適した地といわれる理由。

「晴れの国おかやま」と山が関係していた!

岡山県は、浅口市の竹林寺山には京都大学岡山天文台をはじめ複数の天文台が建っていたり、井原市美星町は名前の通り星が美しく見える町で、さらに町ぐるみで星が見えやすい環境を整えていたり…。天文や星空の話題が多いと思いませんか。「空気がきれいで暗い空なら、どこでも星が見えやすいんじゃない?」と思いますよね? それだけじゃないんです。岡山県で、特に前に紹介した浅口市や美星町を含む吉備高原周辺がなぜ天体観測に適しているかを「天文王国おかやま誘客促進協議会」に聞いてみましたよ。

まずは岡山県が「晴れの国」である、つまり雨の降る日が少なく、晴天率が高いことが大事だといいます。加えて高い山脈がなく、吉備高原は標高が同じくらいの山が並んでいるので地表と上空の温度差が小さく、そのおかげで気流が安定していることも天体観測に適しているといわれています。つまり、上空の気流が安定しているので星の光の揺らぎが少なく、望遠鏡で拡大しても星がくっきり見えることとなります。当たり前のように見ている岡山の星空が、全国的にもうらやましがられる空だったなんて誇らしいですね!

さて、どうやって夜空を見よう?

澄んだ空気の夜、明かりが少ない場所で。

さて、星空を実際に楽しむためには何に注意したらいいのでしょう。今回、2020年度に「日本天文学会 第3回天文教育普及賞」を受賞された『倉敷科学センター』の三島和久さんに話を聞きました。子どもから大人まで天体観測を楽しんでもらえるよう、分かりやすく紹介してくれるエキスパートです。「岡山は一般に公開している天文台も多く、人口当たりの天文施設の数は全国有数。また、市街地と星が見えやすい自然豊かな場所との距離も近く、高原地域のほか瀬戸内海の海景色が星空の美しさを引き立ててくれるのも岡山ならではの魅力ですね」と神奈川県出身の三島さんは言います。

冬のほうが星がクリアに見える印象がありますが、夏の夜空は見えやすいのか聞いてみました。「春は黄砂の影響もあり大気が霞みがちで、星空がぼんやりしてしまう傾向があります。一方で夏は、夕立の雨上がりなど大気の透明度が著しく増したときには、びっくりするぐらい美しい星空に出合えることがあります。遠くの景色がクリアに見渡せる日の夜は期待ができますね」とのこと。それより大事なのは、街明かりの影響を受けない場所で見ることだそうです。明かりの少ない郊外に住んでいる人はいいのですが、街中に住んでいる人でも、大気の透明度が高い夜には、うっすらと天の川の姿を見つけられることがあります。特に見えやすいのは、全国的にも珍しい「美しい星空を守る井原市光害防止条例」を制定している井原市美星エリア。八塔寺や大芦高原などの備前エリアは関西から天文好きの人が観測に訪れる注目の場所だそう。県北も街明かりが少なく暗い夜空が多いことから星が見えやすいですが、晴天率は少し下がるとのことでした。また、月明かりの影響も見逃せません。満月だと月が明るくて星が見えにくくなりますし、月が出ていないと空が暗くなるので星が映えてきます。天気と月齢と時間帯の条件をチェックです!

夏といえば七夕、天の川。

夏の星座の星図。観望の参考に

さて、実際の夏の夜空はどんな星座が見えるかも教えてもらいました。7月といえば、そう七夕! 七夕といえば天の川! 県南の市街地に住んでいる私は「天の川見たことないんですよね~」と聞くと、「天の川は星の粒々で見えると思っている方が多いんですけど、実は淡い雲のように見えるため、見逃されていることも多いのではないでしょうか」と三島さん。七夕の頃の夜23時や24時頃に頭の真上を横切るように見えているという天の川。明るく見つけやすい1等星で、織姫星といわれる「こと座」のベガ、彦星といわれる「わし座」のアルタイルを目印に、その間を流れる天の川を見つけていきましょう。ベガのほうが明るいので発見しやすいかもしれませんね。「はくちょう座」のデネブも含めて夏の大三角と呼ばれています。日頃のストレスで煮詰まったら、夜空を見上げて夏の大三角、天の川を探して気分転換してはいかがでしょうか。

8月13日頃にはペルセウス座流星群も!

三島さん撮影の瀬戸大橋の上を流れるペルセウス座流星群の流れ星。フォトジェニック!

また夏は、天体の一大イベント、ペルセウス座流星群の出現時期でもあります。今年は8月13日頃。今までも「流れ星が見たい!」と観測にチャレンジした人も多いのではないでしょうか。三島さんいわく「流れ星がなかなか見つけられなくても、10分以上は空を見続けてほしい」とのこと。ペルセウス座流星群は、特に明るく華やかな流れ星が出現するそう。出合えた時の感動はひとしおでしょうね! 1時間に30個以上見えることもあるそうですよ。おすすめの時間帯は12日の夜23時頃から13日の明け方4時頃だとか。見晴らしがいい場所で広い範囲を見渡せるよう、寝転がった姿勢で観測すると楽ちんです。曇って観測できなくても、翌日であれば数は減りますが流星は出現するのであきらめずに挑戦してみましょう。夏休みなので自由研究にも最適。ひと晩かけて流星を数えて、時間ごとの数の変化を記録するのもいいですね。

三島さんおすすめ。国際宇宙ステーションを夜空で観測。

瀬戸大橋上空を飛んでいたISSの飛跡が分かるように撮影。こちらも三島さんの撮影によるもの

三島さんがそのほかにおすすめしているのが、星空の中を横切る人工衛星の観測。地球には、気象や通信用などの衛星が数万個回っているのですが、その中で激推ししているのが「国際宇宙ステーション(ISS)」の観測。『倉敷科学センター』のHPには、ISSが見える日時や方角が分かる観測予報のページもあります。地上400キロの高さで地球を回っているISSは、通常の衛星と比べて破格の110mの大きさがあるため、1等星以上の明るさでゆっくり移動する光の点として、街中でも余裕で見つけることができます。速さは飛行機と同じくらいだそう。飛行機と間違えそうですが、光が点滅する飛行機と違いISSは点滅しないので、そのあたりで見分けるといいでしょう。

さらに快適に天体観測するために、美星町ではさまざまな動きが進行中。

「ダークスカイ・コミュニティ」にアジア初の認定なるか!?

標高300~400mの高原地帯にあり、夜空の暗さ、晴天率の高さ、大気の安定度といった点が優れていることから、天文学者や天文愛好家らの間で星空観察に適した地として全国的に知られる井原市美星町。30年以上も前から全国初となる光害防止条例を制定しているほか、最近では、星空観測地としての評価を高める新たな動きがあります。その動きとは、美しい星空を次世代に引き継ぐため、アメリカにある「国際ダークスカイ協会」が始めた光害のない、暗く美しい夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える「星空保護区」の認定を目指すことにしたこと。それに先駆けて、厳しい基準をクリアするため、町内の屋外照明740カ所を、上方向へ光がもれず温かみのある色の照明に交換しました。今年4月にはコミュニティ部門での申請が完了。これが認定されればアジア初の「ダークスカイ・コミュニティ」になるそうですよ。審査が順調に進めば、今秋に認定されるというから期待したいですね★

美星の星空観測の中心地、『美星天文台』も進化。

『美星天文台』のロビー上映設備のイメージ図

さらに一般の人が星空観測のために気軽に足を運べる『美星天文台』でも整備が進められています。外にある「星っ子広場」では、段差をなくし、さらに遊具を撤去して芝生を敷き、寝転がって広く空を見ることができるように整備されました。また館内の1階ロビー壁面へ映像を投影するロビー上映設備が今年8月から稼働予定! 地上で星空を見ている景色から宇宙遊泳しているような景色に変化し、まるで宇宙船に乗っているかのような感覚になれる作品だそうですよ。訪れる楽しみがひとつ増えそうですね。また現在、望遠鏡ドーム外にある開放廊下を拡張してテラスに改築中。秋ぐらいには、より見晴らしがよく、より空が広く見えるテラスから星空観望ができるようになるとか。いずれもコロナ禍に配慮し、密にならないようにゆったり観賞できるようになっています。コロナ禍で外出制限がされていなければ美星町に夜空を、またロビー上映設備も見に行きたいですね。

岡山は観望条件のいい空と、天体観測の楽しみ方を教えてくれる天文台、プラネタリウムをはじめとした施設や環境が整っているありがたい場所。せっかく住んでいるならその地の利を生かして、頭上の星空観賞もレジャーとして楽しめるよう知識を深めてみてはいかがでしょうか。

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