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岡山魅力再発見!!

《地質や歴史も学べる! 穴場の滝》緑豊かな場所にあり、比較的気軽に行ける穴場の滝スポット2カ所をご紹介。

  • 情報掲載日:2021.05.20
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

あたりまえにある身近なあんなものやこんなものに、実はこんな歴史や理由があるのです…。
そんな身近にある何? なぜ?を調べます。

地質や歴史も学べる! 穴場の滝へ行ってみた。

5月は新緑が美しく、自然に囲まれた場所で散策するのに気持ちいい季節ですね。そんな時期におすすめしたい、緑豊かな場所にあり、比較的気軽に行ける穴場の滝スポット2カ所をご紹介。地質や歴史など、周辺環境に学びがある場所を選んでみましたよ!

(その1)地質が珍しい、真庭市・塩滝

醍醐桜へ行く道沿いに見つけた看板。

真庭市の北房ICを下りて、一本桜で有名な醍醐桜へ向かう県道84号を以前クルマで走っていたときに、気になっていた『塩滝公園』という看板。「もしやええ感じの滝があるんじゃないか?」と思い、この機会に探索してみることに! 看板をくぐった先にあった道路脇の広場にクルマを停め、徒歩で滝を目指します。建てられた案内板によると、遊歩道が整備されていて、その先の赤い太鼓橋の辺りに塩滝があるようです。では進んでみましょう!

ごつごつの「礫岩」は、岡山県の天然記念物。

礫岩らしい岩肌。白っぽい岩の層と黒みがかった岩の層が隣り合っている場所もありました
散策道沿いに点在する石仏。なんだかパワースポット感が増します

坂を上り、山の斜面にある遊歩道を進んでいくと、小ぶりの黒みがかった石がぎゅっと集まり固まったごろごろとした岩肌が見えます。色も黒褐色のほかに茶色や黄みを帯びた岩もあり、あまりほかでは見られない地質なので、「どうやってこの地質ができたんだろう…」と気になります。あとから調べてみると、この辺りは約3億年前の火山活動が盛んな頃にできた岩で、海底に堆積していた石が固まり、隆起してきたものが露出して目の前に見えてるんですって。こんな山の中でも、この土地で火山が噴火し海底だった時代があったんだ…としみじみ。またもうひとつ気になるのが道中の石仏です。これは、昭和31年(1956年)頃に近くにある清水寺の住職が、寺の北参道から塩滝付近までの間に八十八カ所の霊場を開設しようとして配置されたものだそう。森の中に石仏を見つけると、神聖な雰囲気が増しますね。

つぶつぶ石の岩肌を持つ「塩滝」を発見!

さらに進むと目印の赤い太鼓橋が! その先に細長い滝を発見! 高さ22m、幅2.5mというこの塩滝。昔、修行者が水行をしたときに、肩から散る水しぶきが塩の花のように見えたことからこの名が付けられたといわれています。塩滝の礫岩は特に貴重で、昭和34年(1959年)に岡山県の天然記念物にも指定されているんですよ。水量は多くはないのですが、細長い水流が礫岩に当たって細かいしぶきを上げるさまもここならではの滝姿。歩きやすいように地元の人が道を整備してくれていて、少し山歩きをしている感じが新緑の季節は気持ちいいだろうなと思いました。

(その2)そばに選奨土木遺産が! 新見市・鳴滝

千屋ダム沿道から脇にそれた先にある滝へ。

もうひとつおすすめしたいのは、新見市にある鳴滝。新見市でも北部、千屋ダムにも近い場所にあります。国道180号を北上し、「鳴滝」の看板が見える交差点を東へ曲がって県道318号を進むとトイレのある建物が。そこにクルマを停めて鳴滝へ出発します。

渓流沿いを散策した先に滝が!

滝までの道は、沢の音を聞きながら歩く心地いい時間です

ここの魅力は、渓流沿いに道があるので、水の流れる音を聞きながら滝まで散策できること。森に囲まれたすがすがしい空気に包まれ、癒やされる水音を聞きながらの散策は気持ちのいいものです。200mほど歩けば滝らしきものを発見! しかしここで満足してはいけません。脇にさらに奥に進める道があり、その先に一番太い滝があるので見逃さないように! これらを含め滝は3段になっており、大きな岩盤を全長約30mもの長さを流れ落ち、水量も豊富なので迫力があります。約2km先の集落までその水音が響いていたということから「鳴滝」と呼ばれたとか。備中松山藩で活躍した陽明学者の山田方谷が江戸時代後期にわざわざ訪れたという記録も残っているほどです。周辺に水源があちこちあるようで、鳴滝までの道中には小さな滝があちこちで見られるので、探してみてくださいね。

水量が豊富で大迫力の流れ!

もうひとつの目玉、選奨土木遺産の「七曲がり」。

明治45年に作られた選奨土木遺産の林道

この場所でのもうひとつの見どころは、鳴滝の脇にある「七曲がり」。下から見るとつづら折り状の立派な石垣で、「森の中になぜこんなものが…?」と驚くはず。実は、明治45年(1912年)に山から材木や木炭を運ぶために作られた林道で、鳴滝周辺が30mもの高低差があるため、つづら折りに道が造られたといいます。この道が造られたことで当時燃料として需要の高かった木炭の生産量が増えていき、新見市の主要産業となる一因ともなりました。また、道が開通したことにより鳴滝に行きやすくなり、存在もより知られるように。今でも残るこの道は建設当時の姿を残す貴重な土木建造物だということで、2019年には選奨土木遺産にも認定されたんですよ! せっかくなのでぜひ「七曲がり」も歩いて上ってみてください。その先には、穏やかな渓流から滝つぼに流れ落ちる激しい水の流れを見ることができます。その迫力は恐ろしさを感じるほど。見学の際は足元に気を付けてくださいね。

滝の上から大量の水が流れる様子は、引きずり込まれそうなほどの大迫力!

クルマを停めて約10分歩けば、迫力のある滝と選奨土木遺産を同時に見られる鳴滝。地質と滝が堪能できる塩滝とともに、コンパクトな森歩きが楽しめる満足度が高い滝スポットかと思います。このページを読んで行けば、より感慨深い滝巡りになるはず。新緑のちょっとしたおでかけ先に滝はいかがでしょうか。

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