【エリア】岡山市北区
【主な診療科目】循環器内科
*キッズスペースあり
医療法人博優会 大森クリニック
第2の心臓ともいわれる「脚」に関する疾患のひとつ「下肢静脈瘤」。良性疾患であり致命的となることは少ないが、自然に治癒することもないため重症化するケースも。下肢静脈瘤は放置しないで、簡単な検査と早期の治療を。一般的な症状と治療法を紹介。
脚の静脈弁が壊れることで血液が逆流。重症化の恐れも。
脚の血管がボコボコとふくらんだりクモの巣状に浮き上がる「下肢静脈瘤」。心臓から駆出された動脈血は酸素と栄養素を四肢の末端まで供給したあと、静脈血となり重力に逆らって心臓に戻っていくのだが、その際に血液の逆流を防ぐ静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流することがある。それが原因で、脚の静脈に圧力がかかって下肢静脈瘤が発症するとされる。長時間の立ち仕事をする人や、妊娠・出産を経験した成人女性に多く見られるほか、加齢や遺伝、肥満も危険因子にあげられる脚の血管の病気だ。きわめて一般的な良性の疾患で、生命の危機にかかわることは少ないため、放置したままの人も少なくないのだそう。しかし、静脈瘤は自然に治癒することがなく重症化する恐れもあり、外見の変化のほか、下肢がむくんだり、だるさや痛みを感じ、ときにはふくらはぎの筋肉がけいれんを起こすようなことも。かゆみをともなった湿疹や、ひどくなると皮膚が黒く変色したり、静脈瘤のなかの血液が突然固まって炎症を起こしたり、さらには皮膚が栄養障害を起こして皮膚壊死・潰瘍、場合によっては血栓症を発症することもある。「自覚症状のある場合はちゅうちょせず、まずは専門の医療機関で下肢静脈エコー検査を受けられることをおすすめします。10分程度の簡単で痛みの少ない検査で血栓や逆流している原因血管を特定し、状態に応じて適切な治療法を提案します」と、大森院長は早期の検査と治療を提唱する。
レーザー治療やグルー治療による日帰り治療が効果的。
かつては、下肢静脈瘤治療といえば入院・全身麻酔のうえ静脈を抜去するストリッピング手術が主流で、術後に安静が必要であることから、ちゅうちょする人も多いのでは。現在の治療法としてはレーザー治療による手術が主流。局所麻酔下に弁が壊れて拡張した血管内をレーザーで焼き固めていく治療法だ。個人差はあるが、手術時間は20分~30分で、そのまま歩いて帰ることも可能だ。最近では、さらに体に負担が少ない治療法として、医療用の接着剤(グルー)を血管内に注入し、逆流している血管を固めてしまう「グルー治療」も脚光をあびている。この治療法のメリットは、カテーテルを挿入する部分のみ局所麻酔を行うため痛みがより少ないということ。ほかには、2ミリほどの皮膚切開創より直接コブ(静脈瘤)を除去する「瘤切除」や、血管に硬化剤を注入する「硬化療法」などの治療法がある。どの治療法を選択するかは血管の太さや走行位置、形状などによって向き、不向きがある。アレルギー体質であったり、内服薬との関係で選択できない術式もあるため、まずは医師としっかり相談して、適切な治療法を選択することが重要だ。また、むくみや静脈瘤にともなう症状を軽くしたり、発症・再発を予防するためには、「弾性ストッキング」の着用がおすすめ。高い圧のかかるストッキングで表在静脈を圧迫して、静脈瘤の増悪を防ぐのだそう。根本的な治療法ではないが、適切な圧・サイズを選ぶことでより高い効果が期待できる。
脚の異常で検査をすると、別の疾病がわかることも。
下肢静脈瘤の治療は比較的負担が少なく、その方法もさまざま。原因や症状がわかれば決してハードルの高い病気ではないことがわかったのではないだろうか。大森院長はこうも話す。「何か症状があれば、まずは検査をしてみましょう。脚のむくみや痛み、しびれ、かゆみなどの症状は静脈瘤があるせいだと自己判断して放っておくのは危険です。実は動脈の病気や膠原病、脊椎管狭窄症、皮膚病など、下肢静脈瘤と似たような症状でも、別の病を発症しているケースが少なくありません。今ある症状の原因はどこにあるのか、簡単な検査でわかります。症状が軽いうちに、気軽に相談に来てください」。
Information
医療法人博優会 大森クリニック
- 住所
- 岡山市北区中山下1-6-18 MAP
- 電話番号
- 086-222-6369
- 駐車場
- 17台
- HP
- https://ohmori-heart.com/
- 【診療科目】
- 循環器内科/皮膚科/外科
- 【自由診療】
- 弾性ストッキング5500円~6600円
- 【診療時間】
- 9:00~12:30/15:00~18:30 ※土曜は~13:00 ※木曜と土曜の午後は手術日
- 【休診】
- 日曜、祝日
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