Mission_80/メイドイン岡山のクールな「マスク自販機」を調査せよ! なんと「ふんどし」自販機も登場!?
キーワードはオリジナル&ひんやり。工夫を凝らした3つのマスク自販機。
街中の至るところに置かれている自動販売機。
ドリンクやタバコなどが一般的ですが、それ以外にもちょっと意外な物を取り扱う自販機や一風変わった機能を持つ自販機があり、巷で密かな話題を集めています。
なかには「何だコレ!?」と思わず足を止めてしまうほどの「珍自販機」も。
そこで『まかせてちょ~査団スペシャル』では、「岡山のおもしろ自販機・ちょ~査団」と題して、岡山のユニークな自動販売機をシリーズでご紹介します。
新型コロナウイルス感染症の流行から1年以上が経ち、新しい生活様式の必需品となったマスク。感染が拡大したばかりのころは一時的に品薄状態となり、どこのお店に行っても買えなかったことは記憶に新しいところです。
今はさまざまな素材やデザインのマスクがつくられ、性能もどんどんハイスペックに進化中。機能はもちろん、ファッション性の高いマスクも随分と増えましたよね。
こちらは、私こと『まかせてちょ~査団』の団長Mが購入したデニム素材のマスクです。シンプルながらインディゴブルーの風合いがオシャレな一枚ですが…。
なんとこれ、自動販売機で買ったマスクなのです!
コロナ禍以降は、マスクを販売する自動販売機が全国に登場。岡山県でも2020年の春ころから地元企業の手掛けるマスク自販機が街中に設置されて話題となりました。
考えてみると、感染対策グッズとしてのマスクと非接触で買い物ができる自販機って、相性バツグンの組み合わせではないでしょうか?
誰もが日常的に使うアイテムだからこそ、いつでも気軽に買えるのがうれしいですよね。
ということで今回の『自販機・ちょ~査団』は、2020年から登場した自販機界のトレンド、いやニューノーマル(?)な、マスク自販機3台を調査してきました!
それぞれ独自の製法とデザインで人気を呼んでいますが、共通しているのは自販機ならではの「ひんやり感」なのだそう。とっても気になります。
デザインに注目!丈夫でオシャレなデニムマスク。
場所は倉敷美観地区の入口付近。風情ある町家の前に置かれているのが、最初にご紹介したデニムマスクの自動販売機です。
こちらは衣料の製造販売やTシャツプリントを手掛ける会社『ハート・プランニング』が販売しているもので、同社直営の和雑貨ショップ『倉敷デニム総本店』の前に設置されています。
自販機本体は白地に「なまこ壁」のラッピングで、白壁の街並みに合わせた上品なデザインが特徴。割と目立つ場所に置かれているので、美観地区を訪れた際に目撃した人も多いのではないでしょうか?
扱っているマスクはすべてデニム素材で、無地のものからイラストや模様入りマスクなど約20種類が販売されていました。
その内の半分を占めているのが、最上段に並ぶ「家紋インディゴマスクシリーズ」。
有名な織田信長の家紋「織田木瓜(おだもっこう)」や坂本龍馬、石田三成など、由緒ある家紋がワンポイントになった立体型マスクです。
中には「浪に月うさぎ」「丸に千鳥」など動物モチーフの愛らしい家紋も。歴史好き&和物好きのコンプリート欲を刺激しそうなラインナップです。
中段には無地のマスクと、疫病を収めるといわれる伝説の妖怪「アマビエ」のイラストマスクが2種類、そして夏にピッタリの冷感素材を使用したマスクがありました。暑い時期のマスクは蒸れて息苦しさを感じますが、これなら不快感も和らぎそうですね。
おっ、下段には「ゲゲゲの鬼太郎」のイラスト入りマスクもあるぞ! これは子どもの人気を集めそう。
全部デニム素材なのにこの充実っぷり。デザインで選ぶか機能性で選ぶか、どのイラストにするか…。非常に悩むところです。
マスクに関しては優柔不断になる団長M。写真を撮りながら10分ほど悩みぬいた末に、夏用の「冷感インディゴマスク」990円を購入。
お金を入れてボタンを押すと、ゴトッという鈍い音が響きました。取り出し口に落ちてきたのは塩ビパイプ。
「なぜパイプの中にマスクが?」と一瞬戸惑いましが、後日『ハート・プランニング』の担当者に理由を聞いて納得しました。この自販機は清涼飲料水用のため、マスク単体だと軽すぎて商品が下に落ちてこないとか。
そこで、ドリンクの代わりに同等の重さと形を持つ塩ビパイプを容器として使っているのだそうです。パイプは中身のマスクを取り出したら自販機横の空き箱に返却します。
ドリンク自販機の温度管理機能をそのまま生かし、マスクも自販機でキンキンに…。いや、ほどよく冷えてます。すぐに装着すると涼しくて心地よさ抜群ですね!
購入した冷感デニムマスクの裏地はこんな感じ。吸水性のよい接触冷感素材で、サラッと快適な肌触りでした。
担当者の方からは、「年齢や性別問わず使用できるデザインです。美観地区という場所柄、お土産としても人気がありますよ」とのお話をいただきました。
さらに「冬はほんのり温めてます」とのこと。まさかマスクで季節を感じる時代が来るとは思いもしませんでしたよ! 楽しく選べるデザインデニムマスク、思わず集めたくなりそうです。
こちらのデニムマスク自販機は、倉敷美観地区内の「本町通り」にも設置されています。
国産シルクで優しい肌触り。機能性抜群のマスクを販売。
次に訪れたのはJR倉敷駅前にある『三井アウトレットパーク倉敷』。日が暮れかけた夕方のショッピングモール内で、何やら可愛いラッピングのマスク自販機を見つけました。
灯りに誘われる虫のごとく近づいてみると、ショーケースにはふんわりとした素材感のマスクがズラリ。こちらは、倉敷市児島で自動車シートなどを手掛けている縫製会社『渋谷商店』のマスク自販機です。
色のバリエーションは「サクラ」「ミントグリーン」「ストーングレー」など淡いカラーが中心で、最上段には畳表をあしらった和風のマスクもありました。横顔で和心を演出できるデザインです。
自販機の説明書きをチェックしてみると、このマスクはガーゼとメッシュ、そして国産シルクの立体3層構造で、呼吸のしやすさと肌触りを追求して造られているとか。素材への並々ならぬこだわりを感じます。
どのマスクもふんわりと柔らかそうで、手染めなのもポイント。見た目からして付け心地のよさ、肌への優しさが伝わりますね。自販機本体に素材や洗い方、サイズなど細かい解説が記載されているのも安心できます。
こちらは幼児用の小さなサイズ。4色展開のムラ染めがかわいい!
ここでも何を選ぶかさんざん悩んだ団長Mですが、姪っ子へのプレゼント用にこちらの「幼児用マスク」450円を購入しました。
取り出し口から出てきたのは、ほんのり結露した透明なガラス瓶。その中には「守」とデザインされたラベルとマスクが入っています。耳にかけるゴム紐は長さが調整できるタイプ。
こちらもドリンク用の自販機を利用しているので、冷えた状態で販売できるのが特徴です。そのまま贈り物にできそうな可愛いパッケージですね。
こちらのマスク自販機を企画開発した『渋谷商店』は、マスク不足した時期に自社でマスクを製造するようになり、夏に向けて改良版を制作したことがきっかけで自販機販売をスタートしたそうです。
お話を伺った渋谷社長は、「『夏用マスク』として2020年の5月ころに設置した当初は、ニュースで取り上げられるなど大きな反響がありました。マスクの売上も好調で、色付きマスクが特に人気です。今も改良を加えながら新商品の開発も行っていますので、自販機の商品バリエーションも充実させたいですね」と話してくれました。
『渋谷商店』のマスク自販機は、児島の『ジーンズストリート』にも設置されています。
ふんどしも買える!? ユニークな県北のマスク自販機。
美作市に本社を置く『クラバットユキジ』は、ネクタイやポケットチーフを製造する縫製会社。こちらが手掛けるマスク自販機は、何やらユニークな試みで話題を呼んでいるのだそうですよ。
お目当てのマスク自販機は、『クラバットユキジ』の工場前に置かれていました。工場は美作インターからほど近い場所にあり、社名の入った赤い看板が目印です。
3段にギッチリと並べられているのは、筒型にセットされた24本のオリジナルマスク。色はピンク、グリーン、インディゴブルー、ブラックなど種類が豊富で、形はプリーツ加工のものと立体型の2種類がありました。
気になるのは、「抗菌デニムマスク・ジュース付き」の目立つ文字。マスクを買うとジュースがおまけで付いてくる? どんな仕組みなのでしょうか?
団長Mはピンク色の立体型マスク980円を購入してみました。
「ゴトン」という音がやけにリアルだと思ったら、出てきたのはやはり缶ジュース。そこにビニール入りのマスクがセットされています。
ドリンク用の自販機でマスクを売るためには、マスクが取り出し口に落ちる程度の重量が必要だそうです。マスクに重さを付けるなら、いっそのこと缶ジュースと一緒に販売してしまおう、という発想。
なるほど、その手があったか~! と妙に感心してしまいましたが、ちょっとお得感があってうれしいですね。
冷えたジュースとマスクで涼を取りつつ商品をチェックしていたら、『クラバットユキジ』の赤代社長が登場。
「マスク不足の頃に、縫製会社としてできることはないかと考えてマスクを作り始めました。たくさんの受注がありましたが、地元は高齢のお客さんが多いので『ネットでの注文が難しい』という声もあったんです。そこで、地元の方が気軽に買えるようにと自販機での販売を企画しました」
赤代社長は、和装を得意とする勝央町の縫製会社『縫夢ing(ホーミング)』とのコラボ自販機をつくることに。
そこで生まれたアイデアが、自販機業界を揺るがす?商品開発へとつながったのです。
なんと、マスク以外にも驚きの商品が売られているんです!
自販機の右上にある5つの商品は、マスクではなく「あずま袋」と「ふんどし」…。ふんどしって!
ふんどしを売っている自販機って、もしかしたら全国でもほかにないのでは? 確かめてないけども、かなり珍しいことに間違いはなさそうです。
「『縫夢ing』さんの自社ブランド、『YOKIKOTO』のオリジナル商品です。近くに『湯郷温泉』があるので、『そうだ! 温泉にいこう』というシリーズで児島産Wガーゼを使った温泉グッズを制作。巾着とガーゼタオルに、女性用はシュシュ、男性用はふんどしをセットにしました」
なるほど~温泉グッズとして役立つユニークな商品ですね! これを持って、マスクも買って「湯郷温泉」に行けばよい記念になりそう。エコバッグとして使えるあずま袋「そうだ! 買い物にいこう」シリーズと合わせて、地域活性化につながる素晴らしいアイデアですね。
ちなみにジュースがつくのはマスク商品のみだそうです。
購入したマスクは、生地も丈夫で色もキレイでお気に入り。紐は自分に適したサイズに結んで使えるタイプです。
「この時期だからこそクスッと笑えるものを企画したかった」という想いが詰まった結果が、温泉グッズ&ふんどしも買えちゃうマスク自販機になりました。今後は自社製品のデニムネクタイも自販機でオーダー販売できるよう構想中だそうです。
今後も必需品として欠かせなくなりそうなマスク。着けずに外出できる日が来ることを願いつつ、少しでも楽しみながら使いたいものですね。
マスク自販機で、ちょっぴり気分を上げてみるのはいかがですか?
Information
Information
デニムマスクの自販機
- 問合せ先
- 倉敷屋/株式会社ハート・プランニング
- 住所
- 倉敷市白楽町337-16(事務所) [MAP]
- 電話番号
- 086-425-7371(事務所)
- HP
- http://kurashikiya.co.jp/
※設置場所…倉敷美観地区内2カ所(『倉敷デニム総本店』『本町倉敷屋』各店前)
国産シルクマスクの自販機
- 問合せ先
- 有限会社渋谷商店
- 住所
- 倉敷市児島下の町4-9-33 [MAP]
- 電話番号
- 086-472-6358
- HP
- https://shibusho.raku-uru.jp/
※設置場所…三井アウトレットパーク倉敷内、児島ジーンズストリート
マスク&あずま袋&ふんどし自販機
- 問合せ先
- 株式会社 クラバットユキジ
- 住所
- 美作市豊国原195-1 [MAP]
- 電話番号
- 0868-72-6601
- HP
- http://cravatyukiji.com/
※設置場所…クラバットユキジ 工場前
※有限会社縫夢ing(ホーミング)TEL.0868-38-0755
勝田郡勝央町豊久田2914-9
http://www.wasouhoming.co.jp/
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※新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として、国・県・各市町村から各種要請などがなされる場合がございます。必ず事前にご確認ください
※お出かけの際は、ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用、手洗いや消毒など、新型コロナウイルス感染予防の対策への協力をお願いします