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WELCOME TO HALLEWOOD ~ハレウッドへようこそ~

映画「名も無き世界のエンドロール」編

岡山映画ロケの仕掛け人・妹尾真由子の WELCOME TO HALLEWOOD

  • 情報掲載日:2021.07.30
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。

「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」

そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。

「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。

《連載第5回》映画「名も無き世界のエンドロール」編

みなさんこんにちは。岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。

2021年1月29日から全国公開された映画、「名も無き世界のエンドロール」はご覧になっていただけましたでしょうか?

観ていないという方もご安心ください。8月6日(金)にDVD&Blu-rayが発売されますので、ご自宅でも楽しんでいただけますよ!

実は、この作品のメインロケ地といっても過言ではない、「鍵となる交差点」は実は岡山で撮影されていたのです!!

撮影およそ1カ月半前、私のケータイに一本の電話が…。

電話の主は過去の岡山ロケに参加していた助監督。「兵庫県でロケが決まっているが、鍵となる交差点のロケーションが見つかっていない。岡山にいい場所がないか…」というものでした。

ロケーション提案からロケハン、ロケ地決定後の地元等調整に時間を要するため、撮影時期から逆算してみて「なかなかギリギリのスケジュール感になるなぁ」とは思ったものの…。

「無理です」と断るはずもなく、逆に「やりましょう!」と燃えたことを覚えています(笑)。

まず、制作側のイメージが「郊外にある見通しの良い交差点」であることが第一条件です。

タイトなスケジュールの中でメインロケ地の兵庫県からの移動も考え、「兵庫県に近いエリア」、「高速道路のインターチェンジ付近の交差点」に的を絞り、該当する地元の窓口担当者へ情報提供を依頼すると同時に、Googleマップなどで条件に合う交差点の情報を集めました。

そしてある程度候補地を絞った段階で、県警本部に相談に行き、複数の候補地を見せた上で、交通量や撮影条件、撮影時期に入っている規制など様々な情報を元に、撮影実現の可能性について一緒に考えていただきました。

さらに候補地を絞ってからは、「ロケ地候補として制作側に提案したい旨」を相談するため、地元の町内会長や役員の方々にアポをとり、挨拶と併せて撮影に向けた協力要請を行い、町内会の方は「地域のプロモーションに繋がるのであれば協力する!」と協力的でした。

「あとは地元住民の方々のご意見を伺ってみます」ということで方向性が決まり、この時点でようやく制作側に「岡山のロケ地候補」として情報提供をしました。

その後、ロケハン(現場確認)などを経て、見事岡山ロケが決定した…という流れなのですが、実はここからが怒涛の日々だったんです…。

地元のFC担当者にも協力していただき、住民説明会を開き、撮影協力のお願いをし、近隣の企業様にご挨拶、道路規制看板の設置など、撮影に向けた準備を進めていきました。

ついに迎えた撮影は、夕方から翌朝までの夜通しで行われ、普段は街灯も無く真っ暗な場所に煌々と明かりをともし、大勢のスタッフがその中で動き回りました。

「翌朝の通勤ラッシュまでには交通規制を解除させたい」という事情もあり、全集中で撮影は進んだのです。

通常、夜間は交差点の信号が点滅になるのですが、警察官の方が交代で現場に待機してくださり、手動で信号機を変えるという作業をしてくれました。

警察サイドのご好意に、監督含めた制作側は「こんなに協力的なところはない」と大感激! オフィシャルのパンフレットにも、その時の感想がしっかりと掲載されています。

そしてなんとこのロケ実績が認められ、特定非営利活動法人ジャパン・フィルムコミッションが表彰する「JFCアウォード」で優秀賞をいただきました。

また、地元FCと自治体を中心に、有名な「消防署カレー」「小学校カレー(この日は、ロケ地エリアの阿曽小学校カレー)」のほか、「ぶっかけうどん」や「玉豆腐」、「ピオーネ」&「マスカット」、そして「チュッピーウォーター」といった、ご当地愛溢れるメニューの炊き出しでもてなしてくれました。

これらのグルメは、暑い中での撮影で体力勝負のキャストやスタッフの方々にとって、ひと時の休息と何よりのエネルギー補給になったようです!

のちに主演の岩田剛典さんから、岡山ロケの思い出について語っていただいた際、「カレーとうどんという『炭水化物ON炭水化物』の、ボリューム満点の炊き出しに大満足でした!」とのお言葉をいただきました。

また、ロケ地紹介の特集ページで「炊き出しグルメ情報」をアップすると、なんとカレーの売上が約1カ月で、それまでの11カ月分の売上の3倍に! PR効果は絶大でした。

作品を鑑賞し、ロケ地の特集ページやロケ地MAPを見て、コロナ終息後には是非聖地巡礼を楽しんでいただければと思います。

作品データ

【タイトル】
「名も無き世界のエンドロール」

【劇場公開日】
2021年1月29日全国公開

【ストーリー】
複雑な家庭環境で育ち、さみしさを抱えて生きてきたキダとマコトは幼馴染み。

そこに同じ境遇の転校生・ヨッチも加わり、3人は支え合いながら家族よりも大切な仲間となった。しかし20歳の時、訳あってヨッチは2人の元から突然いなくなってしまう。

そんな彼らの元に、政治家令嬢で、芸能界で活躍するトップモデルのリサが現れる。リサに異常な興味を持ったマコトは、食事に誘うが、全く相手にされない。キダは「住む世界が違うから諦めろ」と忠告するが、マコトは仕事を辞めて忽然と姿を消してしまう。

2年後。マコトを捜すために裏社会にまで潜り込んだキダは、ようやく再会を果たす。マコトは、リサにふさわしい男になるために、死に物狂いで金を稼いでいた。

マコトの執念とその理由を知ったキダは、親友のため命をかけて協力することを誓う。以来、キダは〈交渉屋〉として、マコトは〈会社経営者〉として、裏と表の社会でのし上がっていく。

そして、迎えたクリスマス・イブの夜。マコトはキダの力を借りてプロポーズを決行しようとする。

しかし実はそれは、10年もの歳月を費やして2人が企てた、日本中を巻き込む「ある壮大な計画」だった─。

【キャスト】
岩田剛典/新田真剣佑/山田杏奈/中村アン/石丸謙二郎/大友康平/柄本明

【スタッフ】
監督:佐藤祐市/原作:行成薫/音楽:佐藤直紀/撮影:近藤龍人

【岡山県内撮影時期】
2019年8月26日(月)~8月30日(金)

【県内ロケ地】
県道271号線東阿曽地区の交差点(総社市)/メルパルク岡山(岡山市)

【ロケ地紹介特集ページ】
https://www.okayama-kanko.jp/feature/namonaki/top

岡山県フィルムコミッション協議会の詳細は下記から。

【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子

矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに

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