「応援してください」とお願いしなかった理由
2020シーズンの開幕戦まで、クラブスタッフからお伝えするご来場の呼びかけの際、極力「応援」という言葉を使ってきませんでした。
「美味しいフーズがありますよ」「観戦を楽しんでください」「ビールを飲みに来ませんか」…。直接お目にかかった時でも、このような言葉でお誘いをしていました。
これは「スタジアムで過ごす1日を、試合だけでなくイベントやフーズなども含めて丸ごと楽しんでいただきたい」という思いを込めていたこともありますが、たとえば初めてファジアーノのサッカーを観る方に対し、いきなり見ず知らずのチームを「応援して」とお願いすることは、少しおこがましいのではないか?と感じ、そういう方に対しては、「まずは観に来ていただきたい」という思いがありました。
そして、これまで来てくださっている方には、応援で後押しをいただきたいとの思いを込めて「ともに戦ってください」とお伝えしていました。
「応援したい」という想い
現在、新型コロナウイルス感染症対策により、入場の人数制限だけでなく、試合前のイベントやフーズの出店数なども制限した運営をしており、試合以外を楽しんでいただくことが難しい状況です。
試合後の来場者アンケートを分析してみると、コロナ以前の回答では半数近く挙げられていた「フーズが魅力的」「試合前のイベントが楽しみで来た」などの声は潜まりました。
かわりに「選手を後押しするためにスタジアムに行った!」「できるなら声を出して応援がしたい!」「声が出せないなら手拍子をしたい!」などのご意見が増え、何らか表出する形で「チームを応援したい」という声が圧倒的多数となりました。
来場者履歴を見ても、シーズンパスをお持ちだった方や、今年複数回来場いただいている方が9割近くを占めています。イベントやフーズがないことは承知のうえで、「スタジアムで選手を応援したい」「鼓舞したい」との想いが、来場の主目的になっている方が多いと感じています。
「応援スタイル」の変化とともに
そのため、今はスタジアムに来場いただいた方には「応援ありがとうございました」とお声がけするようにスタッフ一同共有しています。
今はまだコロナ以前のように、声を出して選手の耳に届くような応援をしていただくことはできませんが、試合を重ねるごとに大きくなる手拍子が新たな応援スタイルとして定着しています。
その新しいスタイルの「応援」は確実に選手の耳に届き、彼らを励まし鼓舞してくださっております。
この新しい応援スタイルならではの静寂の中、ボールを蹴る音や、選手たちの息づかい、場面を変えるべく発せられる監督の指示など、試合中に聞こえてくるものも新鮮で、「新たな観戦の楽しみ方を知りました!」と楽しんでくださっている方も増えていると感じています。
まだまだクラブ全体でも模索をしていますが、「またスタジアムで応援したい!」と思ってくださるような応援スタイル、観戦スタイルを皆さまと一緒に創り、「ファジアーノファミリー」としてともに戦っていきたいと考えています。
<消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意>
※掲載の情報は、掲載開始(取材・原稿作成)時点のものです。状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、利用前には必ずご確認ください
※お出かけの際は、ソーシャルディスタンスの確保や、熱中症に注意をしてのマスクの着用、手洗いや消毒など、新型コロナウイルス感染予防の対策への協力をお願いします