「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第21回》今回のテーマは「岡山で人気のつけ麺店」
みなさんごきげんいかが? 大盛アニキです。
だんだんと暑さも本格化してきていますが、前回の予告通り、今回は「つけ麺」がテーマです。
現在のシリーズになってから、「つけ麺」メインではやってなかったんですね…。季節もいいので満を持してということで。
とはいえ、つけ麺は1年を通して熱狂的なファンがいるジャンルですよね。お好きな方は、雨の日も晴れの日も、いつでもつけ麺ばっかり食べているイメージです。
関東を中心につけ麺がブームになった後、岡山で専門店が増えたのはしばらく経ってからだったという記憶があります。今から10年ちょっと前くらいですかね? 今回ご紹介のうち岡山市の2軒は2009年創業でしたか! (『烏城』さんの前は、同じくつけ麺の『カロリー』というお店でした)
当時のワタクシ、実はちょっと斜に構えていたんです。
「つけ麺」って、「そば文化」の影響が色濃いように思えたんですよね。さるそばのイメージだったのかしら? そんな偏見から、「果たして『うどん文化』の岡山に根付くのだろうか…?」と不安に。
しかし、そんな邪悪な思いは、「つけ麺」をひと口食べた瞬間に消し飛びました。
麺のうまみをダイレクトに感じられ、つけ汁がそのおいしさを倍加させる…。
そんなところに「ざるうどん」に「釜揚げうどん」や「湯だめうどん」、「ひやひや」とか「ひやあつ」などなど…。麺をダシに付けて食べるスタイルが存在する、岡山県民にもなじみが深い「讃岐うどん文化」に通じるものを感じちゃったのですよ。
そういえば「讃岐うどん」も麺がうまいじゃないですか(ダシもうまい)!
ワタクシは、あの「恐るべきさぬきうどん」ブームの真っただ中に、香川でその洗礼を受けた田尾さん直撃世代だったのです。
そんな経緯でもって、「このスタイル&味わいなら流行るわ!」と確信した覚えがあります←何様だよ!
以来、爆発的に店舗数が増えることこそありませんが、確実にファンは定着。今やしっかり「ひとつのジャンル」としての地位を確立しているような気がしております。
ということで、ファンの皆さんお待たせしました。姐さん、今回も張り切って行ってらっしゃい!
どうも! 現場のバリカタ姐さんです。
ラーメンのジャンルとしては、まだまだ少数派のつけ麺ですが、思わずハマる不思議な美味しさがありますよね! 濃さや量、追い飯で自由に味や食べ方を変えられるのも魅力的。岡山にもつけ麺を扱うラーメン店が増えて、徐々にレベルアップしているのを感じます。
今回大盛りアニキが選んだのは、昔からのスタンダードな濃厚系のつけ麺で勝負する3軒。さっそく実食してきます!
烏城
つけ麺ファンを虜にする実力店。芳醇なつけ汁と食感豊かな麺のバランスが絶妙。
2009年にオープン以来、岡山のつけ麺好きから根強い支持を集めている『烏城』。当時、岡山ではまだ珍しかったつけ麺を前面に押し出し、10年以上「つけ麺専門店」として味を追求し続けてきたという硬派なお店です。
店舗は『JR岡山駅』の西口から徒歩で約10分、クルマで5分ほどの国道180号線沿いにあり、50メートルほど東側に2台分の駐車場を完備しています。
実はバリカタ姐さんが初めてつけ麺を食べたと記憶しているのが、こちらの『烏城』なのです。ラーメンとはひと味違う濃厚系つけ麺の独特のおいしさを知って、不思議と箸が止まらなかったことを覚えています。
店内はカウンター席と小さなテーブル席が並ぶナチュラルな内装で、年齢・性別問わず気軽に食事ができる落ち着いた雰囲気です。
『烏城』を切り盛りするのは、店主ならぬ「城主」の三宅さん。元々うどん店で働いていたという経歴を持ちながら、独立する際に「これからはつけ麺ブームが来る!」と予測して、つけ麺店の開業を決めたのだとか。思い切りましたねえ!
「ラーメンのジャンルとして少数派だったつけ麺ですが、当店にきてハマってくれるお客さんも増えました。日々美味しさを追求して、新商品を作る時は材料や調理法をイチから見直します。十数年で味も進化していますよ」(三宅さん)
動物×魚介×野菜の旨み凝縮!まろやかな後口のつけ汁を「替えめし」で堪能。
「旨みあふれるつけ汁と、それに負けない麺の食感。すべてのバランスを大事に、自分が美味しいと思える味を追求しています」と話す三宅さん。
今回はバリカタ姐さんの人生初つけ麺となった「半熟煮たまごつけ麺(小)」850円をいただきます。
ツヤツヤの麺に乗る具材は、柔らかさと噛み応えのバランスが見事なチャーシュー、メンマ、そして味の染みた半熟煮玉子。
弾力のある太麺はトロミのあるつけ汁にしっかりと絡み、口の中で一体化します。麺は加水率の低い細麺用の生地を使い、小麦の風味を引き立たせているのだとか。
独特の味わいを持つつけ汁は、鶏ガラ、モミジ(鶏足)、豚骨などの動物系に、同じ割合だけ野菜を入れて甘みを出し、さらに数種の魚介節もミックスさせた旨みのオンパレード。
濃厚ながらまろやかな口当たりで、濃さや辛さを引きずらない後口のよさがありますね。最後まで一気に駆け抜けるような美味しさ、やっぱり箸が止まりません!
そのまま飲み干せるほどまろやかなつけ汁ですが、さらなる美味しさを楽しむなら、キムチやネギ、海苔をトッピングした「替えめし」150円がおすすめ。
残りのつけ汁をご飯にかけて、「かつおだし」で好みの味に割りながら、おじや風の食べ方ができるといううれしいメニュー。麺をしっかり味わうなら「替え玉」150円も注文できますよ。
「半熟煮たまごつけ麺」は中(1.5玉)で950円、大(2玉)は1050円。定番メニュー以外にも、店主のこだわりあふれるラーメンや限定の麺メニューが度々登場します。麺とスープの相性バツグンの一杯、ぜひチェックしてくださいね!
えびすらーめん
岡山で味わう濃厚つけ麺の先駆け的な店。リピーターも多い安定の味。
岡山市北区平和町にある『えびすらーめん』は、岡山のラーメンチェーンが手掛けるつけ麺店。
以前はとんこつラーメンの店として評判を集めましたが、オーナーが東京で定着しつつあった魚介豚骨系つけ麺の美味しさに魅力を感じて、2009年に今のスタイルへとリニューアルしました。
それから10年以上、岡山で王道の魚介豚骨のつけ麺を提供し続けている先駆け的なお店です。
場所は西川緑道公園沿いという便利な立地で、ランチから夜ごはんまで気軽に利用できる、使い勝手のよさが魅力です。
看板メニューの「つけめん」は、小・並・中・大と麺の量によって値段が変わります。並盛は200gで800円、中盛は300gで850円となっています。
単品はもちろん、3種類のご飯ものをプラスできるお得な平日昼限定のランチセット、季節ごとの限定メニューも人気だそうですよ。
魚介豚骨つけ麺はこってり濃厚なつけ汁が特徴ですが、『えびすらーめん』は地域性や味の傾向に合わせて濃度をあっさりめにアレンジ。
麺もスープに合わせたオリジナルの麺を使い、改良を重ねているとか。徹底したこだわりが安定の味を生むのですね!
魚介豚骨のコク深さがクセになる。追いダシ&辛味の素で好みの味わい方を楽しもう。
こちらが一番人気の「つけめん(並)」。営業部長の青木さんいわく、「つけ麺はひと口目のインパクトが大切」とのことですが…。いざ実食!
太くコシのある麺が魚介&豚骨のダブルスープとマッチして、確かにひと口目からガツンと心つかまれるおいしさ。具材とともにたっぷりと乗った魚粉が味わいを深めます。
「つけ汁は、自慢のとんこつスープにウルメやサバ、ソウダガツオなどの魚介節を加えて仕上げます」(青木さん)
なるほど、魚介の追いダシで繊細な旨みを足して、後乗せの魚粉でさらに旨みを濃くするのが『えびすらーめん』流なのですね!
こちらは、刻み海苔がたっぷり入った「替えめし」100円と、桜エビやゴマ、タマネギ、トウガラシをブレンドした風味豊かな「辛味の素」100円。
「辛味の素」は、スープではなく麺に絡めてほのかな辛みをプラス。「替えめし」は残ったつけ汁に投入し、割りダシで濃さを調整。雑炊的なシメの定番としておすすめです。
最初にインパクトを持たせながらも、自分好みに味を変えながら最後までつけ汁を堪能できちゃいますよ!
最後まで食べ飽きない工夫が満載の『えびすらーめん』。濃厚なつけ汁を生かす麺といい、具材のボリューム感といい、満足度の高い一杯でした!
らぁめん つけそば 頂
つけ麺の元祖「東池袋大勝軒」のDNAを受け継ぐ、県北エリアの人気店。
津山・美作エリアでつけ麺が評判のお店といえば、こちらの『らぁめん つけそば 頂(いただき)』。
湯郷温泉街や美作ICからクルマですぐの場所にあり、連日地元のお客さんでにぎわっています。
ご主人の水島さんはつけ麺の元祖『東池袋大勝軒』の支店で働き、その味を受け継ぐ形で東京に第一号の『頂』を開業。地元の美作市に帰郷して2015年に同店をオープンしました。
つけ麺は、1961年(昭和36年)に創業した『東池袋大勝軒』の初代店主、山岸一雄氏が考案した賄いメニューの「特製もりそば」がルーツなのだとか。
水島さんは、元々『大勝軒』の巣鴨店に通いまくっていた常連客でした。ある時、「そんなに好きならウチで働けば?」とスカウトされたのがきっかけでこの道に入ったそう。
つけ麺発祥の名店でそのDNAを受け継ぎ、岡山県北でその味を広めているという貴重な存在なのです!
「『大勝軒』の味をベースにしながら、地元でも親しまれる味を目指して独自のアレンジに仕上げています」(水島さん)
水島さんいわく「『大勝軒』のほうがあっさりかも」というほど、とにかく旨みのパンチが強い『頂』のつけ麺。つけ汁はもちろん、自家製麺の美味しさにも定評があります。
強烈な旨みをぶつけ合い、甘酢で丸みを効かせた一杯。のど越しのよい自家製麺にも注目。
運ばれてきたのは、いち押しの「味玉つけそば」900円。定番の「つけそば」800円に玉子とチャーシュー、メンマ、ネギ、海苔がトッピングされています。
王道のつけ麺スタイルですが、つけ汁は見た目からして超濃厚。ひと口すすると、ガツンとした旨みが広がりました。
「和風ダシと動物系のダシをブレンドさせてコクと風味を出しています。表現するなら、強烈な旨みを2つぶつけ合う感じ。クセも強さもあるつけ汁ですね」
程よい濃さを探りながら麺を絡めて一心不乱にすすると、どことなくまろやかな甘みの余韻を感じます。
「隠し味に甘酢を入れていますが、これは『大勝軒』の味がベース。冷やし中華系の甘酸タレを元にして作られたそうですよ」
毎日手打ちするという自家製麺は、北海道産の「ゆめちから」という小麦粉と全粒粉をブレンド。モッチリ感と小麦特有の風味がGOOD。
「甘み、辛み、酸味のバランス感がポイントです。クセがありつつ、味に丸みを出すよう心がけています」
つけ麺を完食した後は、一押しの「自家製ぎょうざ」400円もいただきました。皮がモチっとしてとってもジューシー。メニュー表に踊る「名脇役!」のコピー通り、セットで頼むのにぴったりの一品ですね。
県北の地でつけ麺文化を広めている『頂』。きっとハマること間違いなしのおいしさです!
まとめ
いかがでしたか? どの店も濃厚系のつけ汁が特徴ですが、それぞれに個性とこだわりが感じられました。つけ麺はつけ汁と麺の組合せが実に多彩で、伸びしろもかなりありそうなジャンルです。岡山でも、もっともっと定着してほしいですね。
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