46♥パンめ 『パンとツカイモノの店 松陰』の「松陰」
朝ごはんに、おやつに、食事に添えて…まいにちのいろんなシーンで登場する「パン」。岡山にもたくさんのパン屋さんがあり、「この店のこのパンが好き!」という自分だけのお気に入りがある人も多いのでは? パンに恋したTJ女性スタッフが、とっておきの「惚れパン」を心ゆくまで語ります!
[ナビゲーター]しょこ
TJスタッフ暦11年目のアラサー女子。パンを買いに行くために遠征し、自分でも家で焼くほどのパン好き。朝ごはんは必ずパンと決めており、なかでも一番好きなのはベーグル! パンシェルジュ1級にめでたく合格し、「マスター」の称号を手に入れる。子どものころの将来の夢は、パン職人の旦那さんと結婚すること。
前回おじゃました津山市から見ると、真庭市をはさんで西に位置する新見市。そこが今回ご紹介するパン屋さんの舞台です。
新見市は、冬は非常に気温が低くなるので山間部では良質の雪が積もり、スキーが楽しめるところ。私も幼少期には毎冬ごとに家族でスキー旅行に出かけた記憶があり、親しみ深いエリアです。
今年は比較的あったかい日が続きましたが、冬の寒さが少しずつやわらぎ、やっと春がやってきます。
そこで今回は心がほんわりあったかくなるような、春を彩る素敵なパン屋さんにご登場いただきます!
店名の渋さにそぐわぬほっこり店
場所は新見駅の目の前、川沿いにたたずむ小さなパン屋さん『パンとツカイモノの店 松陰』です。
印象的な店名は「初心を忘れぬよう」にと、高名なかの吉田松陰からとったそうです。店名の渋さとは裏腹に、ガラス張りの建物はすっきりと清潔感があって好印象ですね。通りがかりにも中の売り場がよく見えるので、思わず入ってみようかなという気持ちになります。
そして店を営んでいる店主さんも、イメージにそぐわぬ柔らかい雰囲気をかもし出す素敵な方です。このお店から、この店主さんから生み出されるパン、どんな感じなのか気になっちゃいますよね?
ふんわかやさしいまるいパン
バラエティ豊かなパンがそろうなかで、その名のとおりの看板商品がこちらの「松陰」180円です。店名を冠する商品やメニューって、絶対自信があるに決まってますよね~。期待も大です!
見た目はふわっとまぁるいカタチ。十字に入れられた切れ込み(クープと呼びます)がぱかっと開いているのがおいしさの証拠ですね。
手でつかんでふたつにちぎると、小麦とバターの芳醇な香りが立ちのぼり鼻腔をくすぐります。外側は意外とはしっかりしていて、中はしっとり水分多めな感じ。口に入れてもしっかり押し返してくる弾力と柔らかく歯になじむ食感のコントラストが楽しめます。
肝心の味は、クセのないやさしいテイストで何にでも合うのが魅力ですよ。
キノコみたいに整列したかわいいパンたち
今回は、あえて見た目そっくりな商品を3種類そろえてみました~。どれがどの味かわかるでしょうか?ぜひ挑戦してみてくださいね。
まず、「名物!松陰まんじゅう」130円。冒頭で登場した「松陰」と並び、こちらも店名のついた名物のひとつ。あんことバターを詰めてこめ油でヘルシーに焼いた、揚げパン風のお品です。
普通のあんパンとはまたひと味ちがい、こめ油ならではの香ばしさが魅力。あんの甘さ、バターの香りと風味の高さもあいまって、極上の味わいに仕上がっております。手みやげにしても喜ばれそうですね♪
次に、「高菜のおやき」170円。長野県などで有名な「おやき」は、テレビ番組でもときどき紹介されていたりするのでご存知の方もいるかもしれませんね。それをパンで再現しています。
中に入っているのは高菜の漬物とチーズ、マヨネーズを和えた具材。高菜の独特な苦味、漬物がかもし出す熟成したうまみ、少しだけ歯ごたえを加えたプレーンなパン生地のマリアージュ…。ほんとに意外な組み合わせだけど、やみつき必至のおいしさなんです。
最後にご案内するのは「チーズ豚まん」190円。「豚まん」というとおり、フィリングは豚ミンチとタケノコやシイタケをギョウザの具みたいに味付けしたもの。食感がよいアクセントになって、豚ならではのうまみもたっぷり詰まっています。
しかもそこにチーズ! とくれば、うまくないはずがないでしょう。朝ごはん代わりに、小腹が空いた仕事中に、ランチのひと品として、3時のおやつに…。と、全シチュエーション対応型の万能な子ですよ。
そして今回はさらにもうひとつ、右側の巨大なまんまるパンを。
こちらは店長さんが「ぜひともおすすめしたい!」と出してくださった「カンパーニュ」750円です。
「パン・ド・カンパーニュ」とはフランスパンの一種で、フランス語で「田舎パン」を意味します。その名のとおり素朴で、粉のうまみが存分に味わえるシンプルな味わいが魅力。
一般的なカンパーニュにはサワー種を使い、酸味の強い味わいに仕上げるんですが、こちらのものは酸味ゼロ! すっぱくなく食べやすくしているのが特徴なんだとか。
なぜなら、手がける店主さん自身が酸味が苦手だからなんですって。そのため、お子さんや年配のお客さんにも好評だというひと品です。
食べ方は、スープやチーズといったちょっとしたおかずなんかと一緒に食べるのが本場流。比較的日持ちもしますし、スライスして冷凍しておけば毎朝の朝食が楽しみになること間違いなしですよー。
パン屋だけど、パンだけじゃない!
外観の印象そのままのすっきりした店内には、常時30種類ほどの商品が並びます。ぼんぼりちっくな個性的でキュートな照明が目を引きます。
また、木の桶や焼き物のお皿をところどころでディスプレイに使って印象的にまとめているのも素敵ですよね。
パンには小麦100%を使い、添加物はいっさい使用しないとのこと。特に粉は北海道産小麦を5種ブレンドしているそうで、深いこだわりが感じられますね。
無添加なので日持ちはしないかもだけど、それだからこそ出せるおいしさがあると思います。お子さんをお持ちの方や健康に気を配りたい人、大切な誰かにプレゼントしたい人にはうれしい心づかいですよね。
また、どのパンも少量ずつ焼いているそうで、いつでもフレッシュな焼きたてに出合えるのもグー。
2014年、岡山市内から新見市に移住してきたという店主の金山さん。暮らすうちに新見の人たちのあたたかさにふれ、その気持ちに応えたいと日々頑張られています。
そんなエピソードからも、パンに込められたやさしい想いがあふれているようで気持ちまであたたかくなりますね。心の交流が生み出す新たなパンに、これからも期待したいと思います。
「ツカイモノ」と名づけられた店主さんセレクトの調味料や食材もたくさんあり、目移りしちゃいそう。
ちなみに…。ディテールにもこだわるワタクシ的には、筆文字の店名と家紋のようなマークがスタンプされた紙袋にも注目していただきたい! 渋くてゆるくて、とってもキュートなんですよ♪
パンとツカイモノの店 松陰の店舗データ
Information
パンとツカイモノの店 松陰
- 住所
- 新見市西方43 [MAP]
- 電話番号
- 0867-72-2525
- 営業時間
- 9:30~18:00
- 休み
- 月・火曜
- 駐車場
- 6台