朝ごはんに、おやつに、食事に添えて…まいにちのいろんなシーンで登場する「パン」。岡山にもたくさんのパン屋さんがあり、「この店のこのパンが好き！」という自分だけのお気に入りがある人も多いのでは？　パンに恋したTJ女性スタッフが、とっておきの「惚れパン」を心ゆくまで語ります！

[ナビゲーター]しょこ
TJスタッフ暦11年目のアラサー女子。パンを買いに行くために遠征し、自分でも家で焼くほどのパン好き。朝ごはんは必ずパンと決めており、なかでも一番好きなのはベーグル！　先日みごと「パンシェルジュ3級＆2級」を取得！　現在は1級受験に向けて勉強中。子どものころの将来の夢は、パン職人の旦那さんと結婚すること。

34♥パンめ　『bonbonbread』の「クアトロフォルマッジフォカッチャ」

前回に引き続き、パンの国「総社」からセレクトした次なる刺客…。イベントでの委託・移動販売から人気に火がつき、2018年に待望の店舗営業へとステップアップした話題の一軒です。前回の『トングウ』さんは、古くから愛される素朴なパンが多いお店でしたが、今回はまたちがう魅力で客をとりこにするこちら！　『bonbonbread』さんです。

誠実なパンづくりを続け、着実にファンを増やしていった結果が開店に結びついたということで、かなりの実力店ですね。一番のポイントは、フルーツの自家製酵母を使用していること。糖度が高くカラメル化しやすいので難易度が非常に高いんですが、ここまで果実酵母にこだわって手間ひまかけているところはなかなかありません。

春はイチゴやミカン、夏はモモやブドウ、秋はカキやナシ、冬には柚子やリンゴ。継ぎ足しはせず2日ほどで使い切るため、香り高くほんのり甘い生地になるそうです。おもに使用するのは、レーズンの一種であるドライカレンツで、ほのかにワインのような香りを持つのが特長。店主・太田さんが自由な発想で作るパンは、カンパーニュ生地に抹茶やココアパウダーを練り込んだり、天然酵母でスコーンやブラウニーを作ったりと個性的なんです。

そして私が一押ししたいのは、この「クアトロフォルマッジフォカッチャ」378円。モッツァレラ、エメンタール、ブルー、クリームの4種類のチーズとハチミツが入った、厚さが約4cmもある迫力のひと品です。具材たっぷりで、切り分けた場所によって味わいがくるくると変わる面白さ。まるで、何面性もある「大人の魔性のオンナ」のイメージなんです！　豊かなチーズの風味が口の中でいつまでも尾を引き、味の奥行きの余韻にトランス状態。温めて食べるとさらに香りが際立って、それだけでワインが飲めそうなほど…。カレンズ酵母のおかげか、甘みもあるのでおやつにもいいし、同じブドウ同士かつチーズの塩気でもちろん赤ワインにも合う合う！

ほかにも季節ごと、その日の気分で多彩な素材マッチングのフォカッチャが登場します。たとえば、過去にお目見えしたのは「白桃カスタード」「鳴門金時」「ベリーアップル」「オリーブとツナ・玉ネギ」各378円など…。もっちりしっとりずっしり、どのフォカッチャも震えるほどおいしくて毎回心待ちにしています。

『bonbonbread』さんはかみごたえ抜群のハード系が有名なんですが、もうすでにいろいろなところで紹介されているので、私はあえて「別の魅力」を知ってもらいたく「お菓子系」の品々をチョイスしてみました。

まずは「レモンケーキ」279円。残暑厳しいこの季節も、さわやかなレモンのフレーバーで乗り切れそうな気がしちゃいますね。ころんとしたレモンの形がキュートで、アイシングのたれ具合もご愛嬌。人気商品のマフィンにも、今の時季は「レモンとポピーシードのマフィン」378円が並んでいました。夏っぽい甘ずっぱさに元気が出ますね！

マフィン類には「イチゴとチョコ」「チョコバナナ」「ブルーベリークリームチーズ」「アールグレイホワイトチョコ」各378円といったテイストも随時登場するそう。また、アールグレイの気品あふれる香りと濃厚なバナナの風味が食欲をそそる「アールグレイバナナパウンド」378円なんかも素敵！　大胆な素材づかい、さりげない素材づかい、どちらもほどよいさじ加減がお上手で、作り手のセンスのよさがうかがえます。どれもコーヒー片手に、おしゃれな朝食としていただきたいものばかりですわ♪　朝の日差しに照らされて、優雅でハッピーな一日の始まりになりそう！

「いつもの日常」をクラスアップしてくれそうな魅力に満ちた品々がいっぱい。私にとっては、たとえるなら「パン界の『夢の国』」ですよ～！！　素朴な焼菓子が魅力的なのも、「いいパン屋さん」の必須条件ですよね。

アンティークの電球にウッド調のしつらえ、グリーンが映えるハイセンスな空間にそろうのは、どれも同じくハイセンスでしゃれたパンばかり。飾ってある植物は、総社の人気多肉植物屋さん『Ricca』さんのプロデュースとのことで、いっそうムーディさを引き立てています。焼き上げられるパンの数は30種ほどと少なめなんですけど、一個一個のパンが非常に存在感がある感じ。いつ行ってもお客さんが途切れないほどの大人気店で、早い時間に閉店しちゃうこともあるそうなのでご注意を。お休みも不定なので、精力的に更新されているInstagramをチェックするか、事前に電話してからのお出かけがおすすめです。

こちらのパンは、翌日でもトースターで焼き直せば焼きたてのおいしさが復活するので、「なかなか行けない！」という人は、どっさり大量買いして冷凍して毎日楽しんでもいいかなと思いますよ♪　ちなみに、この記事がアップされる2019年の8月いっぱいはお店の夏休みだそう。9月からまた感動のパンたちに出合えるので、もうちょっと楽しみに待っててくださいね。

＜消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意＞