Season 2 第六話/ ぼんじょる(岡山市)の日替わりランチとおすすめセット
東京から岡山に移住してきたライターが、まだ食べたことがない、岡山で愛されているグルメを求めて食べ歩き、行きつけにしたいお店を開拓します!
ワタクシが子どもの頃、ファミリー向けのレストランといえば、百貨店内にあるレストランのことでした。百貨店で買い物をして、その後にそのレストランで食事をするのが何よりの楽しみだった記憶があります。1970年代には、クルマ社会の進行により、郊外に駐車場付きの一軒家で建っているファミリーレストラン、いわゆる「ファミレス」のチェーン店が日本中に誕生し、人気を博しました。
その時代には外食産業が盛んになったことにより、個人経営の郊外型レストランも続々とオープンしたようですが、岡山における郊外型レストランの先がけ的なお店と言われ、古きよき時代の薫りを残すお店があると聞きつけたワタクシ。「それはぜひ行ってみたい!」と思い立ち、岡山市中区倉田にある『ぼんじょる』を訪れました。
県道45号線と2号線バイパスが交差する倉田交差点近くにお店はありました。駐車場にクルマを停め、たくさんの木々や花々に囲まれたお店に向かいます。美しいステンドグラスやアンティークの家具がレイアウトされた店内は、シックな雰囲気が漂っています。日差しが差し込む窓際の席に座り、メニュー表を拝見。メニューが豊富でだいぶ迷いましたが、基本ともいえる「日替わりランチ」650円を注文しました。
10分ほどで運ばれてきた「日替わりランチ」。本日のメインは「ハンバーグステーキのゴマソース添え」で、ライスとスープが付いています。
「当店のハンバーグは、手ごねで作っている手作りハンバーグです。開店当初からの人気メニューで、『ここのハンバーグじゃないといけんのんじゃ』とおっしゃってくださるお客様も多いですね」とお店の方が教えてくださりました。手作りハンバーグは、冷凍してストックしないことにもこだわっているそうで、ゴマソースとの相性も抜群。付け合わせの野菜もおいしくて、あっという間に完食しました。この値段でこのボリュームは、かなりコスパが高いですね。
程よくお腹が満足しましたが、デザートは別腹というワケで、ショコラケーキとコーヒーの「ケーキセット」630円を注文しました。ふんわりとしたチョコスポンジのショコラケーキに生クリームと桃のシャーベットが添えられていて、甘党にはたまらないデザートです。注文を受けてから丁寧にドリップしているというコーヒーも味わい深く、優雅な昼さがりのひとときを過ごしました。
ランチタイムは14:00までで、それ以降のディナータイムのメニューも豊富だと聞き、後日お店を再訪しました。
1週間後、今度は夜の訪問となりました。ディナータイムのメニュー表を見ると、確かに魅力的なメニューばかりで、優柔不断なワタクシは、またまたかなり悩みましたが、「おすすめセット 若鶏のもも肉のステーキ 自家製デミグラスソース」1620円を注文しました。セットの内容は、本日のスープ、生ハムのサラダ仕立て、ライスorパン、デザート、コーヒーor紅茶で、ワタクシはライスとコーヒーをチョイスしました。
本来は、コース料理のように一品ずつ提供されていますが、今回は「写真を撮りたいので」とお願いして、同時に持って来て頂きました。若鶏のもも肉は柔らかくて食べやすく、クセがない自家製デミグラスソースとベストマッチ。さっぱりしたドレッシングがかかった生ハムのサラダ仕立てや、貝のダシがよく効いているクラムチャウダーもとてもおいしいです!「クラムチャウダーも開店当初からお出していて、人気がありますね」とお店のスタッフ。デザートは、ティラミスと桃のシャーベットと豪華で、フルコースと言ってもいい、大満足のディナーでした。
お腹いっぱいになったところで、常務取締役の中原修子さんにお話を伺いました。「この場所でお店を開店する前は、岡山市の市街地で何軒かお店をやっていましたが、当社の社長が郊外型のお店をやりたくて、当店は1977年(昭和52年)にオープンしました。当時は、2号バイパスもまだできていなくて、周囲にはまだ何もありませんでしたね」。社長さんは、元々デザイン関係の仕事をしていたそうで、建物のデザイン案などを出して、外装や内装にも大変こだわられたそうです。
「開店してからしばらくは、座席がびっちりと並んでいて、席数も多かったのですが、お客様がゆったりくつろげるように、席数を減らしてゆとりがある空間に少しずつ変えてきました」。お店の照明は明るすぎず暗すぎず、バックに流れる音楽は、インストゥルメンタル中心の穏やかな音。そのような要素が先述したステンドグラスやアンティーク家具とも相まって、お店全体を落ち着いた雰囲気にしているのだと感じました。
家族連れや年配夫婦など、幅広い層が訪れる老舗レストラン
創業から42年目を迎えた『ぼんじょる』には、家族連れや若いカップル、年配のご夫婦など、さまざまな層のお客さんが訪れるそうです。「『小学生のとき以来、何十年ぶりに来ました』という方も多いですよ」と中原さん。店名の由来を尋ねると、「『こんにちは』という意味のイタリア語『ボンジョルノ』から。『お客様に笑顔になって欲しい』という意味が込められています。分かりやすくひらがなにしました」と教えてくださいました。お店の今後についてお聞きすると、「お客様に喜んで頂ける値段で、ゆっくりくつろげる雰囲気をキープしていけたら、と思っております」とのこと。『ぼんじょる』は、おいしい料理と素敵な空間でこれからも多くのお客さんを笑顔にしていくことでしょう。ごちそうさまでした! またゆったりした時間を過ごしにお伺いします!(ライター:カタオカキヨシ)
Information
ぼんじょる
- 住所
- 岡山市中区倉田540-1 [MAP]
- 電話番号
- 086-276-3577
- 営業時間
- 9:00~22:00(OS 21:00)※1月1日~1月3日は11:00~22:00
- 休み
- なし
- 席数
- 70席
- 駐車場
- あり