※閉店しました。
「関東発祥の人気店が倉敷の加須山にオープンしたってよ!」。2015年の夏前にその話を聞いて以来、このお店のうわさは何度も耳にしました。いわく「オシャレで、うまくて、それに加えて…」。それに加えて?
今回の調査担当は、ワタクシが全国に50名放っている「ラーメン忍者(以下ラー忍)」の9号こと飛燕さん。あのあたりのエリアは実は人気店が集まる激戦地。ズバリどうだった? 「ラーメン、つけ麺、超イケメン…」。あ゛? 「ラーメン、つけ麺、超イケメン…」。あのさ。そういうのいいから。ネタとしても古いし。「違うでござる。このギャグは、まさにあのお店を表しているといっても過言でなく」。どゆことよ? 「レベルの高いラーメン、本場仕込みのつけ麺。そして…」。よーし、みなまで言うな。そこに重ねるように盟友のブンガクくんまで登場。「あのお店は…。濃厚でいて繊細。『能』には橋掛かりが、『歌舞伎』に花道があるように、そこに行き着くまでの「道中」、つまりプロセスこそが重要だ」。よく聞いたら当たり前のことをドヤ顔で言うね。分かった。このワタクシが足を運んで確かめましょうぞ(またラー忍からうつった)。行くでありんす(今度は歌舞伎)。
「創業店は栃木県です。そこから派生した『倉敷店』なんですが、メニュー開発や運営など、かなり自由にやらせてもらってます」。そう語るのは千田雅章店長。一番人気は何ですか? 「本店仕込みの『味噌らーめん』680円ですね」。岡山でみそがメインのお店ってほとんど聞きませんよね? 麺が中太のちぢれというのも岡山らしくないですけど、スープとの相性なんでしょうか? うわ、確かにこれはただの「みそ」じゃない。味に深みがあり、独特の辛さもなくて飲みやすいですよ。右上に2種類の粉末が浮かんでいるんですが? 「青のりと山椒です。香りがいいでしょう?」。確かに、みその風味とともに鼻に抜けていきますね。「豚骨が砕けるまで、じっくり1日は煮込みます」。そのせいなのかクリーミーですらありますよ。どんぶり内で存在感ありまくりのチャーシューは適度な厚みで、今時珍しい歯ごたえあるタイプで好みです。人気も出るわ!
「続いて2番人気です」。この香りはイリコですね! 「『濃厚にぼしらーめん』680円です」。ひと口飲んだ瞬間のカウンターパンチがすごいですね、「ザ・魚介」って感じで。麺は同じですか? 「いえ。こっちは少し細めのストレートです」。あ、本当だ。「味噌らーめん」にはチャーシューのコマ切れが載ってましたけど、右手前にあるのもそうですか? 「いえ、『フライド・エシャロット』ですね。タマネギに似たエシャロットを揚げたものです」。絶妙な香りづけと食感のアクセントになってますね。ベースのスープは同じなんですか? 「はい。すべて豚骨ベースで。手間をかけてますよ」。前述のブンガクくんの言葉通り、メニューが成立するプロセスを知っておくことは大切なファクターです。どこの馬の骨とも分からない人間を自宅にあげることはできません。具体的にどのようにスープを作ってます? 「…言えないですね」。はい。企業秘密、いただきました!
では、らーめんに続いてつけ麺です。さすがは関東発祥の店だけあって、かなり本格的&ゴージャスなルッキングですね。「『肉野菜つけめん』830円です。普通の『つけめん』は並と大が610円、『肉つけめん』も並と大が780円です」。安くねぇですか? スープとかかなり凝ってますよ! 少しピリ辛ですね。「特徴はやはり極太の麺ですね」。うどんみたいです。そして何と言っても…。「はい、みなさん驚かれるのは手前のブロックチャーシューですね」。ちょっといただきますよ。すごいジューシー。そして脂身も適度にあって、かなりボリューム満点で腹持ちがいい感じです! 「炭火で炙ってご提供しているので、香ばしい味わいを堪能していただけるかと」。壁の張り紙に書いてある「わり飯(無料)」ってなんですか? 「残った割りスープをライスに投入していただくと、リゾット風になるんです」。それおいしそうですけど、全部食べ切れるかしら?
ラーメン、つけ麺ときて、最後にイケメンの登場ですよ、皆さん! 聞くところによると、麺喰い(メンクイ)なラーメン女子の皆さまにかなり人気らしいじゃないですか? 「えっ? それ、本当ですか?」。はい、自覚なしと(笑)。まだ20代半ばのナイスガイでいらっしゃいますが、どういうきっかけでこの道に? 「以前は鉄鋼関係の企業で働いていました。以前から飲食業には興味があって、知り合いだったオーナーに声をかけてもらって決心しました」。最初にここのラーメンを食べたときのご感想は? 「メチャうまかったですね!」。このエリアは密かに人気店の激戦区だったりするじゃないですか? しかし不安はなかったと? 「そんなことはないですけど…。日々営業していくなかでお客さんが増えていって。そこで充実感ややりがいを感じはじめて、『実感』に繋がっていきました。それが『自信』にもなっていると思います」。日々是勉強ですね。
千田店長にお店の経営の信条を聞くと「一番は笑顔です」とにっこり。ラーメンも、つけ麺も、イケメンも、内面=中身があってこそのもの。それを『実感』した一軒でした。
オシャレな雰囲気で、誰もが気軽に立ち寄れる一軒。
栃木の創業店のメニューや方針に縛られることなく、奔放に独自の道を歩んで岡山の人々に受け入れられた人気店。「いわゆる『ラーメン店』らしくしたくなかった」という店舗は、確かに女性受けのしそうなオシャレな作りになっている。「クルマで来られる人が多い立地ですが、おかげさまで平日は会社勤めの方、土日などはカップルやファミリーなどが来てくださっています」との言葉通り、日々幅広い層の人でにぎわう。したがってメニューのバリエーションも幅広い設定で、あっさり好きのための「淡麗醤油ラーメン」650円や、辛いもの好き用の「辛味噌ラーメン」750円、女性にオススメの「トマトつけめん」780円などが人気を集めている。また、サイドメニューの「卵かけごはん」180円、「チャーシュー小丼」280円なども合わせてオーダーをしたい。23:00まで営業しているので、学校や仕事の後に足を運べるのもうれしい。オーダーは食券購入で。
Information
ones ones(ワンズ ワンズ)倉敷店
- 住所
- 倉敷市加須山291-3 [MAP]
- 電話番号
- 086-428-0700
- 営業時間
- 11:00~14:00/17:00~23:00 ※日曜、祝日は11:00~15:00/17:00~22:00
- 休み
- 不定
- 席数
- 17席
- 駐車場
- 5台
- HP
- https://www.facebook.com/onesoneskurashiki/