岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘けつだとか。
哭声 コクソン
最近、恐怖映画が少ないとお嘆きの貴兄に、突然ですが“最恐”をお届けします!
韓国スリラー映画の名手、ナ・ホンジン監督の最新作に日本の名優・國村隼を迎え、異文化融合による映画史に残るスリラーが誕生! ただ驚かすだけ、エグイだけの作品をご期待の方はご遠慮ください。本当の恐怖は、目にするものを全て疑わなければいけない混乱の中から始まり、観終わってもしばらくはその恐怖から逃れられない。つまりこの映画は観る前に覚悟が必要なのだ!
<STORY>
平和な村に来た謎のよそ者。同時に村では自分の家族を残虐に殺す事件が次々と起こる。殺人を犯した村人には例外なく、濁った眼に湿疹が現れていた。事件を追う警官ジョングは、ある日自分の娘に殺人犯たちと同じ湿疹が出ていることに気付く。ジョングは娘を救うため、疑わしいよそ者を追い詰めていく! 身の毛もよだつ恐ろしい真実にジョングはたどり着くべきなのか!?
観客はジョングの目にするものを信じてはいけない。しかしそう疑って見れば必ず騙される。そんな混乱の中、見せられ続ける展開は真の恐怖を心に刻んで行く。底なしの異文化・宗教の世界に考察を広げるもよし、伝説のオカルト映画『エクソシスト』を彷彿とさせるシーンでオモラシをするもよし(よくない)。
とにかく、手放しでオススメすることを躊躇するほどの衝撃があることだけはお約束できるのです!
<公開情報>
ヘッド・ショット
インドネシア映画のアクションが凄かった!!!
衝撃的なアクションは、世界各地の映画祭で絶賛され、30カ国以上で公開が決まった。これはある意味、世界が認めたということだ! 殴る蹴るは世界共通ではない。殴り方、蹴り方、その切り取り方は千差万別。インドネシアの底力を思い知れ!
<STORY>
頭部に銃弾を受け記憶を失った男。ある日、最愛の女性が誘拐される。相手はインドネシア最大の犯罪組織。自分はいったい何者なのか? 彼女を助けるために組織のアジトに乗り込んでいく男。次々に送り込まれる最強の刺客たちとの激しい戦いの中で徐々に蘇える記憶。謎に包まれていた過去が、今解き明かされる。
ストーリーこそありきたりだが、エグイアクションは必見! 主演のイコ・ウワイスは『スター・ウォーズ フォースの覚醒』にも出演したインドネシアの武術家。バッタバッタと敵を倒すのは痛快だが、やられ役のひと、ホンマにしどんるやろ~っ!と思わず叫びたくなるのだ!
<公開情報>
おとなの事情
大人のシチュエーション・ドラマは久々ではないか? テーマは携帯電話。
現代人は個々に携帯電話というブラックボックスを持っている。そして不用意にも常に持ち歩いている。たまにチラッと友達に見せたりしている…。ゾッとする。
<STORY>
3組の夫婦とひとりの独身、7人の男女が集まり仲間内の楽しい食事会が始まる。何気ないひと言からお互いのスマートフォンをオープンにするゲームがはじまり…。
信頼を深めるためのゲームは、絶対に知られたくない秘密を次々に暴露していく!
電話が鳴るたび、メールが着信するたび、長年の友情と絆に波紋が広がる。
携帯電話に秘密をお持ちの方々は、なんて馬鹿なことをしているのだろうと呆れながら鑑賞して頂きたい。一方で、全く秘密のない方々は自分の人生はつまらないと落ち込んでしまうかもしれない…。