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岡山芸術創造劇場 ハレノワ ~カウントダウン♪ 千日前から

深~い! 新劇場「岡山芸術創造劇場」と千日前の誕生物語vol.14【PR】

変わる 街をウォッチング。岡山芸術創造劇場 ハレノワ ~カウントダウン♪ 千日前から

  • 情報掲載日:2023.01.01
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

『岡山芸術創造劇場』にバトンを渡す日、迫る。愛しの『岡山市民会館』の思い出はいつまでも。

2022年12月、旧城下町・表町商店街の千日前地区に、『岡山芸術創造劇場 ハレノワ』の建物が完成予定です。 来たる2023年9月1日、『ハレノワ』は『岡山市民会館』と『岡山市立市民文化ホール』の役目を引き継ぎ、自ら舞台芸術をつくる劇場としてグランドオープンします。

今回は2024年3月の閉館を前に注目の集まる『岡山市民会館』にフォーカスします。『ハレノワ』の3つの劇場のうち、大劇場は『岡山市民会館』とほぼ同じ1750席、中劇場は『岡山市立市民文化ホール』とほぼ同じ約800席というのも感慨深いですね。

▲「『岡山市民会館』は、青春の一ページみたいな市民の思い出がたくさん詰まっている場所だと思うんですよ」と渡辺館長。「2階席の方が1階席より多いのが特徴で、実は2階の最前列が特等席。1階席の15列目あたりの上から2階席が始まるんですが、ステージ全体がすごく見やすいんです」と矢野さん

『岡山市民会館』は、令和の大改修を終えた岡山城のそば。その美しいデザインは、2022年6月、国際組織DOCOMOMO日本支部により、文化的・社会的価値が高い「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されました。

機能性と芸術性の両面で細部までこだわった建物の設計は、「建築音響学の先駆者」と言われる佐藤武夫氏。その南向かいの『RSK山陽放送会館』とセットで統一感のあるデザインに設計され、岡山城を意識したような石垣も印象的。それらの建物を石畳の広場がつないでいました。

長らく、市民にたくさんの「ワクワク」「ドキドキ」を届けてくれた劇場であり、取り壊しを惜しむ声もかなり多いようです。

▲緑豊かな旭川の隣、美術館や劇場が集まるカルチャーゾーンの一角に佇む『岡山市民会館』。八角形のホールの外壁が傾いて見えるのは上部に逆三角形のスリットがあるから

「『岡山市民会館』の開館は、1963年。最終年度の2023年でちょうど60周年になります」と渡辺俊文館長。「運営している私たちはどっちかというと、鑑賞する側より、昔、ここのステージに立ったという、出演者側の声を聞くことが多い。観客席にいるのと舞台に立つのとでは、感覚がまったく違うみたいですよ。

『高校時代、吹奏楽部の演奏会で初めて舞台に立ってドキドキしました』というような体験は強烈に印象に残る。舞台に立つ、というのは人生のなかでなかなかないことですからね」。

▲これまで『ハレノワ』開館準備室は、この『岡山市民会館』の会議室棟を拠点に多彩なプレ事業を展開してきた。背景には小さく岡山城も望める。『ハレノワ』の建物完成に伴い、準備室は晴れて新劇場にお引っ越し

『岡山市民会館』は貸館事業を中心に、プロアマ問わず、さまざまな舞台の場を提供し、1991年に『岡山シンフォニーホール』ができるまで、岡山市で最大級のホールを誇っていました。

「これから閉館に向かって、閉館記念イベントを開催します。『ずっとお世話になっていたので、最後の記念にぜひこの舞台に立ちたいんです』という方はいっぱいいらっしゃいます」と、同館事務局の矢野正己さん。

クロージングイベントの公募で選出されたのは12組。それぞれ閉館記念にふさわしい特別企画を考えて、2023年4月から1年間、演奏やダンス、演劇などを上演します。

たとえば、定期的に筝曲演奏会で利用してきた団体は、演奏会と併せて思い出の展示コーナーを用意。また、開館当時に合同で舞台に立ったふたつの合唱団が再び共演したり、高校の吹奏楽部がOB・OGを特別に呼ぶ演奏会も企画されています。

▲大ホールの舞台脇には舞台と同じ広さの予備スペースがあって、舞台転換や搬出入にも便利な造り。幅広いジャンルで利用されてきた。ホールの壁面は音響効果とデザインの両方を考えて、全体的に職人の手でボコボコに削られている。「はっきり言ってめんどくさい作業ですよね(笑)。ホールからロビーまでこの壁が続きますから。職人技がすごい!」と矢野さん

ところで、矢野さんは初めて行ったコンサートの会場が『岡山市民会館』だった市民の一人です。それは、人生を大きく変える出来事だったとか。

「あれは私が中学2年生の時(1971年)のことです。日本で大人気だったニニ・ロッソのトランペットを聴きに行ったんです。始まる時に舞台が暗転して、緞帳の向こうから「夜空のトランペット」という曲のイントロの『ソードー♪』という音色が響いたとたん、涙が出てきた」。

「本当は小学生の頃から親に勧められて吹いていたトランペットを、つまんないと思ってたんですけどね。やっぱり、トランペットっていいなぁと思って。それからは、ニニ・ロッソの追っかけのようになって、来日するたびにコンサートに行ってました(笑)。大学時代はジャズのビッグバンドのメンバーになり、人気ミュージシャンのツアー・メンバーのオーディションを受けたことも。いい思い出ですね」。

再就職で『岡山市民会館』の勤務になったのが、2022年夏のこと。「たまたまなんですけどね(笑)。閉館を見届けることになり、ご縁を感じています」。

▲階段の手すりや天井などが直線的なデザインで構成された、大ホールのロビー。壁面の大きな浮彫りは、日本画家・吉岡堅二氏によるデザインをもとにていねいに手彫りされた『牧神』という作品

以前は、成人式も『岡山市民会館』で開かれていて、『月刊タウン情報おかやま』で撮影部隊が現地に繰り出して撮った、晴れ着姿のスナップ写真の特集が恒例企画だったことも。

「昔は、ホールの裏側の会議室棟1階にレストランがあって、結婚式場としても利用されていたみたいですね。この前まで『ハレノワ』の開館準備室があった4階も、披露宴会場に使われていたとか」。

「今、『岡山市民会館』と『岡山市立市民文化ホール』にまつわる、思い出のエピソード&写真を2023年2月末まで大募集しているんです。思い出展(2023年5月開催予定)や記念誌の発行も予定しているので、貴重な結婚式の写真なども送ってもらえたら嬉しいですね」と渡辺館長は微笑む。かつてレストランがあった名残りで、今も館内に立派な厨房が残っているそうです。

▲ロビーの有孔ブロック積みの壁にはめ込まれた色とりどりのモザイクガラスは、イタリアの建築家・ジオ・ボンティに師事した岩淵活輝氏がデザイン。昼は建物内部のロビーを、夜は外観を美しく彩る。西側の壁なので、特に西日が差し込む夕方がきれいとか

そういえば、このコーナーを担当する編集者とライターの2人とも大学時代、先輩から紹介されたアルバイトで『岡山市民会館』のコンサートの裏方をしたことがありました。いわゆる影アナや楽屋のお茶汲みですね。間近かで見る大物歌手の放つオーラには、ドキドキしたものです。

さて、あなたはどんな劇場の思い出がありますか?

劇場を訪れたら、時には思い出にゆっくり浸り、建物を見学してみるのもいいかもしれません。

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