中学生が劇場長にインタビュー。その熱い思いが伝わって…。
2023年の開館に向けて絶賛建設中の『岡山芸術創造劇場 ハレノワ』。
なんと今回は、中学生が劇場長にインタビューします。インタビュアーは、編集室に職場体験に来てくれた岡山県立岡山操山中学校の小林さん、三宅さん、宮田さんの3名。『ハレノワ』のHPを見て、気になったことを質問することにしました。では、よろしくお願いします。
宮田さん
「最初に、私から質問させて頂きます。HPで拝見したのですが、『ハレノワ』は『魅せる、集う、つくる』をテーマに活動しているとありました。その中の【魅せる】プレ事業の中でアウトリーチについて教えてください」。
劇場長
「興味を持ってくださってありがとうございます。具体的には、俳優やダンサー、演出家を学校に派遣して演劇やダンスのワークショップを開催することです。たとえば、身体表現では、『象の姿を体で表現してください』、また感情表現では『すごく感動した』ということを体で表してくださいなどということを考える、または表現することを通して、演劇ができる過程の一部を体感してもらいます。
『ちょっとおもしろそうだから劇場に行ってみよう』と思ってもらうことが目的です」。
劇場長
「ところで、皆さんは岡山市民会館や市民文化ホールなどで演劇などを見たことはありますか?」。
小林さん・三宅さん
「ない…です」。
宮田さん
「私は幼稚園の時に『ヘンゼルとグレーテル』の劇を観た記憶がうっすらあります」。
劇場長
「それは、演劇が良かったから記憶に残っているの?」。
宮田さん
「あのー、よかったんですけど、途中で恐くて泣いてしまって…」
全員
(笑)
劇場長
「魔女のおばあさんが出てくるからかなぁ(笑)。じゃあ、次の質問をどうぞ!」。
宮田さん
「私からは、地域連携について質問させて頂きます。HPに市民参加の作品をつくるとありましたが、どんな活動をするのでしょうか?」。
劇場長
「さまざまな地域の人たちと関りをつくって、『ハレノワ』を身近な文化の広場にしたいですね。ロビーは常に開放する予定ですから、皆さんが宿題をしたり、お茶やおしゃべりにだけでも来てもらえるとうれしいです」。
「『つくる』プレ事業では、いま高校生と一緒にお芝居をつくることを考えています。演劇には、企画立案、脚本書き、練習、音楽、演出などが必要になります。大変ですけど、『ハレノワ』には練習室、大中小の劇場、大道具や衣裳の製作工房、舞台照明や音響の専門家もいますので、『文化祭でこんなことをやりたい』と思ったときの相談も気軽に受け付けます」。
『集う』プレ事業では、表町商店街にアンテナショップとして『まちなか集会所 kikkake!』を開設して、全国の劇場のパンフレットなどを設置しています」。
小林さん
「幅広い年齢層の人に『ハレノワ』に来てもらうため、どのようなことが必要と思われますか?」。
劇場長
「舞台芸術を観たことのない人にとっても敷居が高くならないようにと考えています。有名な劇団を呼んだり、料金設定を考えたり。そうだ、皆さんは何を観たいですか(笑)。「劇団四季」って観たことありますか?」。
全員
「…ないです」。
劇場長
「それじゃあ『木下サーカス』は観たことありますか?」。
全員
「はい!(笑)」。
劇場長
「『木下サーカス』さん、本当にすごいですよね(笑)。僕もね、18歳までは総社に住んでいて、それまで観たことがある舞台公演は『木下サーカス』だけでした。大学生になってお芝居を好きになって、今では年間100本くらい観ます。小学校の頃は音楽の授業が退屈だったけど、今ではオペラやクラシック音楽を見聞きするようになり、どんどん好きになりました」。
小林さん
「『ハレノワ』でもっとも大切にしている信念を教えてください」。
劇場長
「『芸術創造劇場』の名前の通り、『創る』ことを大切にしたいですね。有名な公演を呼ぶだけでなく、自分たちで作品を『創る』。同時に、新たな観客、劇場を支える専門的な人たちも『創る』。さらに、『心の豊かさを大切にする岡山』に来てみて、他県の人が憧れるような街を『創る』ことができたらと思います」。
「『劇場は世界に開いた窓である』という言葉があります。舞台を見ることで、いろんな国の歴史や背景も知ることができる。今、ロシアはウクライナとの戦争で批判を浴びているけど、クラシックバレエの頂点の一つが、首都モスクワにある国立劇場『ボリショイ劇場』だと言われています。一流の舞台芸術を自由に観ることは、平和な世界だからこそ可能なことです。『ハレノワ』も、多くの人にとって世界に開かれた劇場でありたいと思います」。
三宅さん
「今日はありがとうございました。お話を聞いてみて、バレエを見たいなと思いました。劇場の完成を楽しみにしています」。
宮田さん
「私は、ロビーが開放されると聞いて新劇場に行ってみたくなりました。あっ、『kikkake!』にも行ってみます」。
劇場長
「でしょー!(笑)。 待っていますのでぜひ来てください」。
小林さん
「『他県の人に憧れてもらう街をつくる』という言葉で、劇場長さんの想いが伝わってきました」。
劇場長
「いつか皆さんも成長して、一度は岡山を離れるかもしれないけど、『ハレノワ』がきっかけで舞台を楽むようになったり、いい記憶が原風景になって岡山に戻りたいと思ってもらえたら。今日皆さんにお会いして、そんな橋渡しになる仕事になるんだな、改めて私もうれしくなりました。ありがとうございました」。
全員
「ありがとうございました‼」。
清々しい初夏の一日、中学生と劇場長の笑顔に、『ハレノワ』の輪がまたひとまわり大きくなったようでした。職場体験をもとに学校新聞を作ったとのこと、お疲れ様でした。
▲岡山県立岡山操山中学校から来てくれた、ちょっと緊張気味、左から三宅さん、宮田さん、小林さん。『岡山芸術創造劇場』のHPで予習して、事前に質問を準備 ※撮影時のみマスクを外しています
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