【事業内容】
受託蒸留事業（化学工業薬品の精製）

「受託蒸留事業」というニッチな分野で成長。

豊かな自然に囲まれた御津工業団地内にある『ネオケミカル株式会社　岡山工場』。企業から依頼を受けた化学工業薬品を蒸留精製し、高純度な製品にして返す「受託蒸留」という事業を専門に行っている。「工業薬品の不純物を取り除くことで、電子材料として使用できるようにしたり、海外製の原料を安定した品質のものに製造できるようにしたりすることが、私たちの仕事です。50mlから数100tまでのあらゆるスケールに対応し、沸点が近く分離しにくいものや熱に弱いものなども蒸留が可能です」と話すのは、同社の中平貴年社長。蒸留精製されたものは、リチウムイオン電池やスマートフォンのレンズ、半導体などの電子材料から、医薬品・農薬品の原料まで幅広く使用されており、私たちの生活に欠かせないものづくりを支えている。このような高度な蒸留技術に加え、精製後の微量な不純物をさまざまな分析装置を用いて管理・保証できる微量分析技術を持つことも大きな強みだ。

他社よりも先行することで、顧客の課題解決につなげる。

2006年の岡山工場の稼働以降、「自社にしかできないことを、他社よりも先行する」ことに注力。新たな設備の導入や設備の改造を率先して行い、顧客を課題解決に導いてきた。「最先端の分野で活躍する方々から困りごとを聞き出し、私たちにできることは何か、一歩先を見据えて動いてきたからこそ」と、中平社長は語る。また、蒸留作業に伴う業務は原料の受け入れから仕込み、蒸留塔の監視、分析、出荷、設備管理、実験まで多岐にわたる。そこで複数の業務に対応できる多能工化を推し進め、少人数で高品質な製品を安定して提供できる体制を整えることで、同業他社との差別化を図っている。「それに加え、人の手をかけることで、非常に高い生産性を維持しています」。

社員の意見を尊重し、働きやすい環境を整備。

蒸留施設や事務所では、安全面に配慮しながら、個々の専門性を発揮していきいきと働く社員の姿が目に留まる。同社には社員同士で評価しあう制度があり、毎年行われる社内アンケートで、今年一年間がんばっていた人を「岡山工場賞」「社長賞」などの部門ごとに表彰している。「自分のがんばりが周囲に認められ、表彰されたことがうれしかった」と喜ぶ社員の姿も。また、社員自ら手を挙げて新しいことに挑戦できたり、自分のアイデアや意見を取り入れてもらえたりする企業風土があることも、社員のモチベーションアップにつながっているという。

さらに、年２回、社長や工場長と直接面談できる機会を設け、社員の要望や職場環境の改善などに反映させることで、より働きやすい職場づくりを進めている。同社では工場を24時間３６５日稼働させるために、三交代勤務を行っているものの、有給休暇や男性育休が取得しやすいことから、オン・オフのメリハリをつけて無理なく働くことができるのも魅力になっている。

時代を先読みした先行投資と卓越した独自の技術で、日々新しい価値を創造し続ける同社の今後に、ますます期待が高まる。