あなたのお店「タウン情報おかやま」に掲載しませんか?岡山ラーメン本2024 あなたのお店「タウン情報おかやま」に掲載しませんか?
  1. Home
  2. ライフ
  3. 《瀬戸内市/備前長船刀剣博物館》刀剣ファンの聖地、ここにあり! 名刀…

編集者にまかせてちょ~査団スペシャル

《瀬戸内市/備前長船刀剣博物館》刀剣ファンの聖地、ここにあり! 名刀の里『備前長船刀剣博物館』で、知られざる日本刀の魅力にふれる1日。【PR】

気になる岡山の街ネタ調べます!まかせてちょ~査団スペシャル

  • 情報掲載日:2019.10.26
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

Mission_39/日本刀鑑賞から制作現場まで楽しめる、刀剣の一大テーマパーク! 美の結集、刀剣ワールドを体験せよ!

岡山で話題のスポットやイベント、知る人ぞ知るレアな情報など、誰もが気になる地元のモノ、ヒト、コトを『タウン情報おかやま』が徹底調査するこの企画。スタッフが実際に現地を訪れ、体験したとっておきの情報をリポートして、「岡山の魅力を再発見できる、よりディープでフレッシュな街ネタ」をお届けします!

目指せ刀剣女子! 知られざる日本刀の世界

日本の伝統文化として受け継がれてきた日本刀。映画やテレビの時代劇では必ず見かけますよね。この日本刀を含め、太刀や剣といった刀のことを総称して「刀剣(とうけん)」と呼ぶのだそうです。

現在は骨とう品として全国の美術館や博物館などで実物を見ることができ、中には数百年前につくられた国宝級の貴重な名刀も数多く残されています。

趣味としては渋い印象の刀剣ですが、ここ数年は若い世代のファンが増えています。そのきっかけになったのは、人気のオンラインゲーム「刀剣乱舞」。名刀を美男子に擬人化したキャラクター、「刀剣男子」が活躍するというなかなか変わった設定ですが、このストーリーが女性を中心に大人気。

推しキャラの名刀を一目見ようと全国を聖地巡礼し、ゲームの世界から刀剣そのものの奥深い世界にハマる「刀剣女子」がブームを巻き起こしました。

ある一定の趣味や傾向を持った女性を表す「〇〇女子(〇〇ガール)」という言葉ですが、「刀剣女子」は2015年の流行語大賞にもノミネートされるほど注目を集めました。

そして、この岡山にも全国の刀剣愛好家が訪れる「聖地」があります。それが名刀の里・備前長船の地に建つ『備前長船刀剣博物館』。全国でも珍しい刀剣の専門博物館として親しまれています。

今回の「まかせてちょー査団」は、『備前長船刀剣博物館』を訪問。初心者でも楽しめる刀剣の魅力について教えていただきました。目指せ、刀剣女子!

日本刀の聖地「備前長船刀剣博物館」

JR赤穂線香登駅から徒歩20分、国道2号線沿いの「おさふねサービスエリア」からほど近い住宅地の中にある『備前長船刀剣博物館』。1983年に公立博物館として設立され、2004年には現在の形にリニューアルされました。今回は学芸員補の志部さんに施設内をご案内いただきます!

館内を入るとすぐ右手に、刀剣を紹介する情報スペース「刀剣の世界」があります。まずはこちらで刀剣についての知識をおさえておくのがおすすめ。備前長船の歴史や日本刀の製造工程、日本刀の種類などが映像やパネルで分かりやすく解説されています。

日本刀には数百年の歴史があり、古いものは武士が誕生した平安時代頃にまでさかのぼるのだとか。安土桃山時代から江戸時代にかけても盛んに作られ、時代ごとの戦い方や使い方によって刀剣の形状も変化しています。

備前長船は、「五箇伝」と呼ばれる日本刀の主な生産地で作られた刀剣の作風に特質があり、そのひとつ「備前伝」として知られ、大和伝(奈良)、山城伝(京都)、相州伝(神奈川)、美濃伝(岐阜)などと並んで優れた刀匠や刀剣職人を輩出しました。

備前長船は吉井川の水運が開けていたので、刀剣の原料となる中国山地の砂鉄やマツなどの燃料が運びやすく、当時の流通の要であった「福岡の市」によって販路が形成しやすかったことも刀剣の里としての発展につながりました。

毎月第4日曜に長船町福岡で開催されている朝市「備前福岡の市」は、中世のにぎわいを現代に再現するものとして始まったんです」と志部さん。

なるほど、刀剣の名産地であり、流通や文化の交流地点として栄えていたんですね!

展示の中には、本物の刀を持ち上げられる体験ブースがありました。刀の重さは約850グラム。いざ持ってみると、片手では支えにくいほどのズッシリした重量。

茎(なかご)と呼ばれる鉄の持ち手が手のひらに食い込み、何度も打ち鍛えた鉄の重みが伝わります。素振りすら難しそう…。

こちらは刀剣にまつわるクイズが楽しめるゲームコーナー。刀剣について楽しく学ぶことができ、お子さんにも人気です。

志部さんも刀剣に関する言葉クイズにチャレンジ。「博物館の方だから100パーセント正解ですよね…」と嫌なプレッシャーをかける団長M。「意外と忘れているクイズもあるんですよ~」と笑う志部さん。

クイズはランダムに出題されるので、何回でも楽しめます。

次に向かったのは刀剣展示室。ショーケースの中にずらりと並ぶのは、当たり前ですが本物の日本刀。入った瞬間から背筋が伸びるような、独特の緊張感が漂います。

刀剣は人を斬る武器ということから怖い印象を持っていました。しかし、スポットライトに照らされた刀剣は磨きぬかれた精巧な美しさを称え、引き込まれるような不思議な魅力があります。刀剣は、伝統的な美と技の結晶なのです。

初心者でもOK! 日本刀鑑賞のススメ

しかし、素人目にはどの刀も同じに見えてしまうのが正直なところ。刀剣はどこをどう見るのが正解なのでしょう? 志部さんに刀剣鑑賞のポイントを教えていただきました。

「日本刀には大きく分けて4種類あります。二尺(60cm)より長く反りがあるのが『太刀(たち)』。刃を下に向けて展示しています。一方、太刀よりもやや短く反りが浅いのが『刀(かたな)・打刀』で、こちらは刃を上に向けて展示します。そのほか、1尺~2尺の長さがある脇指(わきざし)、1尺より短いものを『短刀(腰刀)』といいます。

写真の日本刀は、鎌倉中期に作られた太刀の名作「則包(のりかね)」。目を凝らしてよく見ると、刃の部分にうっすらと波模様のような曲線が現れています。

「この曲線を「刃文」といいます。刀身全体の美しさはもちろん、刃文の曲線がくっきりと華やかに出ているのが「則包」の特徴です。刀剣をよく見ていると、それぞれに形や反り具合、刃文の模様が少しずつ異なっているのがわかるはずです。その違いを楽しみながら、自分好みの日本刀を見つけていくのがポイントです」と志部さん。

展示では、身長150cm~160cmの人の目線に合わせて刃掛け(台座)の高さやライティングを設定しているそう。一方向ではなく、いろんな角度から見ることで、違った美しさを感じることができます。

こちらは地鉄に彫模様が入った日本刀。装飾があると特徴が分かりやすいですね。彫模様や銘を施すのは専門の彫金師。かなり高度な技術を要します。

日本刀の外装は「拵(こしらえ)」と呼ばれ、持ち手の「柄(つか)」や刃をカバーする「鞘(さや)」などに装飾が施されています。漆や螺鈿(らでん)などが使われた拵はとても華やか。工芸技術が結集した芸術作品なのです。

展示室は1階と2階に分けられ、名刀の数々をじっくりと鑑賞できます。

『備前長船刀剣博物館』では、個性豊かな企画展を開催。アニメやゲームをテーマにした「コラボ展示」も話題を集め、2012年に開催された「エヴァンゲリオンと日本刀展」や、人気アクションゲーム「戦国BASARA」をテーマにした特別展は、数万人規模の来場者が訪れる大人気企画になりました。

2019年10月には、国宝の備前刀「山鳥毛(さんちょうもう)」を特別陳列。開催中の7日間で来場者5500人を超えるフィーバーぶり。刀剣人気、ますます盛り上がりを見せていますね!

体験会&工房で刀剣作りの現場を体験!

『備前長船刀剣博物館』では、さまざまな体験講座も開催されています。

写真は「ペーパーナイフ制作体験」の様子。刀匠によって打ち伸ばされた五寸釘をヤスリで削り、ペーパーナイフを制作します。

全体を均一に磨くのがなかなか難しいのですが、現役の刀匠に教えてもらいながら作れるので安心。こちらは希望日に合わせて開催。2週間前までの予約が必要です。

そのほか「日本刀手入れ講習会」や、本物の刀の材料を使った「小刀制作講座」も開催。生活に役立つ小物づくりを通して、刀剣づくりの現場にふれられる絶好の機会です。

博物館の横には鍛冶師や彫金師、塗師といった現役の刀剣職人の工房があり、作業現場を一般公開しています。

火を起こしているのは、この道20年超のキャリアを持つ刀鍛冶の安藤さん。作業の合間には、刀剣制作について丁寧に教えてくださいます。ちなみに、来場者から必ずといっていいほど聞かれる質問は、「やっぱり熱いですか?」だそう。気持ちはわかる。

「刀剣職人の方と直接話せるのが『備前長船刀剣博物館』の魅力。刀剣をより身近に感じていただけると思います」と志部さん。

炎で真っ赤に焼いた玉鋼(たまはがね)を職人が打ち伸ばすという「古式鍛錬」。火花が飛び散り、カンカンと鋼を叩く音が響きわたる迫力いっぱいの作業。毎月第2日曜に公開実演されているほか、イベントで実演されていることも。

『備前長船刀剣博物館』では、毎年行われている「刀剣の里体験イベント」をはじめ、不定期でさまざまなイベントが開催されています。

絵や器のように具象化された表現ではなく、面と線に込められたストイックな美しさが刀剣の魅力。多くの職人の技が一本の刀に込められているんですね。

敷地の横には、刀剣に関する商品をとりそろえた「ふれあい物産館」もあります。鑑賞や体験、工房見学と、刀剣初心者でも十分に楽しめる『備前長船刀剣博物館』。ぜひ一度訪れてみてください!

Information

Information
備前長船刀剣博物館
住所
瀬戸内市長船町長船966
電話番号
0869-66-7767
開館時間
9:00~17:00(入館は~16:30)
休み
月曜(祝日の場合は翌日が休み)、祝日の翌日、年末年始(12月28日~1月4日)※展示替えのための臨時休館あり
料金
一般500円、高大生300円、中学生以下無料
※団体や65歳以上は割引、障がい者と介助者1名は無料
※企画や体験内容により料金が異なる場合あり
HP
http://www.city.setouchi.lg.jp/token/

<消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意>

関連記事

SNS