降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。
「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」
そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。
「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。
《連載第60回》晴れの国岡山 雨の話
みなさんこんにちは。
岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾です。
6月は梅雨の時期で、しとしとと降り続く雨のイメージがありましたが、最近は、梅雨らしい天候ではなく、雨が降らない日が続いたり、ゲリラ豪雨に見舞われたり、台風が多く発生したりと、気候が変わってきたように思います。
岡山県では、ロケ誘致の魅力の一つとして、「岡山は晴れの国で、雨が降らず、スケジュールを組む際も天候に左右されにくい」といったことをメリットとしてPRしています。
しかし、岡山でも雨は降ります!
そこで今回は、雨にまつわるお話をしたいと思います。
NHK-BSプレミアム「八つ墓村」、「犬神家の一族」、「悪魔の手毬唄」と3作連続でオール岡山ロケをしていただいた際、特に初回の「八つ墓村」では、約1ヶ月のロケ期間中、8~9割といっていいほど、曇りや雨の日が続きました。
「八つ墓村」のロケが終わった際に、監督から「晴れの国と聞いていたのに、ほとんど雨で、だまされたなぁ……笑」と言われ、その時は、「八つ墓村のストーリー的に晴天だと画にならないので、あえて晴れの国のパワーを封印したんですよ」と冗談交じりに返しましたが、撮影時は内心ハラハラで、ほんとに「たたり」かと思うほど、天候に悩まされました。
「八つ墓村」の後も、このNHK-BSの金田一シリーズでは、最後まで「晴れの国」パワーを発揮することができませんでしたが、映像を見ると程良く“陰”な雰囲気が出ていて、天気も味方してくれたなぁと感じました。
また、映画「劇場版トリリオンゲーム」では、岡山ロケの初日が真鍋島の真鍋中学校で行われた島の運動会のシーンでした。2月の撮影だったのですが、雨が降ったりやんだりとコロコロ変化し、降る時もゲリラ豪雨のような大雨で、天候待ちの時間もたくさん発生しました。
テントに雨水がたまって、溢れた雨水がバシャーとこぼれて中にいたエキストラさんから悲鳴が上がったりと、バタバタの中での撮影でした。
ちなみに、雨が上がると、スポンジやウエスなどを駆使して、グラウンドの水を少しでも早くはけさせるための作業をします。そんな復旧作業に時間をとられ、予定していたシーンをカットするなどして対応しました。
岡山県フィルムコミッション協議会では、ロケーションの豊富さやスムーズ且つ丁寧なロケ支援をウリとしていますが、それに加えて、「晴れの国」も岡山ロケのメリットとして、制作会社にPRをしていることもあり、雨が降った時の保険的な意味も込めて、「『どーしたんだ!!晴れの国』映画等ロケ助成金」という名称で制作会社に向けた助成金も用意しています。
この助成金は、映画やドラマの屋外撮影の際に、降雨でスケジュール変更となった場合、一定額(15万円/日※上限30万円)を助成するものです。
ただ、「晴れの国」という名の通り、撮影時に雨が降らない場合が多いのでほとんど使われないのが実情です。
先程ご紹介したように、雨に悩まされるパターンもあれば、演出上、わざと雨を降らせることもあります。過去に、映画「先生!、、、好きになってもいいですか?」「8年越しの花嫁」「名も無き世界のエンドロール」などで雨降らしをして撮影を行いました。

その際は、雨降らし用の散水車を用意し、スタッフや機材などは、雨に濡れても良い準備をして撮影を行います。
散水車も数トン単位の水が必要な時もあり、少しでも早くタンクを満水にするため、高い水圧で給水できる市民プールや消防署にご協力いただいたこともあります。
事故のシーンや、心が折れて自暴自棄になっている場面など、様々な心情描写を表すためにも雨を降らせます。
映画「とんび」の時は、主人公のヤスが職場を訪問してきた家族とトラックに乗っているシーンで、雨降らしを行ったのですが、その日は晴天で、雨を降らした時に違和感があるということで、監督の咄嗟の判断で「狐の嫁入りか」というセリフを付け加え、晴れているのに雨が降っている様子を違和感ないように変更したことが、とても印象に残っています。
雨の日は、少し憂鬱になることもありますが、この時期ステイホームされる方は、ぜひ、岡山で撮影された作品を鑑賞して、岡山の魅力を探していただきたいと思います♪
【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町に入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに
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