Mission_43/笑顔と幸せを運ぶ、岡山県民のソウルフード?! 変わらぬ味を守りつつ、進化を続ける『岡山木村屋』の魅力をリサーチせよ!
岡山で話題のスポットやイベント、知る人ぞ知るレアな情報など、誰もが気になる地元のモノ、ヒト、コトを『タウン情報おかやま』が徹底調査するこの企画。スタッフが実際に現地を訪れ、体験したとっておきの情報をリポートして、「岡山の魅力を再発見できる、よりディープでフレッシュな街ネタ」をお届けします!
創業100年を迎えた『岡山木村屋』。あなたの最愛「キムラヤパン」は?
ここ数年メディアで取り上げられる機会も多く、空前の盛り上がりをみせている「パン」。お店やスーパー、コンビニなど、巷には多種多様なパンがあふれています。
岡山にも魅力あるパン店やパンのイベントが増えて、ちょっとしたパンブームが起きているのを感じます。
次々と新店が登場する一方で、ずっと変わらず愛されているロングセラーもたくさん。その中でも、岡山県民ならだれもが知っている(であろう)、非常になじみ深いパンといえば…そう、キムラヤのパン!
つい「キムラヤ、キムラヤ」と気軽に呼んでしまいがちですが、正式には『岡山木村屋』という名前です。
私こと『まかせてちょー査団』団長Mも、子どもの頃から『岡山木村屋』のパンが大好き。今までいろんなパンを食べてきましたが、「どこのパンを一番食べたか?」と問われたら、間違いなくここのパンだと断言できます。
人生の思い出とともにある、といっても過言ではないほど「キムラヤ党」なんです。
ちなみに団長Mが一番好きなのは「スネーキ」。みなさんご存じですか?
「バナナクリームロール」に比べて目立たない存在ですが、米と麹による酵母で作られた酒種風味の菓子パンです。生地はしっとりと柔らかく、酒種の芳醇な甘みが後を引きます。
初めてスネーキを食べて以来、コクのある独特な味わいにすっかりハマってしまいました。
皆さんも、子どもの頃に食べた懐かしいパンや、つい手にとってしまうお気に入りパンなど、心の中の「マイベスト・キムラヤパン」があるのではないでしょうか?
岡山の老舗パンメーカーとして誰もが知る存在の『岡山木村屋』。なんと2019年で創業から100周年を迎えました。
あんぱんで有名な『銀座木村屋』で修業した創業者・梶谷忠二さんが、岡山にその味を広めようと店を構えたのが1919年。長きにわたって変わらぬ味を守りながら、時代に合わせた新作パンも続々と誕生させています。
そこで今回は『岡山木村屋』の魅力を再発見するべく、工場併設の店舗で新作&人気のパンをチェック。商品づくりについて、いろいろなお話をお伺いしてきました。
新定番!「バナチョコロール」&「ハラペコッペ」が登場
倉敷市中庄にある『岡山木村屋』の工場。隣には工場併設の「倉敷工場売店」があります。
店内にはぎっしりと商品が並んでいます。工場からすぐ入荷される豊富なパンのほか、店内の工房で焼きあげたベーカリー商品も。
「キムラヤ党」を自負する団長Mですが、改めて見ると、食べたことのないパンもたくさんありますね。毎回「スネーキ」に手が伸びてしまうので、これを機会に新規開拓せねば!
「『スネーキ』もよいですが、たまには新商品も食べてみてください。100周年の新作をご紹介します!」
そう声をかけていただいたのは、『岡山木村屋』の宮永部長。手に持っているのは、噂の新商品ですか?
「はい、こちらが2019年11月に発売された『バナチョコロール』です」
なんとなく既視感を抱くのは、きっと私だけではないはず。どこかで見たことあるようなパッケージですよね。
そう、こちらは『岡山木村屋』の代表作ともいえる「バナナクリームロール」と「チョコレートロール」、その2つのクリームをダブルサンドした商品なんです。
キムラヤファンにとって魅惑のコラボが遂に実現。逆に「あれ?今までなかったっけ?」と感じてしまうほどの安定感があります。こんなの、食べる前からおいしいに決まってるじゃないですか!
「ありがとうございます。ご愛顧いただいているバナナとチョコの2つのロールパンをドッキングさせた形ですが、チョコクリームはこの商品に合わせて新しく開発しました。バナナクリームの味とマッチするように、ベルギー産のチョコを使い濃厚な風味に仕上げています。従来の『チョコレートロール』とは違うチョコレート感を楽しんでもらえますよ」
価格は税込みで145円。ちなみに「バナナクリームロール」「チョコレートロール」は各120円。約20円アップでダブルサンドの贅沢感が味わえるのはお得ですね。
カットした断面はこちら。切った瞬間からクリームの芳醇な香りが広がり、幸せな気分に浸れます。
中には2色のクリームがたっぷり。優しい甘さのクリームとソフトなパン生地が口の中でしっかりとまとまり、ほっと心やすらぐおいしさです。
発売と合わせて、「おかやまマラソン2019」では参加者限定の「バナチョコロール」がお披露目されました。ランナーからの評判も上々で、「店頭発売後にダッシュで買いに走った」というランナーらしい口コミもあるとかないとか。SNSでも話題になっているそうです。
次に宮永さんが運んできたのは、5種類のコッペパン。「『岡山木村屋』の若手新製品開発チームが手がけた新商品、『ハラペコッペ』です。ボリュームのあるおかずパンとして男女を問わず人気です」
気になる味のバリエーションは、「ナポリタン&ミートボール」と「牛肉コロッケ&激辛ソース」が388円、「ローストビーフ&わさびしょうゆ」、「海老と玉子のチリソース」、「三元豚のデミカツ」が421円。
2種以上の具材や味がミックスされているものが多く、食べごたえも抜群。ふんわりと香ばしいコッペパンとの相性もぴったり。
「ローストビーフ&わさびしょうゆ」には、新見市の醤油メーカー『カツマル醤油』が手がける「昔しょうゆ」を使用。
「牛肉コロッケ&激辛ソース」には、倉敷市玉島にある調味料製造会社『豊島屋』の「激辛ソース」を使い、辛いけれどもクセになる味わいに仕上げています。
地元の食材や素材を生かすことで、ローカルパンとしての魅力も高めた力作です。
変わらぬ味と新しい味。気になる人気商品をチェック!
新商品でも十分満足感いっぱいですが、店舗内をもう少しチェックしてみることに。パンの種類が豊富な『岡山木村屋』ですが、団長Mが以前から気になっていた、アレを見つけました。
「なぜこれを挟んだのか?」とツッコんだ人もいるであろう、「たくあんサラダロール」。
その隣には「高菜サラダロール」、「ソース焼きそばロール」と、和風のロールパンシリーズが。
ちなみに「高菜サラダロール」は宮永さんの発案だそう。程よい甘辛さとマヨネーズの風味がポイントです。それにしても、「〇〇ロール」のバリエーションの幅が広すぎですね。意外な組み合わせのパンも、一度食べてみるとハマるかもしれません!
「創業以来大事にしているのは、安心、安全でおいしいパンづくり。直営店や専売小売店での販売にこだわり、毎日美味しく味わえるパンを提供しています。加えて、みなさんが興味を持ってくれるような意外な具材の組み合わせなど、柔軟なアイデアも商品づくりに取り入れています」
パン以外にも、ロングセラーの自家製クリームやジャム、オリーブオイルなど、パンをよりおいしく味わうための商品もたくさん。なんと、パンに挟む海苔も登場しています。
どの商品も、試行錯誤を重ねて発売されるそうです。ボツになったメニューのアイデアもたくさんあると宮永部長。
「よく聞かれるのが、自家製『バナナクリーム』を使ったロールはあって、なんで『オレンジクリーム』のロールがないのか。開発を試みたことはあるのですが、オレンジの風味がロールパンになかなか合わなくて」
オレンジクリームとパン。このベストな関係性を追求した末に生まれたのが、こちらの「オレンジドイツコッペ」。パンのふんわり感とさっぱりしたオレンジクリームが相性抜群です。
カフェ店舗も人気。進化を続ける岡山のパンメーカー
まだまだ気になる商品がたくさんありますよ! とてもじゃないけど紹介しきれないので、新しめの注目商品をあと2つ。
お隣に工場がある『梶谷食品』の人気商品「梶谷シガーフライ」を、「バナナクリームロール」に挟んで食べると結構いけちゃう!というアイデアを打ち出した「バナシガ」。
県民のソウルフードをコラボさせるという斬新さが話題になりました。確か全国放送のTV番組で、某国民的アイドルも食べにきてましたよ。
袋には食べ方の解説書も添えられています。その中には、「シガーフライを積み上げてタワーを作ってみよう!」とジェンガみたいなイラストが書かれてあり、なんとも遊び心たっぷり。
「食べもので遊んじゃダメ!」と言われて育ってきたはずですが、遊んでいいのか? しかもパンは一切絡まない遊び方。試してみたくなりますよね、これ。積み上げた後は、全部きちんと食べましょう。
創業100年の歴史を物語る、懐かしい復刻パンにも注目です。昭和40年代の人気商品だった「パイン」。パイナップルフィリングを使ったフルーティで甘酸っぱい一品です。現代の食文化に合わせて新たな味わいに仕上がっています。
昔は家族で分け合って食べられるようにとサイズも大きかったそうですが、復刻版は少し小ぶりに。一人でも食べやすい大きさです。
商品のラインアップも味も、少しずつ進化しているんですね。ファンの心をがっちりつかんで離さないのは、誠実なパンづくりへの想いと、商品力があるからこそ!
さらに、『岡山木村屋』で新たな展開を迎えているのがカフェスタイルの店舗づくり。
2019年12月現在、直営店37店舗のうちカフェが併設された店舗は8店。工場横の売店をはじめ、岡山市北区表町や、岡山市北区桑田町のシティホテル別館などにもカフェスタイルの店舗があります。
こちらは岡山市北区問屋町にある『KIMURAYABAKERY & SORA』。お子さん連れのお客さんに優しいカフェレストランとして、パンを中心としたカフェメニューを提供しています。店内にはキッズスペースもあるので、ゆったり食事できるのがうれしいですね。
どのカフェ店舗も、買ったパンをすぐに味わえて、気軽にくつろげるのが魅力です。
昔ながらのおいしいパンはもちろん、パンのある幸せな時間も提供している『岡山木村屋』。今日のお昼&おやつには、お気に入りのキムラヤパンを食べてちょっと幸せな気分に浸ってみませんか?
Information
Information
株式会社 岡山木村屋
- 住所
- 倉敷市中庄2261-2(本部・倉敷工場売店)[MAP]
●倉敷工場売店・キムラヤのパン&サンドイッチハウス - 電話番号
- 086-462-6122(倉敷工場売店)
- 開館時間
- 工場売店6:00~24:00/サンドイッチハウス6:00~18:00
- 休み
- なし ※店舗により住所、電話番号、営業日時は異なる
- HP
- http://www.okayama-kimuraya.co.jp/