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子どもたちに夢を!

《第15回》2020年コロナ渦において考えた3つのこと。

ファジアーノ岡山・北川真也社長の 子どもたちに夢を!

  • 情報掲載日:2021.05.11
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。
ファジアーノ岡山・北川真也社長

皆さんのおかげで乗り切れた2020年度シーズン

『ファジアーノ岡山』はJリーグに所属するクラブですが、運営は『株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ』という企業の形で行っています。

4月27日定時株主総会において、第15期2020年度の決算が承認されました。

1年前、一時は1億円以上の赤字になる可能性もあったのですが、営業収入は前年度より約2億円マイナスの13億6200万円となり当期純損失として1900万円の赤字を計上しました。

赤字をここまで縮小することができたのは、コロナ禍においてもスタジアムへお越しくださったり、来場は難しくともオンラインでグッズを購入くださったりしたファン・サポーターの皆さま、これまでと変わらずお力をくださったスポンサー企業の皆さま、クラブへの助成を決断くださいました地元自治体の皆さまのお力添えがあればこそです。

本当にありがとうございました。

まずはクラブを潰さないこと!

昨年、第一に考えたことは「クラブを潰さない」ということでした。

この連載でもたびたびお伝えしていますが、その年度に頂戴した収入は余すことなくチーム強化費として活用し最高の順位を獲得していくことが、クラブ経営の基本になります。

利益を残して有事に備えることが難しいスポーツビジネスの在り様にジレンマを抱えていますが、順位によって上位リーグへの昇格、または下位リーグへの降格がある以上は、単年の結果に最大限こだわるこのやり方を大きく変えることはできません。

その中で、昨年はコロナ禍の影響で試合が開催できなくなり、入場料収入が入らない状況となりました。

現金収入が絶たれた状態ですので、わずかな貯えしかない現金がなくなれば倒産です。5月に何とか当座の資金繰りの目途がつき最悪の自体は回避できましたが、今でも役員や経理部長と相談していた会議室の情景が夢に出てきます。

そして経営を安定させること!

資金繰りの次に考えたことは、Jリーグを退会させられない状況まで経営を安定化させることでした。

Jリーグでは、所属し続けるために毎年ライセンス申請を行う必要があり、財務面のルールで債務超過(負債が資産を上回る状態)になるとライセンスの交付が受けられなくなり、すなわち退会させられてしまいます。

クラブの純資産は1億5300万円ですので、2020年の赤字額が1億5300万円を超えると債務超過に陥り、順位に関わらず、J3に降格どころかJリーグ自体を退会させられてしまいます。

企業としては、赤字でも現金があれば即倒産という事態にはなりませんが、Jリーグを退会させられては元も子もありませんので、いかに赤字を減らすかという点に力を注ぎました。

収入を増やすことだけでなく、1円も無駄にしないよう経費の節減を行い、最終的に1900万円まで赤字幅を減らすことができました。

Jリーグのライセンスに関する財務面のルールは、コロナ禍で時限的に緩和されましたが、数年後に債務超過に陥ってしまったら意味がありません。

ですから、債務超過や赤字額の昨対比削減といった財務面の基準を意識しながら、同時にJ1昇格を勝ち取れる強いチームを作る、というブレーキとアクセルのバランスをより意識した経営の舵取りを行っています。

そのなかでJ1昇格に向けた最善策とは?

そして、考えたことの三つ目は、この現状を踏まえた中でJ1に昇格するための最善の策は何かということです。

選手獲得については連載の第13回でもお話ししたので今回は割愛しますが、考え方は変わっていません。経験豊富な選手と若手選手の融合が強いチームを作ってくれると信じています。

併せて今年も4カ月が過ぎ、課題も見えてきました。

経営的にも様々な経験を積み重ねた分昨年より先の戦略が立てやすくなってきていますので、課題解決のために動いていきます。楽しみにしていて下さい。

目指すべきところをしっかり見据えて、コロナによる変化に柔軟に対応し、変化を恐れず行動を起こしていきます。

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※掲載の情報は、掲載開始(取材・原稿作成)時点のものです。状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、利用前には必ずご確認ください
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