「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第23回》今回のテーマは「岡山でなじみの深いチェーン店」
みなさんこんにちは。大盛アニキです。
2020年2月に掲載して大変好評だった「チェーン店」記事の第2弾です。
第1弾は、全国規模で展開している、岡山では比較的新しめのチェーン店中心のご紹介でした(児島のお店はかなり長いけど)。
対して今回は、かなり以前から岡山にあって昔からおなじみ。まさに「岡山に根付いている」と言っても過言ではない、ラーメンチェーンばかりを3つ選んでみました。いずれも岡山で長~い歴史を誇っていますね!
題しまして、「岡山になじみの深いチェーン店」。そのまんまだよ!
たとえば、CMが有名だったり、店舗件数が多かったり、目立つ立地にあったりで、いずれもかなり知名度があるお店ばかりですが、もしかすると「実は入ったことがない」という人も意外と多いかも?
そういう方にこそ、ぜひともご一読いただきたい。そして足を運んでもらいたいと! もちろん、各店の熱心なファンの方も見逃せませんよ。知られざる秘密があるかもです。正直ワタクシも今回、あれこれ驚かされましたからね。
ちなみに、まだまだ紹介できていない有名チェーンもあるんです。「あのお店」とかですよね! こちらもそちらも、また別の機会にご紹介することがあるかも。どうぞご期待ください。
それでは姐さん、今回も元気に行ってらっしゃい!
※前回の記事はこちらからチェック!
前回の記事では3軒のお店紹介と合わせ、「チェーンならではのよさ」や「愛される理由」などにも言及しておりますので合わせてご覧ください。エイドリアンもびっくりの熱量ですよ(掲載内容は取材当時のものですので、変更などの場合があります)。
どうも! 現場のバリカタ姐さんです。
今回は長年地元で愛され、地域にすっかり定着しているラーメンチェーンをご紹介します。
おいしさの秘密やチェーン展開のヒストリーなど、普段はなかなか聞くことのできない情報もつかんでみたいと思います!
豚太郎 加茂店
高知発祥! 自由度高めの老舗チェーン。懐かしくて庶民的な雰囲気が魅力。
まずは昔からおなじみの『豚太郎』。岡山県下に数店舗ある中から、今回は『豚太郎 加茂店』に訪れました。
場所は国道180号線から『備中国分寺』に向かう県道270号線沿い、田んぼが広がるのどかなロケーションの中にあります。
『豚太郎』は高知県が発祥の老舗チェーン。公式サイトによると、1号店のオープンは1967年(昭和42年)とこれまた歴史が長く、高知県と愛媛県内を中心に多数の店舗を構えています。
『豚太郎』といえば、昭和の傑作ともいえるテレビCMを語らないわけにはいきません! 豚さん(本物)がスーパーマンのごとく空を飛びながら「ぶた太郎じゃないよ、とん太郎だよ~」と語り掛けるCM、ご存じですか?
昭和を過ごした世代には懐かしいですねえ。実はあのCM、本場の高知県で流れているものとは異なるローカル版のようです。
中四国エリアをまたぐラーメンチェーン『豚太郎』には、チェーン店らしからぬ特徴があります。それは、お店によって少しずつ味やメニューが違うこと。
とんこつスープや餃子の素材といった共通点は幾らかあるものの、お店それぞれにオリジナルメニューが存在します。
そもそも経営母体が県ごとに異なり、かなりバラエティに富んだチェーン展開となっているようですね。
さて、こちらの『加茂店』はオープンして20年近く。別の場所で営業していた移転前から数えると45年もの歴史があるそうです。
『加茂店』は席数が多く広い店構えで、昭和的な懐かしさも残した庶民的なムード。店員さんの接客も明るく、気遣い満点。さすが地域に密着したお店ですね。
素朴な旨さにハマる! ミソラーメン&衣がサクサクのカレー風味コロッケ。
『加茂店』のメニューはみそ、しょうゆ、塩、バター風味のラーメンを基本に、カツやチャーシューなどをトッピングしたアレンジメニューをプラス。
チャーシューにひと口カツ、揚げ餃子が乗った豪華版の「特製」シリーズ900円もあります。
今回は、ベーシックながら人気が高いという「ミソラーメン」630円を作っていただきました!
みそととんこつスープのまろやかで優しい味わい、その奥にピリッとしたニンニクの風味とコクが広がります。このピリッと感が何とも言えず食欲をそそりますね。
スープに浸るモチっとした麺、細モヤシ、ゆで玉子、チャーシューの具材も絶妙なアクセントに。
懐かしさを感じるしみじみとした味わい。その秘密を聞いてみると、「素材の下処理から、一つひとつの工程を丁寧に仕込んでいます。それ以外のこだわりは、ご想像におまかせします!」という答えが返ってきました。
素朴でおいしいラーメンの味には、基本を大切にする姿勢が込められているんですね!
定食セットや一品料理は、豚カツや餃子、唐揚げなど定番の品ぞろえ。
その中で気になったのは、ポテトサラダ、コロッケ、そして塩むすびとお漬物が付く「ラーメン定食」+220円。
コロッケとポテサラは日本人の大好きな2大ジャガイモメニューですが、ラーメン店ではちょっと新鮮かも?
ソースがかかったコロッケは衣が香ばしくサックサクで、中身のジャガイモはほんのりカレー風味でした。単品でも頼みたい旨さ!
予想を超えたおいしさの工夫に、お店ならではの個性を感じましたよ。
チェーン店らしからぬ自由度の高さで、世代を超えたファンを獲得している『豚太郎』。『加茂店』をはじめ、各エリアの『豚太郎』に立ち寄って、違いを見つけてみるのも楽しそうですね。
8番らーめん アクロスプラザ児島店
岡山初出店から50年近く。北陸のソウルフード「8番らーめん」を味わう
全国に118店舗、岡山県下に7店舗を展開(2021年9月2日現在)する『8番らーめん』は、1967年(昭和42年)に石川県で創業したラーメンチェーンです。
岡山県に初出店したのは1973年(昭和48年)で、創業者の人柄にほれ込んだ『広江店』のオーナーが、岡山最初の加盟店オーナーとなったそうです。
北陸エリアではソウルフードと呼ばれるほど親しまれる存在。岡山デビューから50年近くも経つんですね!
バリカタ姐さんも子どものころから通ってまして、バターがトッピングされたラーメンを初めて食べたのは『8番らーめん』でした。
バターの風味をまとったまろやかなスープの味に衝撃を覚え、幼少期の強烈なラーメン体験として記憶に植え付けられています。旨かったなあ…。
そんなラーメンノスタルジーを感じながら訪れたのは、岡山県下唯一の直営店となる『アクロスプラザ児島店』。
『アクロスプラザ』は『倉敷市役所児島支所』の向かいにあるショッピングエリアで、お店は国道430号線の道路沿いという分かりやすい場所にありますよ。
広くて明るい店内に入ると、カウンター越しに厨房で調理するスタッフさんの様子が見えました。さすが手際のよいオペレーションですね。
今回は特別に『8番らーめん』の大定番メニュー「野菜らーめん」を作るところを見せていただきました!
中華鍋を振るうのは、石川県の本店などでキャリアを積んだ店長の出口さん。
まずはひき肉を炒めて、キャベツやニンジン、モヤシ、タマネギなどの生野菜をたっぷり投入します。炒めるときの「ジャッジャッ」という音が食欲をそそりますね。
スープを加えて軽く煮たら、先にスープだけタレを入れたどんぶりへ移し、再び強い火力で野菜をサッと炒めはじめました。
まさかの「2度炒め」をしていたとは!
飽きないおいしさ! 旨みたっぷり、食感シャキシャキの野菜らーめん。
「強い火力で短時間に炒める中華の料理法「爆(パオ)」によって、野菜の旨みをとじ込めながら、歯ざわりのよい食感に仕上げています」と出口店長。なるほど、だからあんなに野菜がおいしいのですね!
完成したのがこちら、「野菜らーめん 塩」649円。今回は「8番餃子」とのセットメニュー「8番セット」902円をチョイスしました。
まずは炒め野菜のシャキシャキ食感を楽しみます。あっさりしつつも豚骨の風味と塩ダレの旨みが感じられ、麺をすすった時のバランスもちょうどよい感じ。
モリモリ野菜を食べられますし、餃子も安定の旨さ。毎日食べたくなるような、飽きのこないおいしさです。
創業のきっかけになった「野菜らーめん」は、『8番らーめん』の看板商品として今も不動の人気NO.1。
1/2日分の野菜が食べられるのはもちろん、みそ、しょうゆ、塩と3種類の味が選べます。
麺の量も、「大盛り」から「麺なし」まで選べるなんて知ってました? 自分にちょうどよいサイズが注文できるのはうれしいですよね! しかし、「麺なし」もアリだなんて懐が深すぎ!
『8番らーめん』はメニューのほとんどがテイクアウトでき、独自に開発した持ち帰り用の麺やテイクアウト容器を使って提供されています。
今後は麺は伸びにくくスープはアツアツに、店の品質に近づけられるよう2層式の容器に切り替えていく予定だとか。
コロナ禍にはありがたいシステムですが、なんと2014年には始めていたそうで、当時は業界でも驚かれたのだとか。
それにしても、出口店長の鍋さばきはお見事でした!
聞くところによると「野菜を焦がさないように手早く調理しつつ、絶妙な炒め具合に仕上げるのが難しい」とのこと。「野菜らーめん」は、この調理技術を保有するフライパンマイスターの資格を持ったスタッフしか調理できないそうですよ。
「当店の客層は幅広く、年配の方や買い物がてら食事に来られる方も多いです。夏はトマト、冬の酸辣湯麺といった期間限定ラーメンも人気があるので、ぜひ好みの味を最寄りのお店で楽しんでくださいね」(出口店長)
岡山に根差した北陸の名物ラーメン、そのおいしさの秘密を知りました!
らーめんふぁみりー 岡山店
お店ごとにメニュー、味、呼び名まで違う! 岡山のユニークなローカルチェーン。
中華レストラン『らーめんふぁみりー』は、津山市に本社を置く『ぺブルフードオペレーション』が運営する岡山のローカルチェーンです。
1987年(昭和62年)にオープンした「津山店」を皮切りに、真庭市内の国道313号沿いにある「久世店」、そして今回訪ねた「岡山店」の3店舗を展開しています。(2021年9月現在)
創業時は今ほど郊外型の飲食チェーン店が多くなかったものの、今に続くロードサイド店舗の拡大を見越して事業をスタート。
大阪を中心に展開していた『らーめんふぁみりー』のフランチャイズとしてお店を立ち上げました。
お話を伺った常務の森岩さん曰く、『らーめんふぁみりー』は本社がなくなってしまい、創業地の大阪エリアには店舗が残っていないそう。
かつて大阪で人気を博したチェーン店が、実は岡山県で生き残っているなんて、知る人ぞ知る情報かも。とはいえ、岡山の『らーめんふぁみりー』はまったく違う路線を突き進み、本家とは大きく異なるお店となっています。
「岡山店」はオープンして22年。多彩なメニュー展開と味で勝負し、たくさんの飲食店が立ち並ぶエリアの中で、長年にわたって人気ラーメン店として支持されています。
『らーめんふぁみりー』最大の個性といえば、3店舗でそれぞれ違うメニューやサービスを提供していること。メニューの1ページ目からしてまったく違うラーメンの写真が並んでいるばかりか、共通メニューの呼び名も微妙に違っている!
「お客様の声や地域性に合わせたメニューを模索していった結果、味やメニューが見事にバラバラになりました」(森岩さん)
何とも不思議なチェーン展開ですが、ファンとしては店ごとに違うラーメンが味わえて、これはこれでうれしいかも!
「煮干し」ベースで岡山店専用の麺を開発。地域性あふれる味が楽しい。
森岩さんに、お店それぞれのいち推しラーメンを聞いてみました。
〇岡山店…鰆節を使った「煮干しラーメン」と、ホルモン入りの「スタミナラーメン」
〇津山店…尾道ラーメンをアレンジした「作州ブラック」
〇久世店…「真庭産青大豆みそ」を使った「真庭特製味噌ラーメン」
ローカルチェーンならではの地域性豊かなラインナップ! 各店共通なのは、醤油豚骨がベースの「白・赤・黒ラーメン」や「野菜ラーメン」、「黒豚餃子」などの定番系ぐらいだそうですよ。
今回は「岡山店」ということで、「瀬戸内煮干し塩」858円を注文。
おいしさの決め手は鰹節と煮干し、岡山の海の幸である鰆節をバランスよく配合した魚介だしスープ。あっさりとした塩味を選んだことで、魚介の繊細な風味がしっかりと伝わります。
レモンのさっぱり感で味を変化させつつ、最後まで飲み干せるマイルドなあと口に。自社工房でつくる自家製麺ものど越しがよくて、スープと合いますね。
「この煮干しラーメンに合わせるために、岡山店専用の麺に変えました」と教えてくれた森岩さん。麺も違うなんて自由すぎる!
こちらは特製のみそタレを使った「ホルモン野菜味噌炒め」583円。
津山産のショウガやニンニクを入れた濃厚タレが絡んで、白飯をかきこみたくなる旨さ! タレは1本450円で販売しています。これひとつでおいしい肉野菜炒めができますね。
各店にはテイクアウト用のメニューがあり、岡山店は公式LINEやWEB予約の対応も実施。
ホームページでは全店舗のメニューを見ることができ、思わず各店を回ってみたくなります。
チェーンのノウハウを生かしつつ、現場第一のお店づくりを大切にしている『らーめんふぁみりー』。3店分の多彩なメニュー、ぜひ味わってみてください。
まとめ
いかがでしたか?
普段何気なく利用しているラーメンチェーンですが、そのヒストリーやこだわりを知れば知るほど、魅力が増してくるものです。
どこでも同じ味が楽しめるのがチェーン店の魅力ですが、お店ごとの違いや個性を見つけてみるのも面白いですね。
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