「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第20回》今回のテーマは「総社市のラーメン店」
みなさんお元気ですか? 大盛アニキです。
想いのままに食べ歩きを楽しむ…。そんなこともままならない日々が続いています。引き続き、マスク装着やソーシャルディスタンス、黙食など、マナーを守って外食を楽しみたいですね。
さて今回ご紹介のエリアは「総社市」です。
総社市のラーメンと言えば、ワタクシ的には昔ながらのクラシックな味わいのお店が多い印象だったのですが、近年になって変化が出てきているように思います。
ここ数年にオープンされたお店も多くて、個人的にも大注目しています。「総社はパンだけにあらず!」と、声を大にして言いたいところですね(ちなみに、総社以西のエリアも近ごろ大変気になっています)。
ということで、最近ワタクシが気になったお店を3軒選んでみました。
季節的に暑くもなってきて、3軒中2軒はつけ麺メニューのご紹介です。そういえば、「つけ麺」という切り口でのご紹介はまだしていなかった気がするので、近々やってみようかしら。
総社と言えば、真金(まがね)吹く吹く吉備の国の総本山(多分)! 吉備の冠者でもそうでなくても、きっと気になる「総社の3選」をご紹介いたしましょう。
それでは姐さん、行ってらっしゃい!
どうも! 現場のバリカタ姐さんです。
パンの街として知られ、魅力的な飲食店がどんどん増えている印象の総社市。バリカタ姐さんの周りでも「総社市のグルメがアツい!」という声を聞くようになりましたが、今回は何とも総社らしいラーメンを提供するお店と、新勢力として話題をふりまく2軒が登場します。
ぜひ総社エリア外からも足を運んでほしい個性派の3軒、さっそく訪ねてみたいと思います。
総社らぁめん 鬼ノ城
目移りするほど多彩なメニュー。大人から子どもまで愛される、吉備路の人気店。
総社市を代表する歴史スポットとして名高い吉備路エリア。
田園風景が広がる『備中国分寺五重塔』沿いのロードサイドに、ご当地感あふれる名前のラーメン店『総社らぁめん 鬼ノ城』があります。広い駐車場を備えた平屋の店構えが目印です。
「鬼ノ城(きのじょう)」といえば、桃太郎伝説で鬼の「温羅(うら)」が住んでいたとされる山城のことで、総社市の歴史巡りには欠かせない史跡です。
対してこちらのお店は「鬼ノ城(おにのしろ)」と読むそうですよ。そこのところお間違いなく!
お店がオープンしたのは15年ほど前。総社市内で複数の飲食店を経営する店主の難波さんが、「出身地の総社市で地域密着の店をつくりたい」と立ち上げました。
早速テーブル席に座ってお品書きをチェック。目移りするほど豊富なメニューの中から選んだのは、大盛りアニキもイチ押しの名物『鬼びっくりらぁめん』。
「ウチの店といえばこれ一択、という辛い物好きのお客さんが多い」(難波さん)という言葉通り、とにかく中毒性の高い個性豊かな一杯だそうです。
まるで鬼が島! 強烈ビジュアル&旨辛なおいしさで元気になれる一杯。
思わず「地獄!」と叫んでしまうほどに強烈な見た目の『鬼びっくりらぁめん』1045円。
ニンニクやトウガラシを効かせた旨辛さが特徴で、燃えるような赤いスープに具材が浮かび、突き立ったトウガラシの角が鬼が島を彷彿とさせるフォトジェニックさ。辛党のハートに火をつける衝撃的なビジュアルですね。
「辛さは『おさえ・普通・激辛・超激辛(1320円)』、味は『しょうゆ・塩・みそ』と好みで選べます。辛い物が苦手でなければ『普通』か『おさえ』を注文して辛さの具合を確かめてみてください」と難波さん。
バリカタ姐さんは「みそ味・普通」を注文。スープと中太麺を絡めてすすると、ぴりっとした辛みの奥にダシの旨み、味噌のまろやかさが感じられて、何ともクセになる一杯です。
たっぷり乗せたシャキシャキのモヤシとニンニクの風味が食欲を刺激します。激辛が得意じゃなくても十分美味しく味わえますよ。
体の芯から汗が出て、食べ終わった後はスッキリと元気になれるスタミナたっぷりのラーメン。私、毛穴がバッと開く瞬間を感じました!
鬼が島を制覇して食欲に弾みがついたところで、再びお品書きを確認。『鬼ノ城』はとにかくメニューが豊富で、鶏足のモミジを使ったスープにさまざまなタレや具材を組み合わせた多彩なアレンジを展開しています。一品もご飯物やギョウザ、おつまみにも合う煮卵、お子様ラーメンなど盛りだくさん。
バリカタ姐さんは柔らかい揚げ鶏と濃厚タレが絶品の「鶏唐親子丼」385円を追加注文しました。ハーフサイズなのにご飯物1人前程度のボリュームなのが太っ腹!
『鬼ノ城』はお祭りで使われる打楽器「鳴子(なるこ)」をカチカチ鳴らして店員さんを呼ぶシステムで、こういったお店独自の仕掛けも楽しいですね。
「今後は街の食堂として誰でも気軽に来てもらえるよう、ラーメン以外のメニュー開発やリニューアルを視野に入れています」と難波さん。
歴史ある吉備路エリアの名物店、新たな展開にも期待します。
つけそば屋 やまいも
2020年9月オープン。女性店主が腕をふるう和風つけ麺の店
『総社市役所』の前に店を構える『つけそば屋 やまいも』は、女性店主が切り盛りしている和風つけ麺のお店。2020年9月のオープン以来着々とファンを増やし、総社市中心部のグルメスポットとしても人気を集めています。
こぢんまりとした店内は、一人客がゆったりと食事できるカウンター席がメイン。厨房内では店主の山中さんが手際よく調理をしていました。
会社員から飲食店の道へ進んだ山中さんは、ラーメン店で経験を積んだ後に総社市内の『旧堀和平邸』で『麺処すだち屋』というラーメン店をオープンしました。
その後に縁あって今の物件を借りることになり、つけ麺メインのお店として名前も新たに『やまいも』として営業を始めたのだそうです。
麺のメニューは4種類ほどあり、一番人気は山芋とうずら玉子が乗った「山かけつけそば」950円。こだわりの麺と和風だしのつけ汁を生かしたラインナップがそろいます。
今回は、定番の「つけそば」800円をおすすめしていただきました!
魚介風味が溶けあうまろやかなつけ汁と、風味豊かな全粒粉の麺がマッチ!
沖縄の美しい器に盛りつけられた、見目麗しい「つけそば」が登場しました。こちらのつけ麺には珍しい全粒粉の麺が使われ、トッピングにはやわらかな「とりはむ(鶏ハム)」とローストビーフが添えられています。
ツルっとした麺をつけ汁に浸した瞬間にダシとしょうゆがフワッと香り、思わず喉がゴクリと鳴りました。
「親鳥から取ったダシは脂からして香りが立つんです。つけ汁の決め手は鶏の旨みにカツオやイリコ、飛魚(アゴ)などの魚介ダシを加えていること。中でも、飛魚は繊細な旨みが味の決め手になっているんですよ」
つけ汁はコクと甘みがあり、最後まで飲み干せるほどまろやかなおいしさ。麺との相性も抜群で、薬味やスダチを加えながら爽やかな味変を楽しめます。
バリカタ姐さんはセットで頼む常連客も多いという「とろろめし」300円を注文しました。たっぷりの山芋につけ汁を加えて、ゴマとネギで香ばしさを添えた一品です。
特筆すべきは、店名にちなんで山芋を使ったメニューが多いこと。
「山かけつけそば」や「とろろめし」以外にも、スープが見えなくなるほど山芋をかけた温かい麺「とろたま」や、飲みのアテにもある「山芋バター焼」などがあり、山芋に対する並々ならぬこだわりが感じられます。
山中さん、山芋推しだからこの店名なのですか?
「いいえ、店名は私の名前をもじって付けたんです。『やまいも』って響きが可愛いなあと思って。そこから山芋メニューを後付けで作ってみたのですが、毎日山芋をすり下ろす大変さには気づきませんでしたね(笑)。大変な分、お客様から好評なのがありがたいです」
名前ありきで山芋を取り入れたとは驚きました。山芋特有の風味はもちろんのこと、白くフワフワした見た目が「映え感」にも一役買っていますね!
あっさりした後口で、何度でも食べたくなるような『やまいも』のつけ麺。優しい味にハマりそうです。
麺処 おぐら
研究熱心で話好き! ラーメンをこよなく愛する店主が紡ぐ、素材にこだわった一杯。
2021年3月、総社市中心部に『麺処おぐら』がオープンしました。
こちらは開業前からラーメン好きの間で話題を集めていたお店で、オープン初日から多くのお客さんが詰めかけるほどの大盛況だったとか。
県北から毎週通っている常連さんもいるそうで、総社ラーメンの新星として知名度、人気度ともにグングン上昇中です。
場所は「会議所通り」から1本路地に入った閑静な住宅地。シンプルモダンな外観は、一見してラーメン店とは気づきにくいかもしれません。しかし、この控えめな雰囲気が逆にこだわりを感じさせますね。
店内はカウンター席のみで、広くオープンな厨房が見渡せる造りとなっています。
「このカウンターなら、居心地のよい距離感でお客さんとコミュニケーションが取れるんです。僕自身が話好きなんで(笑)」
そう話すのは『麺処おぐら』の店主、小倉さん。
レシピサイトに投稿するほどの料理好きが高じて、脱サラ後に飲食業界へと転身。せっかくなら大好きなラーメンを極めようと、日々味の研究に励んだそうです。明るく丁寧な接客、一杯のラーメンに込める熱いこだわりが評判を呼んでいます。
「当店は毎日食べられるおいしさを目指して、麺からダシ、具材まですべて手作りの味で仕上げています。安心できる天然素材を選んでいるのも特徴です」
代表作は鶏ダシと魚介ダシのWスープをベースにした、醤油と塩の2種類のラーメン780円。大人気の看板メニューです。
しかし「今日はこちらを味わってみて」と小倉さんから出されたのは…何とラーメンではなく「つけ麺」。
以前は数量限定だったものの人気にジワジワと火がつき、満を持してレギュラー入りを果たしたそうですよ!
モッチモチの自家製麺を生かす、醤油つけ汁の端正な旨み。隠れた名作「つけ麺」に注目!
ツヤ肌の麺が何とも美しい、シンプルな「醤油つけ麺」880円。こちらもラーメン同様「塩つけ麺」880円と2種類が楽しめます。
「食べる時は勢いよくすすり、麺のシルキーなのど越しを楽しんでください」
小倉さんの言葉通り、中太の麺につけ汁の旨みを絡ませながら一気にズズッと。モッチリした弾力、ツルツル感がたまりません。
つけ汁はコクのあるしょうゆダレに和ダシの風味が合わさった上品な味わい。
しょうゆは4種類をブレンドし、ダシはカツオ、煮干し、サンマ、貝などを合わせて深みを出しています。塩加減の絶妙さたるや、つけ汁だけでも最後まで飲み干せちゃいそうですね! 希望すればスープ割りにも対応してくれます。
あっさり味のチャーシューもいい感じ。肉本来の旨みと脂のコクが伝わりますね。
「自家製麺はラーメン用、つけ麺用と2種類。厳選した小麦を使い、しっかり熟成させて小麦の風味を丁寧に引き出しています。特に小麦は少し珍しいタイプで…」
と、麺の話が止まらない小倉さん。とにかく好きな物への情熱が半端なく、話題は仕入れの話からお店のBGMの話へとどんどん広がります。全力でラーメン作りを楽しんでいらっしゃいますね!
「全部に手が抜けない性格なので、納得できるまで追求するのがラーメン作りの楽しさ。それでお客さんに『美味しい』と言ってもらえるのが一番うれしい!」
『麺処おぐら』には、ほかにも鶏白湯そばやまぜそば、玉子かけご飯などがあり、今後も限定商品を中心に増やしていく予定だとか。研究熱心な店主がつくる計算された一杯、ぜひ堪能してください!
まとめ
いかがでしたか? 店主のこだわりとオリジナリティを感じるメニューがそろいました。特に「つけ麺」はエリアに限らず開拓の余地がありそうですね。総社にもまだまだ魅力的なラーメン店がたくさんあるので、今後も追いかけたいと思います!
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