47♥パンめ 『LITTLE LIGHTS』の「ガーリックフランス」
朝ごはんに、おやつに、食事に添えて…まいにちのいろんなシーンで登場する「パン」。岡山にもたくさんのパン屋さんがあり、「この店のこのパンが好き!」という自分だけのお気に入りがある人も多いのでは? パンに恋したTJ女性スタッフが、とっておきの「惚れパン」を心ゆくまで語ります!
[ナビゲーター]しょこ
TJスタッフ暦11年目のアラサー女子。パンを買いに行くために遠征し、自分でも家で焼くほどのパン好き。朝ごはんは必ずパンと決めており、なかでも一番好きなのはベーグル! パンシェルジュ1級にめでたく合格し、「マスター」の称号を手に入れる。子どものころの将来の夢は、パン職人の旦那さんと結婚すること。
新たなフィールドに挑戦するあの名店へ
以前、倉敷はパン屋さんの数が多くて、しかも高レベルな激戦区だとお伝えしたことがあります。それは今も変わらないどころか、新たな実力店が続々登場しているもよう。引き続き、倉敷エリアのパン業界の動きには大注目ですよ~。
耳よりニュースのなかでも、もっとも私が注目していたのは人気のあのお店の移転情報! と聞けば、岡山パンマニアのあなたならきっとピンときたでしょう。
そう、JR倉敷駅北口エリアで連日大盛況を博した『LITTLE LIGHTS』さんの移転オープンです。売切れ次第終了・日曜定休日ということで、私にはハードルの高かった一軒ですが、倉敷方面へ行くときには必ず寄り道するほど大好きなんです。
このたび、パンを取り巻く環境にもこだわるため郊外へ場所を移し、自宅兼店舗としてリニューアルしました。駐車場がばっちり確保されたのもありがたいですね。
では、いざピカピカ新しいおしゃれな店内へゴー♪
一段高い位置にそびえ立ち、眼下にはのどかな風景が広がるナチュラルテイストのおうち。店舗前の案内ボードには、「2組ずつ入店」と書かれています。これはきっと、ゆっくりパンを選べるようにという配慮なんでしょうね。
確かに、人気のベーカリーだとたくさんお客さんがいて心ゆくまで買えなかったり、行列ができていて入店自体を躊躇したりした経験、誰しもあるのではないでしょうか。すごく親切なシステムだと思います~。
ただ、並ぶ可能性がありますので、お越しの際はお時間の余裕を持って訪れるのをおすすめ。もちろん、そのほうがしっかりパンをチェックできると思いますよ!
ちなみに、建物にクギやボルトをいっさい使わず、県産材と土壁、しっくいのみで仕上げているそう。自然由来にこだわるのは、人にやさしいパンづくりへの想いとリンクしているようですね。
ハイクオリティなガーリックフランス
アンティークな雰囲気のお店のなかには、ハイクオリティなパンがハード系を中心にずらり。だいたい毎日約20種類くらい焼きそろうそうで、曜日や季節限定のパンもあるんです。
非常に目移りしちゃいますが、私が「ここのが絶品!」だと思っているのが、「ガーリックフランス」248円です。はじめて食べたとき、本当に大げさじゃなく「衝撃を受けた」んですね。
どこのパン屋さんにもあるガーリックフランスですが、『LITTLE LIGHTS』さんのものは中のクラムに気泡がしっかりできていて、ふんわりだからバターが超絶染み染み! ガーリックバター自体がしっかりたっぷりで、焼き直すとお皿にじゅわあああああっととけ出すほどなんです。粗めのガーリックが入っているため、ガツンとパンチもあるのがすごい。
さらにオリジナルのアレンジとしてオレガノのハーブも少し使ってあるみたい。それがより味わいを高めているように感じられます。
言わずもがな、パン生地そのものの食感やテイスト、レベルの高さは折り紙つき。パスタに添えたり、ディナーのメインディッシュと食べたり、いろいろ活用したいですよね♪
どんな種類のパンもお手の物の実力はいかに?
選べないほどおいしいパンがたくさんあるので、頭が痛くなるほど迷いました…。今回は、私が個人的に「あんこ」が大好きということで「大納言バター」237円から。
おそらくみなさま、食べてまず感じるのは「大納言感パねぇ!」ということかと思います。つぶをしっかり残して仕上げ、甘さはあっさりなので、「豆」のうまみが存分に味わえる。
合わせたバターも高級なテイストで、ほっくりのうえにまったりじゅんわり…。至福のゾーンへと私をいざなってくれるんです。こちらは自慢のバゲット生地で、ばりっとハード食感が相性抜群!
そして、来店のたびに私がワクワクしながらチェックするのが「野菜のタルティーヌ」363円。日によってお野菜が替わり、この日はジャガイモ、クリームチーズ、エダムチーズにローズマリーで香りのアクセントをプラスしたお品。自家製のマヨネーズが軽く焦げた感じがたまりませんな~。
ちなみにこの自家製マヨ、「満月の卵」なるブランド卵、国産のこめ油、きび糖を使っているのだそう。調味料にもいっさいの手抜きや妥協はございませんな。
シンプルに粉の味わいをかみしめられる「バゲット」270円のほかにも、食パンの生地を丸く成型して床焼きにした「トースト」や「パン・ド・ロデヴ」など名品がわんさか。
以前にも連載内で触れましたが、「パン・ド・ロデヴ」とは限界まで水分量を高めて焼く多加水のパンのこと。しっとり、みずみずしいのが特徴で、粘り強い生地なんですが…。それだけに扱いが難しく、作業環境の湿度や温度もかなり気にしながら作るため、職人のレベルの高さが求められるんです。
だから、私の持論として「ロデヴがある店はレベルが高い」と思っています。ここまで私が推す品、気になる方はぜひご賞味あれ!
ただ、『LITTLE LIGHTS』さんでは曜日限定での提供で、火・金・土曜のみなので注意してくださいね。
最後に登場するのは、人気の「スコーン」1個151円~です。粉のよさが口の中ではじけるサクサク系で、それでいて粉っぽさは皆無。非常にバランスのよいスコーンは、その日の気分でフレーバーが変わり、現在は全5種類をラインナップ。
「黒コショウとローズマリー」「オーガニックカカオニブ」「くるみ」「レモンピール」「セサミ」…。どれもうんまそう~~!!全部食べたいから、制覇するまで通わなくては。今回お写真には「セサミ」さんにご出演いただきました♪
パン屋さんの商品としては定番のものでも、どれも職人の腕と素材のよさで何倍にも格上げされている印象を受けます。実現しうる限りのクオリティを極限まで高めたというのか…。
なかなか一朝一夕にできる芸当じゃありませんよ。それを岡山の地で、このお値段でいただけるのは、まさに感動の極みでございます。
同じ食材を使ったパンでも、組み合わせる生地や素材の取り入れ方を変え、三者三様、十人十色に仕上げます。それぞれ異なる個性を持った味に作り上げる腕を見れば、職人さんのレベルの高さがうかがえますね。
根っからパン職人のこだわりにきゅん!
こちらの店主・鳥越さんは、かの有名な『ルヴァン』での修行ののちに、倉敷の人気店『おはようナーム』、惜しまれつつ閉店した名店『UNION』を経て、念願の自店を開店したんだそう。
某テレビ番組のランキング「岡山のプロ100人に聞いたおいしいパン屋さん」でも、みごと第2位に輝き、その名をとどろかせましたね。なんと高校生のころからパンづくりに目覚めたそうで、根っからのパン職人さんという感じです。
素材そのままのおいしさが詰まった芳醇な国産小麦、ミネラルたっぷりの自然塩、粉の風味や甘みをアシストする自家製酒種酵母と、素材にはとにかく妥協なし。
もちろん手間はかかるけれど、高加水、長時間発酵で焼き上げることで風味と甘みが引き立ったトラディショナルなパンができ上がります。
焼成にはまるで石窯のような遠赤外線効果の高いオーブンを用いているので、生地のみずみずしさが損なわれずふっくらと焼けるんだとか。先に挙げたロデヴづくりには、まさにぴったりの多加水向きオープンです。
午前中でほぼ売り切れてしまうことも多いので、ファンは前日までに予約して、人混みが少なくなった午後取りに来るなんてテクニックを使うそう。私も今度からまねしようっと!
LITTLE LIGHTSの店舗データ
Information
LITTLE LIGHTS
- 住所
- 倉敷市中帯江1003 [MAP]
- 電話番号
- 086-427-5017
- 営業時間
- 10:00~16:00 ※売切れ次第終了
- 休み
- 日・月曜
- 駐車場
- 7台