68♥パンめ 『エビスパン』の「クリームパン」
朝ごはんに、おやつに、食事に添えて…まいにちのいろんなシーンで登場する「パン」。岡山にもたくさんのパン屋さんがあり、「この店のこのパンが好き!」という自分だけのお気に入りがある人も多いのでは? パンに恋したTJ女性スタッフが、とっておきの「惚れパン」を心ゆくまで語ります!
[ナビゲーター]しょこ
TJスタッフ暦13年目のアラサー女子。パンを買いに行くために遠征し、自分でも家で焼くほどのパン好き。朝ごはんは必ずパンと決めており、なかでも一番好きなのはベーグル! パンシェルジュ1級にめでたく合格し、「マスター」の称号を手に入れる。子どものころの将来の夢は、パン職人の旦那さんと結婚すること。
「飲食店を長く経営し続けるのは難しい」といわれるなか、人々に愛され続けるお店には理由があります。
特にここ、総社市は岡山屈指のベーカリー激戦区。熾烈な業界を生き抜くために、各店が「らしい」特色をまとい頑張っておられます。
おかげで、総社に来ればさまざまなパン屋さんに出合えますし、必然的にレベルも高いのでうれしい限りですねぇ。
みんな大好き「あのパン」で有名なお店
今回ご紹介する『エビスパン』さんもそのひとつ。
独特のゆるーい空気感に加え、「あるパン」を中心にしたラインナップで認知され人気を博しているのです。「あるパン」の専門店というわけではないのですが、特化した品があるのは立派な特色のひとつですね。
さて、ここでクイズです!
大人も子どもも、年配の方も女性も男性もみんな大好きなパン。とりわけ甘党なら、パン屋では必ず買うという人も多いはず…。
リーズナブルなのにスウィーツっぽくて特別感も感じられる、さて「なにパン」でしょうか??
答えは、この写真を見ていただければおわかりかと!
たぐいまれなる口どけに心もとける
じゃーーーーーん! 答えはそう、「クリームパン」130円です。
『エビスパン』をしょって立つというほどの看板商品「クリームパン」は、ちまたでも「絶品」との呼び声高いひと品。
写真は一番ベーシックな「プレーン」で、店頭には季節ごとのものを含め常時5~6種類が並んでいます。
探求心旺盛な店主の蛭子さん夫妻が過去に挑戦したカスタードのフレーバーはなんと、ゆうに25種類以上も!
バナナ、抹茶、梅、あずき、きなこ、カフェオレなどのほか、ショウガやチャイ、シソといった味の想像がつかないものも多数あります。
1回きりで消えてしまった味、人気が出て定番化した味、毎年登場する季節の味…。作り手自身が楽しみながら挑戦している姿が想像できてほんわかします。
ちなみに、バリエーション豊かなクリームはカスタードを基本に混ぜ込むのではなく、それぞれの種類のカスタードをいちから炊き上げているのだそう。時間と手間ひまのかけ方にも強い想いを感じます。
ふわふわの空気を含んだまるパンは実に柔らかくて軽いのが特徴で、3歩下がってひかえる「昭和のお嫁さん」的なしとやかさ。ふわふわすぎてトングで持つとつぶしちゃいそうなくらい。手で持つのもこわごわです。
生地は雑味のないすっきりとした味わいに。クリームは甘さひかえめで卵たっぷり、やんわり感が赤ちゃんのほっぺみたいで愛らしいですね。
普通に見えて一風変わったパンぞろい
パン業界では定期的に特定のパンの大ブームが訪れ、街じゅうに専門店が出没します。
近年だと生食パンやアイスメロンパン、チョコクロワッサンなんて記憶に新しいところですね。
その代表ともいえるのがベーグルではないでしょうか。かみごたえがあり、いっさい油脂類を使わないヘルシーさが女性を中心に支持され流行を生み出しました。
かくいう私も高校生のころにドはまりし、毎日のように生地をゆでていましたっけ。
そう、成形した生地を一度ゆでてから焼くのがベーグル最大の特徴ですが、こちらの「ベーグルモドキ」120円はその名前が表すとおり、ゆでずに焼きだけで仕上げています。
ゆでてなくてももっちり感がちゃんとあって、全粒粉を用いた生地を焼いているので香ばしさ満点。
しかも2種類のチーズをたっぷりまぶし、とろけさせているから風味もうまみもばっちり。トースターで焼きなおしてそのままぱくりが正解かと!
「ベーグルモドキ」同様、一般的なことをしていないパンはほかにも。
『エビスパン』メイドの「カレーパン」130円は、「揚げない」カレーパン。
そのためしつこくなくヘルシーで、ぺろりと食べられちゃうのがポイントです。
中にはたっぷりのカレールーが詰まっているんですが、これがまた私の大好きなキーマカレー! ひき肉のうまみ、香辛料の風味に加え、細かく刻まれたタマネギの甘みもしっかり感じられる、自家製ならではの絶品なんです。
表面にトッピングされた粉チーズ、マヨネーズ、黒コショウがコクをアップ、アクセントも効いて実に美味なり。普通のカレーパンでは満足できないというカレーパン好きにもおすすめです。
お次はこちら、シンプルな見た目どおり主張しない味わいの「エビスパンのぱん」2個入り110円もマスト買いの品。
お店オリジナルのスタンダードな食事パンで、モーニングのかたわらにもパスタのソース用にもがっつりステーキなんかの主菜に添えてもいい感じ。きっちりとメインのおいしさを引き立ててくれる、名バイプレーヤーといえましょう。
これのどこが「一般的じゃない」かと申しますと、砂糖もバターも1個につき1グラムしか使っていないんですって。おいしさを追及するがゆえに、食事パンにも多めの甘味や脂肪を加えがちな昨今、潔くて素敵ですね。
パンにしてはめずらしい四角いカタチの「レーズンパン」130円は、2種類のレーズンが入った人気の品。
酸味が強めのカレンツとナチュラルな甘みのサルタナレーズン、異なるテイストが口の中でドッキング。こちらにはあの四つ葉バターをはさんでいるそう。
そのバターに練乳と砂糖を加え、砂糖のジャリっとした食感が楽しいシュガークリームにしたのが「練乳パン」130円。
かなり軽めでエアリーな感じの生地はまるでパフみたい。練乳に砂糖とは甘×甘ともいえる組み合わせですが、ほんのりと生地に塩気があるためかうまくまとまっていて実においしくいただけます。いつも食べはじめるとパクパクパクパクと止まりませんよ~。
ちょっぴり個性派なゆるベーカリー
さて、ここまで紹介してきてお気づきの方もいるでしょう。
「ゆでない」「揚げない」「使わない」「丸くない」…。そう、ここは「ない」のが魅力のパン屋さんなのです。そういえば、店内の大きな黒板にも「朝早くないパン屋です!!」なんて書いてありましたっけ。
生地の味を主役にしたいという想いから、「ノーサンドイッチ、ノークロワッサン、ノーデニッシュ、ノーソウザイ」を掲げています。
ちょっと風変りにも思えますが、のんびり、マイペースだけど憎めない愛嬌を感じるお店なんですよね。遅めの開店に加えパンのサーブもゆったりペースなので、品ぞろえのよさを求めるなら昼前くらいの訪問をおすすめします。
ただ、「翌日でもおいしい」を目指しているそうで次の日もおいしく食べられるように、午後からも品ぞろえは充実しているのでご安心を。
そのために生地づくりをなにより大切にし、こね過ぎないようにしたり、長めに発酵させたりすることで、小麦の風味が香る口どけのよさを実現しています。砂糖や酵母もできるだけ少なめに、マーガリンやイーストフードはいっさい不使用。
だからこそ時間が経っても変わらないふんわりしっとり食感に仕上がるんですね。びっくりするのは、冷蔵庫に入れても固くなりにくいということ。
ついつい欲張って買いまくってしまう私にはうれしいポイントです。
安心したら、また大量買いしに行きたくなってきちゃったな~。
『エビスパン』の店舗データ
Information
エビスパン
- 住所
- 総社市真壁1151-1 王子ハイツ1階 [MAP]
- 電話番号
- 0866-93-9311
- 営業時間
- 9:30~19:00
- 休み
- 水曜
- 駐車場
- 10台(共同)
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