店主の梶並さんは、岡山を拠点に活躍するテーブルコーディネーター。約17年のキャリアを重ね、「料理を載せてこそ、コーディネートは完成する」との思いから、いつしか自身が設えた空間で料理を提供するカフェを思い描いていたという。念願の舞台に選んだのは笹ケ瀬川に近い畑のそばに佇む、築75年ほどの古民家。南から柔らかな日差しが入る室内の様子は、思い描いていたカフェのイメージにぴたりと重なった。小中学校が近く、子どもたちの声が気持ちよく風に乗って届く、そんな場所にある。2019年のオープンにあたって、建物にはほとんど手を加えなかったという。畳の間と縁側が続く空間は、夏休みに訪ねた祖父母の家のように、自分が歓迎されていると感じられ、ほっと寛げる空間だ。床の間にアンティークのランプ、障子の桟にカセットテープのケースが並んでいたりと、随所に梶並さんのアイデアが息づき、南側の庭に臨む縁側にはテーブル代わりの船旅用トランクとソファが配されている。そんな落ち着いた雰囲気の中でいただくのは、旬の野菜そのままのおいしさを詰め込んだランチや、手作りのお茶請け付きのドリンク。英気を養うひと時となるに違いない。

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