Season1 第十一話/サンドウィッチ・ハウス。マミー(岡山市)のウエスタンサンドとクラブハウスサンド
東京から岡山に移住してきたライターが、まだ食べたことがない、岡山で愛されているグルメを求めて食べ歩き、行きつけにしたいお店を開拓します!
パンにさまざまな具材を挟みこんだサンドウィッチは、その手軽さもあり、老若男女を問わずに好まれてますよね。今でこそ、東京でもサンドウィッチを看板メニューにしているカフェなども増えましたが、ここ岡山の地でいち早くサンドウィッチ専門店としてオープン。そのおいしさが全国に知れ渡っているお店があると聞きつけたワタクシは、さっそく岡山市東区西大寺上の『サンドウィッチ・ハウス。マミー』を訪れました。
赤穂線の『JR西大寺駅』から約40m、駅前ロータリー沿いという好立地にあるお店は、「サンドウィッチ」というのぼりや、大きなサンドウィッチの写真もあり、すぐに発見できました。
店内には、昭和の喫茶店の雰囲気が残っていて、ノスタルジックな気分に浸れます。メニューを見ると、目移りするほどたくさんのサンドウィッチが載っていてだいぶ迷ってしまいましたが、ここはお店の看板メニューである「ウエスタンサンド」600円を注文しました。
座ったテーブル席の横の壁には、お店を取材に来られた芸能人やレポーターの方々の色紙が並んでいました。やはり全国区の人気店のようです。
そうこうしているとお待ちかねの「ウエスタンサンド」が運ばれてきました。写真では伝わりきらないのが残念ですが、出来立てホヤホヤで湯気が立ち上がっていました。「パンに挟んでいるオムレツは、注文をお聞ききしてから焼き上げています」とご主人。
さっそくかぶりつくと、フワフワで熱々のオムレツの中にはタマネギやニンジンなどの野菜がたっぷり入っていて、とても優しい味わいです。小さいお子さんからお年寄りまでファンが多く、人気ナンバーワンというのもうなずける味ですね。また、チーズやベーコンなどの「トッピング」50円を加えることで、自分だけのオリジナルの味も楽しめるようです。
そういえば、なぜ「ウエスタンサンド」、という名称なんでしょうか? この問いにはお店の二代目である谷口真一さんが答えてくれました。「現在も調理を担当している私の父は、このお店を始める前は日本で初めてサンドウィッチ専門店をチェーン展開したと言われる有名店の立ち上げメンバーで、そこでサンドウィッチの統括をしていました。そのお店の当時の社長さんが持って来られたレシピのなかにアメリカの西部発祥のサンドウィッチがあり、それが『ウエスタンサンド』の原型のようです。その『ウエスタンサンド』に日本のお客さんが好むような味付けをして仕上げたのが、父だと聞いています」。「ウエスタンサンド」には長くて深い歴史があったんですね!
続けて、作るうえでのこだわりについても聞いてみました。「『ウエスタンサンド』はこれ以上進化のしようがないぐらいの域に達しているので、昔ながらの味を崩さないように、その味を守り続けることにこだわっています。オムレツは空気を入れながら焼くことでフワフワの食感になるんですが、その焼き方もこだわりですね」。
普通、食材は冷めるとしぼんでしまい、おいしさも半減してしまいますが、空気を入れながら焼くことで冷めてもフワフワ感が残り、おいしさも長続きするようです。
「ウエスタンサンド」はボリュームも満点で、いつもならこれだけでも満足ですが、この日はお昼ご飯を抜いて来ていたので、まだまだ食べれそうです。パンを3枚使った「クラブハウスシリーズ」も長年人気があるようで、「えび」や「サーモン」も魅力的でしたが、今回は肉系が食べたかったので、「クラブハウス チキン」750円を注文しました。
「クラブハウス チキン」は、細かく刻まれたローストチキンやベーコン、チーズ、野菜などさまざまな具材を3枚のパンで挟んでいます。「具材が多くなると2枚では入りきれなくなるので、パンを3枚使うようになったんですが、具材が多いのでどうしても崩れやすくなります。ソースのからみ具合やパンの柔らかさも大事なのですが、パンを手で押さえる力が重要で、外側から中に圧力をかけていくことで崩れなくなるんです」と二代目。
確かに、パンはふっくらとしていますが、具材がバラバラにならずに食べることができましたし、ご主人のサンドウィッチを作る腕前が全国屈指と言われている理由がわかりました。
「クラブハウス チキン」も、やはり食べ応え十分で、お腹にすべて収めるとさすがにお腹がパンパンになりました。もうこれ以上は食べれません。『サンドウィッチ・ハウス。マミー』は、テイクアウトも行っているとのことだったので、家で待っている奥さんと息子のためにお持ち帰り用のサンドウィッチを頼むことにしました。どれにしようか悩んだ末に二代目オススメの「サーモンカルパッチョサンド」850円+容器代50円を注文しました。
「サーモンカルパッチョサンド」を入れてもらった持ち帰り用の箱は、レトロで可愛いデザインです。家に帰ってから「サーモンカルパッチョサンド」を一口つまみましたが、スルッと食べれて普通のサンドウィッチにはない食感でした。奥さんも息子も大喜びでペロリとたいらげていました。
現在もお店を切り盛りしている、ご主人の谷口博さんと奥さんの幸江さんのご夫妻です。その柔和な人柄は、サンドウィッチの優しいおいしさにも現れています。
サンドウィッチでの地域活性化と、ジャパニーズスタイルの新しいサンドウィッチ開発を視野に。
1977年創業で、今年でオープン41年目を迎えた『サンドウィッチ・ハウス。マミー』には、地元の方からはもちろんのこと、遠方からもたくさんのお客さんが訪れます。二代目は「当店のサンドウィッチがきっかけになって、岡山に来る方が増えたり、地域活性化に一役買えれば、と思っています。最近は海外からのお客さんも増えていますし、今後はそのようなお客さんもうならせるようなジャパニーズスタイルの新しいサンドウィッチを開発していきたいですね」と今後の展望について語ってくれました。ごちそうさまでした! 次はどのサンドウィッチを食べようかと、頂いたメニュー表を見ながら今からワクワクしています。(ライター:カタオカキヨシ)
Information
サンドウィッチ・ハウス。マミー
- 住所
- 岡山市東区西大寺上2-4-65 [MAP]
- 電話番号
- 086-943-8189
- 営業時間
- 7:30~19:30
- 休み
- 日曜 ※祝・祭日は営業
- 席数
- 18席
- 駐車場
- 5台