その50。倉敷市『サンレモン』の「トルコランチ」1100円。
~幸せのおすそ分け~
おいしいものを食べると、どうしてこうも幸せ気分になれるのでしょうか?
この幸福感を少しでもおすそ分けできればと、食いしん坊ライターが出会った岡山のグルメ情報をお届けします♪
[ナビゲーター]つつみん
岡山で生まれ育った、生粋の「おかやまん」つつみんです。「どこかおいしいお店知ってる?」が口ぐせで、評判を聞きつけては西へ東へと車を走らせるうち、通販でしか洋服が買えない、立派な球体フォルムへと進化を遂げたけれど…。
おいしいものを食べなくちゃ人生なんてつまらない!! だからとりあえず今日も、幸せの味を求めていざ出発!!
倉敷市の『サンレモン』
誰にもどこにも公言してはいませんが、私の今年の抱負は「挑戦」。
「挑戦」。それは、エベレスト登頂やヨットで世界一周、素手でライオンを倒すなど、何かの偉業を成し遂げてギネスに名前が載るような、偉大かつ壮大なイメージを持つ素晴らしい言葉…。
ですが! 私のそれはまったくの対極。あまりにも凡庸なものなのです。
「これまで何となく気になっていたけれど、いつも素通りしていた店に入ってみる」。それが、私が言うところの「挑戦」です。
アクティブな方からは失笑されてしまうようなささやかな目標ですが、いやいや、どうして、どうして。小心者の私にとっては、結構ハードルが高いものなんですよ。
密かな抱負を達成すべく、満を持してやって来たのがこちら。倉敷市児島にある『サンレモン』です。
遠目からでもひときわ目を引く巨大なレモンのオブジェ。窓を流れる水。カーテンの隙間からのぞく謎のクマ…。女性がひとりで入るには勇気が要るじゃないですか(ごめんなさい!)。
ドアを開けると、昭和情緒たっぷりのショウケースがお出迎えです。食品サンプルは並んでいるけど、値段はなし。おやややや。
いきなりのカウンターパンチにたじろぎつつも、感じのいい「いらっしゃいませ」の声に気持ちを立て直し奥へ進んでいくと…。クマが座っています。
道からチラ見えしていたのはこの子たちだったのね(笑)。内側から見ると窓を流れる水もなんとも涼し気でさわやかですよ。
「トルコランチ」に「挑戦」!
さて、さて。何を注文しようかなと、メニューを開くと「トルコランチ」という文字が目に飛び込んできました。
「トルコランチ」!?
まるで絵本の世界のような「カッパドキア」をはじめ、「ギョベクリテペ遺跡」や「パレッカム」など、いくつもの世界遺産を有するあのトルコ!?
フレンチ、中華と並び、世界3大料理に数えられる、あの魅惑のトルコ料理がここに!? …即決です。
一生に一度は行ってみたい、いや、行かねばならぬと切望している、あのトルコにこんな近くで会えるだなんて! 「挑戦」てやっぱりステキなことなのね。
と、悠久の地への妄想をふくらませることしばし。なぜか馴染みのある香りとともに大きな器が登場です。
はて? 見た目、香りともに、どこからどう見ても、目の前に到着したのはまごうことなくナポリタンとカツカレーです。
喫茶店の王道ナポリタン&カツカレー!
慌ててメニュー表を再チェック。
書いてある。メニュー名の下に小さくきちんと「カツカレー、ナポリタン」て、書いてある!
しかも、よくよく見たら写真付きの一枚もののメニューまで最後のページに挟まれているじゃないですか! ぐぅの根も出ないとはこのこと。
トルコへの思い入れが強すぎたゆえの暴走してしまいましたが、かなりおいそうなビジュアルに、これはこれでうれしい誤算。大ラッキーですよ!
どちらから食べようか迷うところですが、まずはナポリタンから行っちゃおう。
ボーノ! 違った。ナポリタンて完全なる日本生まれなんでしたよね。おいしい! だれもが頭の中で再現できるであろう、あのケチャップ味が口いっぱいに広がります。
タマネギとハムと、ピーマンという定番の具材に、絶妙な量のケチャップ。まさしく王道の「喫茶店のナポリタン」です。
ときどき無性に食べたくならないですか、ナポリタンて。不思議ですよね(笑)。
お次は、カツカレーゾーンへ。サクっとしたカツももちろんのこと、カレーそのものが理想的な大好きな味です。
辛いわけではないけれど、奥の方に潜むビターな苦みが味に深みを持たせています。食べ進むほどに食欲が増してくるようなおいしさですよ。
サラダも見た目以上にたっぷりあって、ひと皿で大満足のボリューム感。お腹も心も大満足です。
完全なる勘違いから出合えた「トルコランチ」は、一度に喫茶店の「スターメニュー」を堪能できる最高ランチでした!
そうそう、最後になりましたがお店の方に伺った「トルコランチ」の由来を説明しておきますね。
実はこちらのメニュー、「トルコライス」という長崎のご当地グルメが元になっているそう。
そちらは、トンカツ、ナポリタン、ピラフの3種盛りが主流だそうですが、こちらでは、カツカレーにアレンジ。
多めのサラダを添えて『サンレモン』流の「トルコランチ」としたんですって。
なるほど。それにしても、長崎で最初に命名した方は何で「トルコライス」って名前にしたんだろう。もしかしたら、私同様、トルコが好きだったのかもしれないな!
『サンレモン』店舗情報
昭和45年(1970年)創業の喫茶店。創業当時に開催されていた大阪万博の「太陽の塔」と、「若者のさわやかさ」から発想したという、巨大なレモンのオブジェが同店のシンボル。
カレーやパスタ、定食類など、ドリンク類と併せておよそ100種類の多彩なメニューが楽しめるほか、コーヒー豆や店オリジナルTシャツの店頭販売も行っている。
「涼を感じられるようにと、窓に設けた流水装置やシャンデリアは、当時は時代の最先端。今ではあまり見かけませんが、昭和レトロな雰囲気と変わらぬ味を楽しみに来てください」と話す、三代目オーナーの人柄も店の魅力だ。
Information
- 住所
- 倉敷市児島小川5-1-1 [MAP]
- 電話番号
- 086-472-5281
- 営業時間
- 8:00~20:30(OS19:30)
- 休み
- 木、金曜
- 席数
- 52席
- 駐車場
- 16台
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