岡山のラーメンを愛する、ラーメンブロガーの大盛りアニキです。前編に引き続いての登場です。過去に2年間、連載でお世話になったこのWEBサイトに約1年ぶりに舞い戻っておりますよ。今回は前・後編の2回にわたって「この夏食べたい！　期間限定ラーメン」をご紹介中でして、普段はデフォメニューばかり食べているこのワタクシが、今回は限定メニューばかりを食べ歩いてるってわけです。前・後編で合わせて12軒！ この時期しか食べられない味わいを求めて、今回もプレイボォーーーーーゥル！

麺屋楽長。／冷やしラーメン(750円)

1年ぶり2回目(甲子園風)の登板となるのがこのメニュー。オープン1年目にお客さんからの「通常のラーメンの冷たいVer.が食べたい」という無茶振リクエストがあり、それを受けて考案することに。豚骨や鶏ガラは冷やすと固まるため使うことができず、試行錯誤して｢楽長ラーメン｣で使用の和風だしベースで味の組立てに挑戦。それゆえスッキリ味で、透明感ある見た目も美しい一杯となり、同じく期間限定で生み出された「澄ましラーメン」を彷彿とさせます。え？　ということは、豚骨も鶏ガラも使わずにこの｢ラーメン感｣を実現してるってわけか。グレイト!　メニュー化されたのは2年目となる昨年で、これが見事な大ヒット。今年は昨年使用の青ネギを｢なんか違和感がある｣という理由で水菜に変更し、さらなるグレードアップを図りました。麺は通常のラーメンと同じですが、湯で時間を倍にして冷水で締めることで、プリプリ感を実現しています。鶏油の代わりにゴマ油を使っているのも程よいアクセント。

麺酒 一照庵／夏野菜の冷やし鶏そば(800円)

今年4月オープンの注目店をチェック！　親鶏を巧みに生かしたスープが自慢の「昔ながらの中華そば」が味わえる『一照庵』からは、ナス、ズッキーニ、カボチャ、オクラ、キャベツ、コーン、白ネギ、プチトマトなど8種の野菜が豪華に載せられた「冷やし鶏そば」が登場! 健康のことを考え、夏野菜をたっぷり使っています。冷やすと固まる動物性のもの（鶏ガラ、豚骨など）は使えないので、「カツオブシの鶏胸肉ヴァージョン」ともいえる岡山では珍しい「鶏節」なる素材をベースに活用。コンブとイリコを加えた和風ダシに加えることで、従来の「鶏を使ったアプローチ」という軸足をぶらすことなく、懐かしの中華そばテイストを頑なに守ってますね。チャーシューには通常の中華そばメニューと同じく、低温調理の鶏胸肉と豚肉肩ロースを使用。あっさりした口当たりですが、赤柚子コショウをスープで溶かしたり野菜に付けたりすることで、味わいにアクセントを加えることも可能に。特に女性におすすめ！

麺や廣／冷やし担々麺 (810円 ※写真は1辛832円)

彩りに小松菜、食感に白髪ネギ＆揚げて砕いたカシューナッツ。これらが美しく盛り付けられた、グッドルッキングな1杯。しかし美しいバラにはトゲがあるように、油断をすると辛(から)い目にあいますぜ。手前のトウガラシは辛さを求める「勇者の証」で、1辛(+22円)の場合は1本、2辛(+43円)で2本、3辛(+65円)なら3本が添えられます。当然それに応じてラー油も追加投入されるのでご用心、好みに応じて調整してくださいね。モチモチの自家製麺をはじめ、自家製ラー油に、自家製炒りゴマと、なんせ徹底してセルフメイドなこのお店。このメニューも例外ではなくて、地元である玉島食材をふんだんに取り入れた「玉島LOVE」あふれる一杯になっておるのです。ひと口スープを飲むと非常にクリーミー。これはゴマペースト由来？と思ったら、｢豆乳ですね。まろやかなお味になるんですよ｣と、田中店長が爽やかに説明してくださいました。親鶏と豚肉のエキスを抽出した特製スープは味わい深いです。

油そば専門店 歌志軒 倉敷下庄店／冷やし油そば(並盛・大盛780円／倍盛900円)

名古屋発祥のお店ですね。地元・庄地区出身のイケメン内田店長が本場で修業され、2017年12月にオープンした人気店です。こちらは期間限定の冷メニュー。通常の「油そば」との違いは、麺を長めに茹で、冷水でしっかり締め、冷やした丼で提供されることです。これは確かに、まったく別物のような味わいですよ。麺は香りに加えコシとモチモチ感がアップ！ トッピングの大葉やトマト、魚粉によって味わいはより深く！ マヨネーズが全体をまとめてまろやかに！ 「トッピングは別皿でお出ししますので、ドンブリに入れて、卓上のラー油と酢をそれぞれふた周り目安でかけてください。そして色が均一になるまで混ぜ続けるのがコツですね！」とイケメン店長。「冷やし油そば」もイケ麺ですよ！ お店のキャッチフレーズ「一口食べればやみつきです。」の言葉通り、すっかりトリコになっちゃいました。並と同じ金額なので欲張って大盛りをオーダーしましたが、ペロッと平らげられますね。豊富な追加トッピングもおすすめ！

萬福軒／ママカリ煮干の冷やしつけ麺(750円)

やってきました『萬福軒』。「あ、アニキ。またきやがったな～！」とワルぶってる大将の小野さんこそ、おそらく岡山で一番、限定メニューを開発している剛の者(アニキ調べ)。このメニューは？ 「ママカリベースのつけ麺っ！」。ママカリ？　岡山県民は馴染みが深いはずなのに、普段食べることは少ないという…。「身に食べるとこも少ないけどな！」うまいこと言わなくていいって！ 「試しでひと晩水出ししてスープ取ったら、凄ぇんができたんよ！」とのことなのでひと口。飲んだ瞬間に立ち上るすさまじい風味！ 確かに凄ぇ。「ほのか」になんてヤワじゃなく、ガツンときますよ。白身魚と青魚の両方の長所を兼ね備えているというママカリスープの味わいは、カタクチイワシのものからエグミや苦みをのぞいた感じで、何より味わい深い。相性を見て平麺使用とは職人技が光りますな。あ、｢写真じゃママカリ感が全然出ない｣ため右手前にママカリの煮干を置きましたが、実際には煮干はついてきませんよ。

備前汁なし担担麺 虎ぼるた／大盛りアニキカスタム〔和え麺＋大盛り＋辛口〕 (800円)

ついに実現してしまった、ワタクシの名を冠した裏メニュー。辛さの求道者たちが集まるこのお店で、あえて辛くない「和え麺｣を注文しながら、「でもやっぱり少しだけ辛味を」とカスタムして数年。店員さんから「和え麺辛口の人」と覚えられるまでに！　旧連載で地味に啓蒙したこともあってか、「通の方ほどこのオーダーをなさいます」と小林店長。本当ですかぁ?! 「和え麺」の大盛りに辛味プラスで山椒がピリリ。今回は通常よりもお得な特別価格にしてもらいました。ということでワタクシが一周回ってたどり着いたこの味わいですが、辛党の方は通常の「汁なし担担麺」をどうぞ。「辛いのは得意じゃないけど、汁なし担担麺は食べたいのだ！」という方にこそ食べて頂きたいと。「和え麺」は麺の風味が楽しめるんですよ。『大安寺店』ではメニュー表になく、『田中店』では券売機画面のどこかにひっそりあるので、スタッフの方に聞いてみて。告知はここだけだそうなので、皆さんだけが頼りです。オーダーしてね。

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