新倉敷。玉島エリアはワタクシにとって未開拓の地。過去のブログなどでも数軒ご紹介した程度なのです。この地区は評判店も多くて、ワタクシは機が熟すのを待っておりました。
『麺や廣』のことは、全国に50人放っている「ラーメン忍者」の情報で存じていました。元が玉島商店街の中華料理店『廣珍』で、そこから派生したお店であること。食材にこだわられていること。替え玉2玉が無料なことなど。しかし訪問の機会はなく失意の毎日…。が、ある日偶然フェイスブックで繋がっているお友だち、「K様」のこのお店の記事を目にしました。「地道に進化し続ける塩ラーメン」「来るたびにおいしくなっています」など、非常に「そそる」文言がそこかしこに! SNSのいいところは、お友だちであれば直接面識がなくとも連絡が取れるということです。早速コンタクトを取ると、K様はとにかくこの業界のことに詳しすぎる「ラーメンフリーク」で、その知識は多岐に渡り、かなりマニアックなことも熟知。そして親切に教えてくださるんです。すごすぎるわ、岡山のラーメン愛好者たち。事前情報も入手でき「忍者」の働きでお店との折衝にも成功! まさに機は熟したと!
こちらは「塩ラーメン」723円がおいしいとか? 「オープンして3年になりますが、創生期を支えてくれたメニューですね。でも最初は企画メニューだったんですよ」と、堀広司社長。それが人気で定番化を? 「岡山の人は『醤油ラーメン』が大好きで、不動の人気なんですが、ここは玉島。年配の方も多く、すっきり味の『塩』がウケたんです」。スープを飲むと確かに上品で優しい味。「塩」独特のトゲトゲ感がありません。「海水を丁寧に精製した上質な塩を使用しているからでしょう。『旨塩仕込』と称してます」。コクとうまみを凝縮した感じです。「ウチは大型スーパーの隣でファミリーも多い。だから、幅広い層に食べていただけるよう工夫しています。お父さんが食べていて、お子さんが横からつまんでも安心できる味ですね。今ではバリエーションが増えて、その中のひとつとして人気です」。あ、麺がすごくうまいです。「それはきっと自家製麺だからですね」。
「製麺ルームがあるんです。ご覧になります?」。もちろんです。作業中ですね。「普段でも1日5回は機械を回しますよ」。メリットはコスト面ですか? 「もちろん、自家製麺にすることでお安くご提供できる部分はありますが…」。それで替玉2玉サービスなんですか? 「いや、『ひと玉無料』では普通なので、『ウチは2玉だ!』と(笑)」。ダハハ、玉島人の意地! 「一番のメリットは、いい粉を使えることですよ」。どういうことでしょう? 「スープに合った上質なものを、粉の時点で選んで製麺ができる。これは強い!」。確かにスープにぴったりのモチモチ麺でした。「素材へのこだわりは強くて、ネギ、ソース、卵など、玉島産のものが多いんです。色々探してみたら、おいしいものが地元にいっぱいあったんですね。米もそこらの契約農家ですよ」。そこらの(笑)。「製麺機も鴨方産ですね。『スズキ麺工』さん。近いのですぐ対応してくださり助かってます」。
「今の時期…夏メニューのない、秋から春にかけてのメニューがあるんです」。食べたいです! 「その名も『タマシマブラック』734円」。どこかで聞いたことある名前ですけどね。「はい、インスパイアされました!」。玉島の方は正直です! にしても真っ黒。麺も日本そばみたいに染まってます。でもスープは全然濃くないですね。「しょうゆにこだわってるんですよ。やはり地元の『玉島味噌醤油合資会社』の極上のしょうゆと、『小樽醤油』をブレンドしてみました」。まさかの玉島と北海道の夢のコラボが実現! 本当に食べやすくて、独特の風味とコクが口の中に残りますね。トッピングも一風変わっています。「全体的に色が黒いので、さっぱり感を演出しようと、ダイコンとニンジンのスライス、カイワレにレモンを添えてみたんです」。非常にマッチしてます。これ、いいですよ! 「年配の方にもファンが多いですからね。かなりの自信作です!」。
お気に入りしょうゆの「淡口」を持っているのが堀社長。長身の男性が田中店長。脇をしっかり者の女性スタッフが固めます。社長曰く、「お客様の層が広いでしょ。席数も多い。だからスタッフには『どうしたらおいしく召し上がっていただけるか?』を常に考えてもらってます」。厳しくおっしゃるんですか? 「言ってできることじゃないですよね。スタッフが自ら考え感じて、心からのおもてなしができるような店にしたいんですよね」。確かに皆さん元気で親切。「わが社のモットーが『みんなのおいしいのために』ですから」。ほかにも心配りが随所に見られます。「替え玉2玉無料」のほか、「漬物バイキング」や「カウンターにコンセント」など。カウンターに電源て! 「オープン準備中がちょうどスマホの普及期で。便利でしょ」。確かに! あと、スープのとり方や、サイドメニューの製法に中華の基本が生きています。ルーツを重視しながらも挑戦をし続けていますね。
情報通のK様はおっしゃいます。「いいラーメン店とは『うまいラーメンを食べさせるところ』じゃない。『ラーメンをおいしく食べてもらうところ』だ」と。それはまさにこの店のことなのかもしれませんね。
玉島エリアで三世代に人気の郊外ラーメン店!
倉敷市玉島地区で最大手級スーパーに隣接する、駐車場の敷地内にある郊外型ラーメン店。バイパスが横を通っているのでアクセスも抜群だ。サイドメニューの、「餃子6ヶ」324円、「唐揚げ6ヶ」453円、「チャーハン」626円など、中華料理をルーツにしたメニューは、専門のコックたちが腕を振るっているだけに味わいも抜群だ。例えば「餃子」は、玉島商店街の中華料理店『廣珍』はもちろん、系列の生餃子を扱うテイクアウト店『コウチンデリカ』と同じ味わいなので、玉島人には馴染みも深い。中華料理店をルーツに持つだけに当然ラー油も自家製だ。家族を中心に広い層をターゲットにしつつ、食通な人たちをひきつけてやまないのは、その確固たる基礎がすべてのベースになっているからだろう。しかも地元に根付き、地元の食材などを使用した料理の数々は、玉島の人だけでなく多くの人々の舌を刺激してやまない。大衆的でいて本格派だ。
麺や廣
Information
麺や廣
- 住所
- 倉敷市玉島爪崎981-1 山陽マルナカ新倉敷店敷地内 map
- 電話番号
- 086-522-5855
- 営業時間
- 11:00~23:00
- 休み
- なし
- 席数
- 60席
- 駐車場
- 500台(共同)
- HP
- http://www.kouchin.jp/hiro/