岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘訣。映画が好き過ぎて、あこがれのターミネーターに変身。特殊メイクがんばりました!
「王子さま」
お姫様を主人公にした映画はたくさんあるのに王子様を主人公にした映画は少ない。
なぜだろう?ごく普通の女の子がお姫様のように輝いていく、いわゆる“シンデレラ・ストーリー”を含めるなら“お姫様映画”は数限りなくある。もちろんその中に王子様は度々登場するのだが、あくまでもお姫様を引き立てるための脇役であり、それは“王子様映画”ではない。映画を観客が感情移入する娯楽だとすると、王子様には感情移入出来ないのでないだろうか?女性はもちろんお姫様に感情移入する。したがって男性が王子に感情移入しなければならないが、なんとなく男性から見て“王子”のイメージが悪いのではないか?
- 親の七光り。
- 軟弱。
- わがまま。
- キザ。
- タイツを履いている。
- ハイソックスをくるくる丸めて下げている・・・
はなはだ勝手な思い込みだが、これがお姫様となるとこうである。
- 身分が高い。
- かよわい。
- おてんば。
- 可憐。
- タイツを履いていてセクシー。
- ハイソックスをずらして履いていてもカワイイ。
なんというイメージの偏見だろうか!(笑)
“ハンカチ”にしても“ハニカミ”にしても、人から王子と呼ばれている人は、とてつもなく頑張っている人である。今をトキメク“氷上の王子”や“ひねり王子”も尊敬してやまない人物である。
あれ?まてよ… 自称“王子”(みっちー)を除いて、すべてアスリートではないか!? 日本で王子様の条件は、まずアスリートであることなのだろうか?
これはつまり、一見完璧に見える王子様には強さが足らないイメージなのではないだろうか? そこで強さを持つアスリートは王子様に見えるのではないだろうか?
そもそも王子様の弱いイメージはどこからきているのだろうか?
私はこう考える。王子様は弱いのではなく、優しいイメージなのではないか!
そしてそのイメージの大元は「星の王子さま」ではないだろうか!
この冬、王子様のイメージを決定付けた、あの名作が映画になるのだ。
映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」11月21日(土)岡山メルパ他にて公開である。
270以上の言語・方言に訳され、1億4500万部以上を売り上げている不朽の名作の映画化であると言う話題以上に本編の素晴らしさが圧倒的なのである!フルCGアニメと人形を使ったストップモーションアニメの二重構造になっている本作は、あの原作の世界観を見事にスクリーンに紡ぎ出しているのである。
特に人形アニメの世界での和紙のような質感は思わず拍手せずにはいられないほどである。観る人すべてを王子の虜にしてしまうこと間違いなしのこの作品。カレーは甘いが本物の王子の力をあまくみてはいけないのである。
ちなみに私の勝手な王子さまのイメージはこれ↓
岡山メルパ館長 福武孝之