岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘けつだとか。
22年目の告白―私が殺人犯です―
連続殺人犯が時効後、実際にマスコミの前に登場したらどうなるだろう!?
しかも、その全てを記した告白本の出版会見という図太さである!!
この映画の冒頭からの緊迫感は並外れている。“釘づけ”とはこのことだろう。
<STORY>
5人を殺した犯人が22年後に自ら名乗り出る。時効を迎えたことにより、その犯行の全てを記した告白本を出版する。そして記者会見に登場した犯人に世間は熱狂する。ネット・SNSの社会では賛否両論となり、本はベストセラー! 一部ではカリスマ的人気者になっていく。
さらに遺族の心を逆なでする謝罪パフォーマンスや当時自分を取り逃がした刑事への挑発、アイドルのようなサイン会など、大胆不敵な挑発行動は留まることを知らない。異常な犯人の行動。その目的を必死に追う警察やマスコミ。思わず目をそらす真実にたどり着く展開に、すべての人は息を呑むだろう。
劇中に登場する告白本を実際にも出版するという取り組みや、ネット社会の歪みに切り込む内容は、この映画で波風を立てようという意欲を感じる。結局は感動の結末!という甘いものをお好みなら、期待外れとなるかもしれない。
<公開情報>
そのほか最新映画をご紹介。
家族はつらいよ2
前作は“熟年離婚”がテーマ、今回のテーマは“無縁社会”。
ご存じ山田洋次監督の人気シリーズ最新作!
<STORY>
マイカーでの外出がささやかな楽しみの平田周造(橋爪功)。しかし最近、車の凹み傷が目立つようになり免許返上を家族に迫られる。もちろん頑固オヤジは断固拒否! それならばと、恒例の家族会議が招集される。しかし、その前夜に家に招いた高校時代の同級生・丸田(小林稔侍)がその朝、冷たくなっている!! 救急車は来る、警察は来る、鰻屋は来るわで(なんで?(笑))、前代未聞の大騒動に!
高齢者が社会と無縁になっていく深刻な問題も、人の死も、笑い飛ばして元気をくれる。巨匠・山田洋次監督でしかできない掟破りの爆笑喜劇!!
<公開情報>
ローガン
『X-MEN』シリーズの最新作にして最高評価!
ウルヴァリンことローガンの少女と刻んだ最後の爪跡。
感動の物語に世界80か国でNO,1ヒット!
<STORY>
すでにミュータントの大半が死滅した2029年。ローガンも、もはや不死身の存在ではなくなっていた。超人的な治癒能力が衰えて、ひっそりと暮らしている彼に、ひとりの少女ローラの護衛をしてほしいという依頼が届く。冷酷非道な武将集団からローラを守るローガンだったが、ローラには、そのあどけない外見からは想像もできない戦闘能力が隠されていた。そしてその能力はローガンに似たものだったのだ…。
<公開情報>
花戦さ
天下人vs花僧。たったひとりの花僧が秀吉をギャフンと言わせた奇想天外な物語。
<STORY>
1573年(天正元年)、織田信長の前で巨大な松をいけた花僧・池坊専好。信長に気に入られなければ命はない。そんな緊張の場で出会った後の天下人・秀吉。その後、池坊専好は千利休と心を通わせ、秀吉は信長に変わって天下人となる。出会いから20年。暴君となった秀吉をいさめるため“刃”でなく“花”で戦った、けったいな男・池坊専好の秘策とはいかに…。
豪華キャストで贈る歴史絵巻は、今まで観たこともない、けったいで奇想天外な痛快喜劇。花の力で戦さを仕掛ける大胆不敵な男の大仕掛けは必見!