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つまんない映画なんてない!

つまんない映画なんてない! vol.40

「ラッキー・セブン」

  • 情報掲載日:2017.01.25
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘訣。映画が好き過ぎて、あこがれのターミネーターに変身。特殊メイクがんばりました!

「ラッキー・セブン」

“7”はラッキー・セブンと言うが、何がラッキーなのだろう?

確かではないが、西洋から来たもので、野球での7イニング目の幸運から由来したものらしい。
したがって日本的な幸運要素はないのだが、ラッキー・セブンは日本でもすっかり定着している。

我々は“7”と聞くと少し幸せを予感してしまうのだが、映画作りに関しての“7”は少々違った意味を持っていると私は思うのだ。

まず一番に思い付くのは『七人の侍』だ。1954年黒澤明監督によって作られた名作中の名作。
映画業界の人間なら“7”(しち)と聞けば「人(にん)の侍」と必ず答えるだろう。(ホンマかいな?) 
『七人の侍』の素晴らしさは語りつくせないが、今回は“七人”について語りたい。

観客にとって主要登場人物が多すぎ過ぎることは作品を難解にしてしまう。しかし少なければよいというものでもない。では何人が適切なのか?
“七人”である!(と言い切る)

これは決まりごとではないが、七人が絶妙なのである。七人なら2時間程度の物語の中でもそれなりに個々のドラマを描けるし、それぞれを特徴付ければ観客は負担無く覚えることが出来る。
一方で主要登場人物が七人もいれば重厚な人間ドラマを展開することもできるだろう。私の勝手な定義だが、七人が最も豪華であり、限界値なのである。
『オーシャンズ11』も素晴らしいが8人目からが誰だったかわからないではないか!

七人の役割分担はこうである。まずリーダー。次にその右腕。3番目に参謀。4番目に凄腕。5番目に反目するもの。6番目にムードメーカー。。
そして最後にその物語を決める謎の人物を+αするのである。このパターンなら何でも面白くなる。
例えばスポーツチームならキャプテンが発言、副キャプテンが同調、頭脳派が理屈を言い、必ずひとりが反目する、険悪になったところでムードメーカーが割って入り、エースは寡黙に静観している。そこで+α(だいたいこれが主人公)がどうするかで物語が進行するのだ。

それぞれの立場が絡み合いながらも、難解にならない数。 これが映画を面白くする魔法の七人である。
考えてみれば世の中“7”で溢れている。
日本での幸運の神様は「七福神」だし、キリスト教には「七つの大罪」がある。
世界の海は「七つの海」に分かれているし、「七味唐辛子」だって七つの味が集まって旨いのだ。

『007』も『ドラゴンボール』も『白雪姫』も“7”であふれているではないか!
そもそも我々は1週間七曜日で生活しているのである。
更に“7”のもつ意味は興味深い。
虹は7色。人間には光のスペクトルは7色しか見えないのだ。
つまり人間にとって“7”が限界値であり、同時に最もバラエティに富んだ豪華の極みなのである。

そして新作映画『マグニフィセント・セブン』が公開される。
原案『七人の侍』・『荒野の七人』の魂を受け継ぐ、痛快・壮絶な西部劇であり、人間ドラマである。リーダーの賞金稼ぎ(拳銃)、凄腕のスナイパー(ライフル)、陽気なギャンブラー(ショットガン)、必殺の暗殺者(ナイフ)、偏屈なハンター(斧)、孤高の戦士(弓)、改心した流れ者(二丁拳銃)。この曲者七人がド派手にやってくれるのだ!
きっと全ての観客に七人が必ず面白いことをわかってもらえるだろう。
“7”の持つ力を侮ってはいけない・・・。
ちなみに日本には3番目なのにウルトラセブンという大技もあるのだ(笑)


<公開情報>
『マグニフィセント・セブン』
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・ブラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンほか
1月27日(金)より岡山メルパほかにて公開!

岡山メルパ館長 福武孝之

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