Part4の今回は、『岡山城』『林原美術館』周辺です。岡山市の観光スポットの代表『岡山城』が、なんと今回会場に! また、『林原美術館』は、全フロアが現代アート作品に彩られ、普段と異なる顔を見せます。どちらも、「和」のイメージが強い会場です。どんな様子なのか、歩いてきました!

- (アーティスト)
- ホルヘ・パルド
- (作品名)
- Untitled/≪無題≫2016
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-3-1 烏城公園 中段

紅葉の始まった烏城公園の中段。その広場の隅っこにポツンと立つ木造の家は、実際の家の5分の1のスケールで制作されたもの。柱廊とプールのようなものが設けられたこの建造物は、「都市の新しい建築の理想を表現したプロトタイプ」として生まれたという。裏手に回ると、閉じられた扉が3つ並び、興味がそそられます。
- (アーティスト)
- リクリット・ティラヴァーニャ
- (作品名)
- untitled 2016
- ( this is A
- this is not A
- this is both A and not‐A
- this is neither A nor not‐A)/
- 《無題 2016
- ( これはAである
- これはAではない
- これはAであり、Aではないものでもある
- これはAでもなく、Aでないものでもない)》2016
- これはAではない
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-3-1 烏城公園 本段

一見、工事中?と思ってしまうこの外観。岡山城をひかえた本段の柿の木のたもとに、短管パイプで組み立てられた巨大迷路があります。そのほぼ中心部に位置する鏡張りの茶室は、中に入ると自分がさらされている感覚になるのがおもしろいです。リクリット・ティラヴァーニャは半自律的空間を作りあげてきたアーティストで、ここでもインタラクションの度合いを鑑賞者に委ねています。
- (アーティスト)
- 島袋 道浩
- (作品名)
- Bow to Bow/≪弓から弓へ≫2016
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-3-1 烏城公園 不明(あかずの)門

今回の「岡山芸術交流 2016」のために開かれた「不明(あかずの)門」の内部の部屋では映像作品が上映されています。岡山大学弓道部の学生と岡山フィルハーモニック管弦楽団のコントラバス奏者、作曲を担当した野村誠氏、、そして作家の島袋道浩氏自身が出演し、吉備津神社弓道場で撮影された映像は、武器としての弓が、楽器の弓へと変わる瞬間をユーモラスに美しく描いています。武器から楽器へ変化した弓にどんな物語があったのか、想像しながら観るのも楽しいですよ。

- (アーティスト)
- レイチェル・ローズ
- (作品名)
- Egg /《卵》2016
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-7-15 林原美術館

館内に足を踏み入れると、その視線の先に見える中庭の竹林。その四角に切り取られた中庭の2つの面はレンガ、残りの2つの面は館内の空間を仕切るガラスで、その中央に樹脂の卵が置かれている。映像作品をメインとするレイチェル・ローズのこの作品は何かを抱えているように暗示的で、『林原美術館』の空間に捧げられた物語のようにも見えます。
- (アーティスト)
- ピエール・ユイグ
- (作品名)
- Untilled/≪未耕作地≫2012
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-7-15 林原美術館 庭園

片膝と肩肘をつき、上半身を少しだけ起こして横たわる女性のコンクリート像。なんと、その頭部は本物の大きなハチの巣。生きたハチが周囲をブンブンと飛ぶ作品は、ハチの巣を脳として、ハチの動きが像の形を曖昧にする狙いがあるそう。養蜂技術のサポートとして、鏡野町に本社がある『株式会社山田養蜂場』が協力しています。
- (アーティスト)
- レイチェル・ローズ
- (作品名)
- Lake Valley /《レイクヴァレー》2016
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-7-15 林原美術館

レイチェル・ローズによる8分25秒間の最新の映像作品。ウサギを主人公に、19世紀に書かれた作者不詳の物語を取り入れたストーリーは、セルアニメーションとコマ撮りアニメーションを用いて制作されています。19~20世紀の子ども向けのイラストや雰囲気を継承した、独特の世界観のある映像はネット越しに観ることで、不思議な感覚に陥ります。
- (アーティスト)
- ピエール・ユイグ
- (作品名)
- Zoodram4 /≪ズードラム4≫2011
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-7-15 林原美術館

水槽でうごめいているのは、ヤドカリをはじめとする海の生き物たち。ブランクーシの彫刻”女神”のレプリカを住まいにしている大きなヤドカリには、ぞくっとさせられますが、動植物たちにとって自分たちを収容する容器の美醜なんて関係ないはず。照明を落とした暗~い空間と、ヤドカリたちの活発な動きが対称的です。
- (アーティスト)
- ピエール・ユイグ
- (作品名)
- Untitled(Human Mask) /≪無題〈ヒューマンマスク〉≫2014
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-7-15 林原美術館

ピエール・ユイグによる19分7秒の映像作品。白いマスクをかぶったサルが、文明滅亡後のような空きレストランを徘徊する様子に引きつけられて、目を離せなくなります。マスクは『林原美術館』に所蔵される能面のように、観る者の思いに沿って、さまざまな表情に映りました。不気味だけど、幼児のようなつたないしぐさに愛おしさも生まれます。そんな相反した気持ちに挟まれる作品。
- (アーティスト)
- フィリップ・パレーノ
- (作品名)
- With a Rhythmic Instinction to be Able to Travel Beyond Existing Force of Life (Green,Rule #1) /《既存の生命力を超越した旅を可能にするためのリズミカルな本能と共に〈グリーン、規則#1〉》、2014
- 展示場所
- 岡山市北区丸の内2-6-30 岡山県立図書館

- (アーティスト)
- アーメット・オーグット
- (作品名)
- While Others Attack /《他者による攻撃中に》2016
- 展示場所
- 岡山市北区内山下2-4-6 岡山県庁

被害者としての「人」と、加害者である「犬」(犬が人の服の一部を引っ張っている)のブロンズ像合計6体が、意図的に隔てて置かれたインスタレーション作品。岡山県庁の入口正面に配置された被害者の3体の「人」を最初に見ることで、どういう状況なのかを想像し、加害者である「犬」3体が傍らに断絶されていることで、「双方の行動を慮るためのつかの間の猶予」を作り出しています。立場を変えて、視点を変えて、触れてみるとおもしろい作品です。
『岡山城』、『林原美術館』周辺は、歴史・文化保存が強いエリアなだけに、そこを借景した各作品の佇まいが楽しめました。また、エリア内の『旧内山下小学校』では「ハイコーチャレンジ!!」(http://haiko-challenge.com/)が、『石山公園』では、オープンカフェの社会実験「オリバープロジェクト」(http://oriver.info/)などイベントも多数開催。毎日、毎週、にぎやか。イベント目当てで巡ってみるのもおすすめです。
以上、「岡山芸術交流2016」全会場レポートでした! 気になる作品、行きたくなる会場はありましたか? ぜひ、世界の一流アーティストの作品と「岡山」のコラボを、現地で体感してみてください。
Information
岡山芸術交流 2016
- 開催期間
- 2016年10月9日(日)~11月27日(日) 9:00~17:00(入館は~16:30)
※シネマ・クレール 丸の内会場は、12:15~13:45の1日1回上映 - 会場
- 旧後楽館天神校舎跡地、岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、旧福岡醤油建物、シネマ・クレール 丸の内、林原美術館、岡山城、岡山県庁前広場ほか(岡山市北区天神町、出石町、内山下、丸の内ほか)
- 休み
- 月曜
- 料金
- 一般1800円 高校・大学・専門学生1200円 中学生以下無料
- 問合せ
- 岡山芸術交流実行委員会事務局
- 電話番号
- 086-221-0033
- HP
- http://www.okayamaartsummit.jp/