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つまんない映画なんてない!

つまんない映画なんてない! vol.15

「火星人」

  • 情報掲載日:2016.02.10
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘訣。映画が好き過ぎて、あこがれのターミネーターに変身。特殊メイクがんばりました!

「火星人」

タコの形をした宇宙人、それが一般的な火星人のイメージだろう。

そもそもこれはH・G・ウェルズの名作小説『宇宙戦争』に登場した架空の火星人の容姿が定着したものである。
1897年に発表されたこの小説は、タコ型の火星人が地球に攻めてくるもので、映画化されたことによりタコ型火星人のビジュアルが一気に普及したのだと思われる。まったく映画の影響力とは恐ろしいものである。その後のあらゆる場面で火星人はタコ型となったのだ。あの一世を風靡したインベーダーゲームでも列をなして攻めてくるのはタコ型宇宙人ではないか! ではなぜこのタコ型がここまでウケたのだろうか?

まず、火星の重力は地球の40%と言われていることから、足腰は弱くてOK! さらに、はるばる火星から地球まで攻めて来られるなら人類よりも頭が良いので、頭でっかち! そしてきっと見た目はぬるっとしてキモいに決まってる!(という思い込み)((笑))。
つまりタコだ!
この科学的根拠に基づいた(?)バカバカしさが「バカウケ」の秘密に違いない。そんなこんなで火星人は最も人類に愛される宇宙人となったのである。

現在公開されている映画に“火星の人”という意味の作品がある。
原題を『The Martian』(火星の人) 日本公開のタイトルは『オデッセイ』である。全米公開で空前の大ヒットとなったこの作品は巨匠・リドリー・スコット監督の最新作にして最高傑作の呼び声が高い。もちろん火星人が登場するわけではない。地球人が火星でひとり、生き抜く話なのである。

物語は人類が3度目の火星探査ミッションを行っているところからはじまる。突然チームを襲った嵐により一人の隊員が殉職した・・・ と思っていた。 しかし彼は火星でたった一人生き残っていたのである。

この究極のサバイバルに体力ではなく、科学の力で立ち向かうところが面白い! そして、この作品の素晴らしさは今だかつてない主人公のポジティブさである! どんなピンチにも絶対にヘコタレない。いや、むしろ乗り越えることを楽しんでしまう。インテリジェンスとユーモアにあふれたアドベンチャーなのである。
リドリー・スコット監督、これはコメディなのですか!?
究極の緊迫感から一転、笑いに持ち込む。しかし状況は生死をかけたギリギリの状況であるではないか! 手に汗握りながら思わず爆笑、宇宙の恐ろしさと美しさを同時に見せながらクライマックスは感動の嵐である。

この映画には他にはない何かがある!
「火星人」だ!
火星でも人は勇気と知恵で生きることができる。ならばそれは火星人ではないか! もし地球人が宇宙で暮らせるなら、宇宙人である。この映画には我々は宇宙人であるという「ロマン」があったのだ。

まてよ! ならば生まれながらにとても頭が大きくて「火星人」と呼ばれていた私はロマンの塊ではないか! さらに幼児期は丸坊主で赤い顔をして口を尖らせていたのであだ名は「タコチュウ」だった。
そうか、私こそ「タコ型火星人」そのものだったのだ!!!

「ワ・レ・ワ・レ・ハ ウ・チ・ュ・ウ・ジ・ン・ダ」
訳=「私もあなたも同じ宇宙に生きる仲間ではないか。仲良くしよう!」


『オデッセイ』
監督:リドリー・スコット 出演:マット・デイモン
岡山メルパほか 絶賛上映中!

岡山メルパ館長 福武孝之

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