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つまんない映画なんてない!

つまんない映画なんてない! vol.14

「2本立て」

  • 情報掲載日:2016.01.27
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘訣。映画が好き過ぎて、あこがれのターミネーターに変身。特殊メイクがんばりました!

「2本立て」

最近はすっかり無くなってしまった映画の2本立て。
現在では「2本立て」そのものを知らない人が多いと思う。

「2本立て」とは、その名の通り2本の映画をひとつの劇場で交互に上映することだが、これを説明するためには、先に「流し込み」(業界用語)を説明しなければならない。
「流し込み」とは、上映開始時間に関わらず、いつでも入場出来て、いつまででも繰り返し観ることができてしまう上映方式のことで、昔ながらの大らかな映画館のあり方である。これを前提に「2本立て」があり、2つの作品を1本分の料金で観ることができるというものなのである。

現在は1本立てが当たり前で、1回見たら完全入替制となっている。
これが損なのか得なのかは現代人の時間の価値観などが関係していると考えられる。2本を1本分で観られるという金銭的なお得感よりも、観たくもない作品を観る無駄な時間がもったいないという気持ちが勝るのだろう。

確かに観たくない作品を観ている時間は苦痛だろうし、だからといって観たい方だけ選んでいたら上映時間が限定されてしまう。そもそも1本立てでは興行力が弱いであろう作品に「オマケ」を付ける感じで2本立てとなることが多いので、「添え物」(業界用語)はそれなりの作品が多いのである。ならばシンプルに1本立てが分かり易くて良いような気もする。

しかし、今回はあくまでも「2本立て」の醍醐味に関して書きたいのである。
それは2本観られるという喜びよりも「出逢いと発見」である。

観るつもりがなかった映画をついでに観ることにより、予期せぬ出逢いが起こる。そして今まで気付かなかった自分の嗜好を発見することが出来る。例えば観たいと思っていたメインの映画より、添え物の方が自分にとっては面白いことがある。これは宝くじに当たったような衝撃で、この興奮はくせになるのだ。更に、これにより自分の知らなかった自分を発見することになるのだ。「自分はこんな映画が好みだったのか!」という気づきがあれば、その後の人生が変わるのである!
大げさではない、証人がいる・・・・・ 私だ!

その昔、私が10代だったころ、衝撃の添え物に出逢ったのである。何を隠そうその時のメインの作品は覚えていない! 私の記憶には併映されていた『マイ・ベスト・フレンド』という作品のみが残っているのだ。10代の頃の私はアクションかSFにしか興味がなかった。したがってメインはアクション映画であると推測されるが、この「マイ・ベスト・フレンド」はタイトルの通り友情がテーマの感動作である。全く無名のキャストで、内容は体格が小さくイジメに苦しむ主人公と、体は大きいが障害を持つクラスメイトとの友情と絆のドラマだ。今ではネット検索してもヒットしない小さな作品である。2本立て上映でなければ当時の私が絶対に観ることはなかった映画だろう。

しかし、私の心に響いた!! 理由ははっきりしないが当時の私の心を鷲掴みにしたのである。それから映画の見方が変わった。派手な画面を観るのではなく、物語の向こう側にある人間ドラマが観たい! 人情や人の運命などが興味の中心になり、本来の自分の個性を意識するようになった。その後も興味のなかった映画に自分の感性を変え続けられている人生である。影響されやすいと言われればそれまでだが、この人生は中々に楽しいのである。
これからは、あえて「2本立て」もありなのかもしれない。

岡山メルパ館長 福武孝之

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