「桃源郷ラビリンス」とは
誰もが知るおとぎ話「桃太郎」を題材に、岡山県出身・在住の作家である岡山ヒロミが『桃太郎が現代に転生したら』という構想で執筆した小説から始まったメディアミックスプロジェクト。小説を皮切りに2019年4月上演の舞台化を経て、ついに実写映画が完成した。
舞台挨拶の様子
2019年10月25日(金)より全国25館規模で上映がスタート。岡山県では4館で上映される。このたびの映画公開を記念して、『イオンシネマ岡山』と『岡山メルパ』の2館で舞台挨拶が行なわれた。
映画上映後、監督・出演者の登壇を待つ会場いっぱいの観客は、ほぼ女性。2.5次元俳優と言われるイケメンたちと間近で会えるとあってか、会場には少しばかり緊張感が漂っている。
さていよいよ! ヨリコジュン監督、主演・吉備桃太郎役の鳥越裕貴さん、大和尊役の高橋健介さん、吉備真備役の中村優一さんの登場で会場は一気に盛り上がり、主演の鳥越さんを中心に、撮影中のエピソードや岡山への思いなど軽快なクロストークが展開された。
司会者からの「おかえりなさい」に、「ただいまー!」と答える出演者たち。「岡山には撮影以来ですか?」の問いに鳥越さんは、「気持ちはずっとここ岡山にありましたよ! 桃太郎ですもん」と笑顔。
高橋さんから撮影休みの日に広島に遊びに行っていたことを暴露されながらも「ちょっと広島に行って、『広島もいいけど、やっぱり岡山はいいな?』って戻って来られる場所。それが岡山」と、岡山愛をアピール(フォロー?)し、舞台挨拶開始早々に場内は笑で包まれた。
中村さんは「撮影後、プライベートで『鷲羽山ハイランド』や『桃太郎まつり』に来ました。桃太郎のおじいちゃんだからね」と、うらじゃの様子も語ってくれた。ヨリコ監督は撮影後初再来ということだが、「映画の編集にほとんどの時間を費やしていたので、映像から毎日岡山を感じていた」と話し、この映画に懸ける情熱と岡山への愛着も感じさせてくれた。
さらに、いよいよロードショーということで、ヨリコ監督は「撮影に際して大変お世話になった岡山で今日こうして完成した映画を観ていただけるということで、僕もテンションが上がっています」と続ける。
「印象に残るシーンは?」と聞かれ、鳥越さんは「殺陣のシーンは頑張りましたね。鬼の岩屋まで登って陽が沈む前にすべてのシーンを撮り終えたのは、印象に残っています。景色も最高でしたしね」と語る。
中村さんは、「僕は舞台では転生しなかったんですけど、映画では転生していて、これがなかなかカッコイイのではないかな?。ヨリコ監督にも『超カッコイイよ!』と言われて。でも映画を観たらフレディ・マーキュリーかと思った」と笑い話に。
最後にサインボールのプレゼントがあったが、ここで中村さんが痛恨の投球ミス。観客席へ豪速球を投げ込んで周囲をおどろかすというハプニングが! 出演者全員での激しい突っ込みに、この日最高の笑いの波が起こった。
ロケ中のハプニングや個人的にツボにはまったことなども含め、俳優陣の抜群のコンビネーションとテンポのよさで、終始笑いの絶えない和やかなムードの舞台挨拶となった。
インタビュー
この映画の見どころは?
〈ヨリコジュン監督〉
「『温羅』は自分が作り出したものである」という、このストーリーのポイントになっている部分で、普段の生活の中で自分が壁にぶち当たって人に相談したとしても、結局は自分で戦って乗り越えていかなければならないわけですよね。そういった日常とファンタジーな世界を結びつけた映画となっています。人の強さや弱さ、優しさ、醜さなど誰もが持つ心の内を感じ取っていただけるとうれしいです。
〈高橋さん〉
そういった意味では、大和尊=温羅をどう演じるかは難しいところでした。どこまでが尊の意志でどこまでが転生後の意志なのか…。監督とも随分話し合いましたね。
お気に入り・こだわりのシーンや場所は?
〈ヨリコジュン監督〉
映画の中でたびたび登場する倉敷美観地区のカフェ『エルグレコ』は以前から知っていて、どうしてもそこを使いたくて…。これはこだわりのひとつですね。「まさかここがこんな場所に!?」って意外性が狙いです。
「鬼の岩屋」も僕が自分で見つけてきたお気に入りの場所なんです。ここは岡山の人でも意外と知らない人が多いそうで、ロケ地巡りにぜひ行ってみてもらいたいスポットですね。
〈鳥越さん〉
僕は『吉備津神社』が好きですね。御朱印もちゃんといただきましたよ。神社が好きで結構いろいろな所に行くんですけど、『吉備津神社』のあの独特の雰囲気は全国でもなかなかないですよ。
映画の御祈念に行って、神主さんにお守りをプレゼントしていただいたのもうれしい思い出のひとつです。
〈ヨリコジュン監督〉
そういえば、撮影中すごいことが起きたんですよ! 撮影のときには気づかず編集していておどろいたんですけど、冒頭で境内が映るシーンに本物の神主さんがスーッと歩いて通る姿が映っていて…。何か不思議なものを感じましたね。そのシーンもぜひチェックしてみてください。
〈鳥越さん〉
撮影にはドローンも使っているので、迫力のある映像になっていると思います。岡山の景色も、上空からかなり広い範囲でご覧いただけますよ。
〈中村さん〉
映画に登場する『古民家カフェ 桃源郷』はこの映画のために作っていただいて、岡山市街地(表町商店街)に実在するわけですが、実際に営業もしていて、そこで撮影も行なって…。ひとつの作品のためにそこまでしていただけるということは、とても幸せなことです。商店街も夜はライトアップされて、雰囲気のあるいい場所でした。そこで鬼と戦うというシーンもなかなか斬新ですよね(笑)。
〈高橋さん〉
本当に幸せなことですね。でも、撮影中はせっかく来てくださったお客さんにお店に入っていただくことができなくて、申し訳なかったです。
〈ヨリコジュン監督〉
『古民家カフェ 桃源郷』の店内、実は僕がCGで作ったものがそっくりそのまま再現されてるんですよ! 舞台挨拶では、自慢話みたいになりそうで言えなかったんですけど(笑)。
岡山の人へメッセージを。
〈鳥越さん〉
岡山は僕の第3(?笑)の故郷です。撮影中は岡山の人の温かさを感じた2週間でした。誰もが知る「桃太郎」を改めて知っていただき、聖地を巡っていただき、『古民家カフェ 桃源郷』にも遊びに行っていただけるとうれしいです。
〈高橋さん〉
撮影中はタイトなスケジュールで大変でしたが、いざ公開となると「楽しい現場だったな」と思いもひとしおです。仕事やプライベートでもまた岡山に来たいと思います。オール岡山ロケで、皆さんの馴染みの場所が随所に登場しますので、ぜひ劇場でご覧ください。
〈中村さん〉
今日は岡山に来ることができて、温かく迎えていただいてとてもうれしかったです。僕は岡山が大好きです。これからも応援よろしくお願いします!
〈ヨリコジュン監督〉
岡山の皆さんには多大なるご協力をいただきまして、心から感謝いたします。さまざまな場所を提供していただき、多くのエキストラに参加していただいて。タイトなスケジュールでありながら、とてもスムーズに撮影ができました。岡山の皆さんのおかげでこの映画が完成しました。みんなの思いが詰まった映画です。スクリーンでじっくりご覧ください。
作品/上映データ
Information
映画「桃源郷ラビリンス~生々流転~」
- 原作
- 岡山ヒロミ『桃源郷ラビリンス』(小学館文庫キャラブン!刊)
- 脚本
- ヨリコ ジュン/菅野臣太朗
- キャスト
- 鳥越裕貴、高橋健介、杉江大志、遊馬晃祐、山本一慶、長江崚行、健人、川上将大、今出 舞、汐月しゅう、中村優一、ボブ鈴木、仲田博喜、金子 昇ほか
- 公開日
- 2019年10月25日(金)
- 上映館
- イオンシネマ岡山(岡山市北区下石井1-2-1 イオンモール岡山5階)
岡山メルパ(岡山市北区駅前町1-4-23)
TOHOシネマズ岡南(岡山市南区築港新町1-22-1 シネマタウン岡南2階)
MOVIX倉敷(倉敷市水江1 イオンモール倉敷2階) - 問合せ
- 株式会社トリプルアップ
- 電話番号
- 03-3505-0453