あなたのお店「タウン情報おかやま」に掲載しませんか?岡山ラーメン本 あなたのお店「タウン情報おかやま」に掲載しませんか?
  1. Home
  2. ライフ
  3. 深~い! 新劇場「岡山芸術創造劇場 ハレノワ」と千日前の誕生物語vol.36

岡山芸術創造劇場 ハレノワ ~カウントダウン♪ 千日前から

深~い! 新劇場「岡山芸術創造劇場 ハレノワ」と千日前の誕生物語vol.36

変わる街をウォッチング。岡山芸術創造劇場 ハレノワ ~カウントダウン♪ 千日前から

  • 情報掲載日:2025.03.06
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

写真家・浅田政志が『ハレノワ』の大劇場へ。その人だけの人生の”ハレの日”を撮影する現場に密着。

2025年3月15日(土)~30日(日)、「写真家  浅田政志とつくる“ハレの日”のワンシーン 写真展」が『岡山芸術創造劇場 ハレノワ』のギャラリーで開催されます。

写真家・浅田政志さんは、2009年に写真集『浅田家』で「写真界の芥川賞」とも称される木村伊兵衛写真賞を受賞し、近年ではNHK連続テレビ小説「ブギウギ」のメインビジュアルを手掛けるなど幅広く活躍されています。

▲浅田さんの家族がみんなでいろんなシーンに扮するシリーズ、写真集『浅田家』。表紙を飾ったのは、消防車と消防服を貸してもらった「消防士」

今回の写真展では、『ハレノワ』が“ハレの日”のエピソードを公募して集まった14組の作品が登場。『ハレノワ』大劇場の舞台上で各組と浅田さんが一緒に写真を演出し、撮影した「“ハレの日”のワンシーン」が並びます。ということで取材班はその撮影会と、さらに浅田さんが小学生に向けて行った特別授業を密着取材しました。

まずは、『ハレノワ』大劇場を教室にした特別授業の様子。先生となった浅田政志さんが、客席に座った『三勲小学校』6年生の子どもたちに向かって写真家の仕事について明るく語りかけます。

▲写真家・浅田政志。1979年三重県生まれ。2000年、日本写真映像専門学校研究科卒業。写真スタジオのアシスタントを経て独立。2009年、写真集『浅田家』で第34回木村伊兵衛写真賞受賞。東日本大震災の各被災地や西日本豪雨被災地(倉敷市真備町)での写真洗浄ボランティアの記録『アルバムのチカラ』共著。2020年、著書が原案の映画『浅田家!』公開

「僕の仕事は写真家で、『演出写真』っていうジャンルです。ありのまま撮る写真ではなくて、ポーズをつけて演出をして撮影をします。たとえば、この消防士の写真。消防署に行って『こういう写真を撮っているんですが、消防車と服を借りて撮影させてください』って、30分くらい『お願いします』って言いまくって協力してもらいました(笑)」。

「僕は父親のカメラに興味を持っていて、中学校に上がるころからカメラで遊んでいました。高校時代は写真部でした。家族写真を撮るようになったきっかけは、写真の専門学校に行って、ある日『たった一枚の写真で自分を表現しなさい』という課題が出たこと。それを突き詰めた答えが『家族』だったんです」。

好きなことを仕事にして全国を駆け回っている浅田さんの話に、子どもたちは身を乗り出して聞き入ります。

▲「学校長賞」を受賞した、専門学校の卒業制作11枚組中の一枚。浅田家の思い出で一番家族らしいと思いつき、最初に再現した家族のシーン。同日に父、自分、兄がケガをして、母が勤める病院で治療を受けたエピソードを再現

▲「将来何したいか、決まってる人~!」。授業での浅田さんの問いかけに、「歌うアーティスト!」「NBAの選手!」などなど、ほとんどの子が手を挙げた

「地元の友人に会うと、みんな僕に『子どものころの趣味が仕事になってよかったね!』と言います。そうできない人も多くいるからです。僕が思うに、好きなことを仕事にしたいけど、なかなかできない落とし穴が、ひとつだけあるんです。それは、したくないこともやらなきゃいけないということ」。

「たとえば、NBAに入るにはバスケだけじゃなくて英語もがんばらなくちゃいけない。アイドルになるなら食事の管理も自分でしなければいけない、とかね。僕も写真を撮るのが好きだけど、毎日仕事のメールや、仕事を頂く営業活動もしなくちゃいけない。そういうしたくないこと、めんどくさいことも楽しんでやれたら、夢はかなうと思います」。小学生たちは浅田さんの話をしっかり聞いていました。

そして実はこの授業、撮影会でもあったのです!

先述の写真展では、仲良し三姉妹が開く女子会、総勢約20名が集うロックバンドのステージ、大手術を乗り越えた娘と家族の笑顔などなど、14組のいろんな“ハレの日”の写真が並びますが、それに加える一枚の撮影。

この授業の後半は、小学生たちがそのエピソードの舞台を眺める観客という演出写真の撮影が始まりました。

「よし!いくぞ!」。浅田さんがヘルメットをかぶり、舞台中央のリフトに乗って上昇すると、子どもたちは大喜び。「今、この劇場で演劇とか、すごいことが起きて驚いてる顔をしてみて!」。子どもたちの表情を引き出す浅田さん。どんな一枚になるか楽しみです。

そして後日、14組の撮影会は丸2日間にわたって実施されました。「七五三や成人式、入学、卒業だけじゃなく、人生にはいろんな”ハレの日”があると思っています。僕の撮影テクニックや感性だけで撮るより、被写体になる方のエピソードの背景を理解し、意見を出し合いながらコラボレーションして撮影します。そうすると想像以上の写真ができあがるんです」。

▲撮影会での一枚、上田家『家事ウォーズ』。転勤族の夫が岡山に引っ越して出会った妻と一昨年に結婚。家事を分担し、ケンカもないが「何でも一緒に楽しみたい」とバトルに挑戦。赤い照明やスモークを使い、小物を吊り下げて撮影

▲各自提出した“ハレの日”の絵コンテをもとに、撮影前に衣装や小道具をチェック。清水家はヘアドネーションのために髪を伸ばした母子が、晴れて美容院で断髪したシーンを再現

▲林家はドタバタで引っ越した新生活に、ワクワクする家族の写真。舞台装置の家を家族みんなでお絵描き

「演出写真の醍醐味は、過去の経験をもう一度自分のなかで整理して、大切なシーンとして作り込めること。家族のエピソードの背景を理解するためにしっかり聞き取りをして、演出を一緒に考えて撮影に臨みます。撮影までにご自身で服や小道具を準備する期間も大切な思い出になります」。

「自分たちらしさを散りばめた写真は額に入れて毎日眺めてもらいたいですね。同じ写真でも、何年も経つうちに見え方が変わってくるもの。いつかの未来に役立つ一枚になるはずです」。

「写真展で、それぞれの身近な“ハレの日”のワンシーンをご覧いただき、ご自身の“ハレの日”にも想いを馳せていただけたらうれしいです」。

■「写真家 浅田政志とつくる“ハレの日”のワンシーン 写真展」
開催期間:2025年3月15日(土)~30日(日)9時~20時
3月14日(金)19時~は、浅田さんをゲストに迎えて「オープニングトークショー」を開催(申し込み不要)。
休み:3月17日(月)
会場:岡山芸術創造劇場 ハレノワ ギャラリー(3F)
住所:岡山市北区表町3-11-50
電話番号:086-201-8014
料金:無料

<消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意>
※掲載の情報は、掲載開始(取材・原稿作成)時点のものです。状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、利用前には必ずご確認ください

関連記事

SNS