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岡山芸術創造劇場 ハレノワ ~カウントダウン♪ 千日前から

深~い! 新劇場「岡山芸術創造劇場」と千日前の誕生物語vol.23

変わる街をウォッチング。岡山芸術創造劇場 ハレノワ ~カウントダウン♪ 千日前から

  • 情報掲載日:2023.11.07
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

グランドオープンのお祝いムードに包まれて♪
『ハレノワ』でもっと気軽にオペラを楽しもう。
その意外な魅力とは?

ここは表町商店街・千日前に産声を上げたばかりの、中四国最大規模の『岡山芸術創造劇場 ハレノワ』。

館内は、大・中・小3つの劇場、練習・集会・小規模公演にも使える「アートサロン」、鏡張りの壁やピアノを備えた11の練習室…と充実! 

岡山市が誇る、非日常と出合える文化・芸術の拠点です。

「市民に身近な劇場」に感じてもらえるよう、イベントがない時も、机やイスが配されたロビーや、多彩な展示が楽しめるギャラリーなどは常時解放。

賑わい創出の仕掛けを次々と生み出しています。

▲小学1年生から70代までの市民ダンサーが盛り上げた「100人ダンス」の後半「born dance」。『ハ・レ・ノ・ワ!』と力強く連呼しながら両手を大きく動かす振付には、劇場の名を体感することで身近に感じてもらいたいとの願いが

開館事業のなかでも「100人ダンス」は、ワークショップを重ねて2年がかりでアーティストと市民が創り上げた一大プロジェクト。

9月3日、表町商店街アーケードをハレノワダンサーズらが、「ソウゾウのフネ(山車)」とともにダンスパレードして『ハレノワ』の「千日前スクエア」に到着。

公募で集まった延べ約130人のダンサーと、飛び入り参加の人々がひとつになり、岡山らしさ満載の歌&ダンス「born dance(盆ダンス)」を楽しみ、周辺は大賑わいとなりました。

開館から1か月以上が経つ現在、表町商店街は平日も人通りが明らかに増え、活気づいてきているようです。

▲「100人ダンス」振付・演出・出演の北村成美さんと北尾亘さん。「技術や経験を超越した、命から湧き出るみんなのダンス。奇跡そのものの光景でした」と北村さん。「大きな『ソウゾウのフネ』が通るパレードや、大人数で飛び入りOKのダンスなど、チャレンジが多かったので達成感がすごい!」と北尾さん

やはり、劇場として賑わい創出の真骨頂は、見ごたえのある舞台を用意することでしょう。

9月1日のグランドオープンは、こけら落とし公演の日本初演作品オペラ『メデア』で幕が開けましたが、劇場の船出への強い意欲を感じさせる、迫力に満ちた素晴らしい公演だったんです。

▲オペラ『メデア』の舞台。『ハレノワ』大劇場に出演者の歌声が響き渡った。なかでもメデア役の岡田昌子さんの熱演は圧巻! オーケストラピットでは、国際的に活躍する指揮者・園田隆一郎氏を迎え、岡山フィルハーモニック管弦楽団の約50人が演奏(撮影:飯島隆)

さらに今年は、『ハレノワ』にオペラの名作が続々とやってきます。

11月10日は、オペラ発祥の国、イタリアの名門『ボローニャ歌劇場』による『トスカ』。

12月16日は「2023グランドオペラフェスティバル in Japan 関西二期会公演」の『カルメン』。

そこで今回は、オペラは高尚なイメージで敷居が高い、と感じる人も身近に感じられたら…ということで、『ハレノワ』のプロデューサー・渡辺弘さんに、オペラの醍醐味と楽しむコツを教えていただきました。

▲渡辺弘さん。演劇ジャーナリストとして活躍後、『銀座セゾン劇場』、『Bunkamura』、『まつもと市民芸術館』で運営や制作を担当。2022年10月、『ハレノワ』の事業の企画・制作を統括するプロデューサーに就任

──そもそもオペラって何なんでしょう?

たとえば『メデア』は、夫に裏切られた王女メデアの壮絶な復讐を描いたギリシャ悲劇なんですよ。オペラの名作に悲劇が多いのは、ドラマティックだから。

人間の憎しみや怒り、嫉妬など、ほとばしる感情は、セリフよりも歌にした方がずっと観客に届きやすい。

オペラはそんな視点から16世紀末に生まれたんです。

日本では「歌劇」と訳されますが、まさに全編が「歌で進める劇」。

そして、歌にオーケストラの生演奏と本格派の舞台美術が融合した、西欧の究極の総合芸術と言われています。

その流れから20世紀になると、セリフと歌とダンスが混在するミュージカルへとつながっていくんです。

▲『メデア』の公演では、ほぼ満席に。迫力ある生の舞台に会場は感動と興奮に包まれていた(撮影:飯島隆)

──なぜ長年愛され続けているのですか?

オペラは人間が出せる究極の生声で伝える「表現の極致」みたいなところがあるんですよ。

だって、マイクを使わず、体中を鳴らすようにして頭のてっぺんからダーン!と、大ホールの隅々まで声を届けるんですから。

めちゃくちゃ音量がでかいから、人間の体が楽器になる、というのがよくわかる。そこを楽しむといいですね。

西欧ではオペラ専用の劇場がたくさん建てられていて、よく超前衛的な、最先端の演出をしたりするんです。歌手の人があられもない姿で…みたいな(笑)。

それをみんな、楽しみにしていたりしますね。

──もともと貴族の娯楽のために生まれたオペラは、鑑賞時にドレスコードがあるんでしょうか。

今は気にしなくていいんです。でも、せっかくだから、ちょっとお洒落をして非日常を楽しんでみては?

──歌舞伎のように、オペラも拍手や声かけなどに決まりごとがありますか。

この前の『メデア』の時は、歌が素晴らしくて「ブラボー」と声がかかってましたけど。

イタリア語で、一人の男性に対して「ブラボー」、一人の女性に対して「ブラバー」、複数の人には「ブラビー」と声をかける。

他の人のかけ声を聞いて、なるほど、と思うだけでも楽しいですよ。

拍手が起きたら、オーケストラピットの指揮者は、次の演奏の開始を待つんです。

伴奏するオーケストラの絶妙の間も、生演奏ならではの醍醐味ですね。

▲『メデア』の本番2日前、中劇場で行われたリハーサルの貴重な映像。この時、オペラ歌手と岡山フィルハーモニック管弦楽団が初めて音を合わせた。

──まだオペラを鑑賞したことがない人にメッセージをお願いします。

先入観は捨てて、とにかく一度体験してみてください。

驚くことはあると思いますが、いっぺんに魅了されると思いますよ。

オペラは観劇料が高めですが、実は総勢100人くらいの役者と演奏者が出演し、作り込んだ舞台にはめちゃくちゃお金がかかっているんです。

『ハレノワ』では金額設定を低くしているので、この機会にぜひ!

そして歌声も演奏も、その音は下から上へと上がっていき、天井で跳ね返って下に降り注ぐ。

だから、1階席より安い2~3階席の方が音がいいとも言われます。

通の人は上の階の席を買うんです。個人的におすすめは、3階席の一番前の席ですね(笑)。

会場中を圧倒する歌声や、座る席によって変わる魅力…。

それは生の舞台だからこそ。

オペラはその魅力の神髄を味わえるのかもしれません。

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