暮らしのいいものをセレクトしている『ハレマチ特区365』と『オセラ』が、岡山をはじめとする瀬戸内の企業・団体・職人・作家など「ひと」に着目し、そこから生まれる魅力あふれる商品とその思いをご紹介します。
「作り手」たちの意外な視点や温かい思いを知ると見えてくる、商品の魅力、新しい世界。

「クロモジ」という植物をご存じだろうか。全国各地に自生しており、高級つまようじの材料として知られている落葉低木。そのエキスは抗ウイルス作用があるという説があり、昨今認知度がアップ。県内では真庭地区によく見られ、そのかぐわしい香り、効能から「クロモジ茶」として家庭でも親しまれている。そんなクロモジに魅了されているのが、『ユキミドリ』の石賀真代さんだ。

子どもの頃から香りに興味があったという石賀さん。大学の卒業論文で「『万葉集』においての香り」をテーマにしたことで、香りについて深く考えるようになったという。「『香り』という言葉の裏側に、思い慕う人の存在を表していたり、風景そのものを描いていたり…。古来より日本に息づく、精神や生命力を表す言葉なんだなと実感したんです」。

蒜山に嫁いだ後、蒜山を知るなかで出合ったのがクロモジだった。ウッディだけれど爽やか、フローラルでいてスパイシーさも感じるクロモジの香り。昔から山で働く人が、枝を折りその香りに癒やされ、傷薬として重宝されていたという。蒜山を盛り上げるため、石賀さんが選んだのが自然が生み出す香りだった。クロモジのアロマウォーターに、芽吹き直前のヤマブドウの樹液を加えた「ひるぜんの化粧水」をはじめ、「ホワイトブーケ」や「シズカナタケ」といった、蒜山をイメージし精油をブレンドしたアロマスプレー四種などをラインアップ。用いる水には、塩釜の冷泉を使うというこだわりも。蒜山産の希少な日本ミツバチの蜜ろうを使った「ミツロウワックス」や、真庭産の木材を取り入れた「木のアロマディフューザー」といったエリアのブランド力を高めるアイテムも揃う。

最近は、一人ひとりの好みや体調を聞きつつ行なう香りのセッションやヒーリングにも尽力。美咲町にある『占　導しるべ　家紋』で受付けている。「より内面に、心に寄り添い癒やすケアや、自然の中で自分を見つめ直すツーリズムも行ないたい」と石賀さんはほほ笑む。植物の生命力、核ともいえる香りが持つ可能性は無限大。石賀さんというつなぎ手により、その力は何倍にもふくらむに違いない。

『蒜山328農園』の希少な日本ミツバチの蜜ろうを細かく切り、アーモンドオイルと混ぜ合わせ完成する「ミツロウワックス」。ほんのりと甘いハチミツの香りが漂う。唇や指先のケア、かさつきが気になるかかとに塗るのがおすすめ。「ヒルゼンミツロウワックス」1650円、「ヒルゼンミツロウワックス スティック」770円。

アロマセラピスト・調香師
石賀真代
いしがまさよ　1971年生まれ、笠岡市出身
幼い頃から香りに興味を抱く。蒜山ならではの香りを広めるべく、2005年、『ユキミドリ』をスタート。化粧品やアロマグッズの販売をはじめ、ワークショップ、香りのセッション、ヒーリングなども行なう。

ハレマチ特区365

晴れの国おかやまに息づく、ものづくりのスピリットを体感できる空間。知られざる逸品をはじめ、味わい深いスウィーツやフード、心奪われるかわいいものまでラインアップしている。

＜消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意＞
※掲載の情報は、掲載開始(取材・原稿作成)時点のものです。状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、利用前には必ずご確認ください
※新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として、国・県・各市町村から各種要請などがなされる場合がございます。必ず事前にご確認ください
※お出かけの際は、ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用、手洗いや消毒など、新型コロナウイルス感染予防の対策への協力をお願いします