暮らしのいいものをセレクトしている『ハレマチ特区365』と『オセラ』が、岡山をはじめとする瀬戸内の企業・団体・職人・作家など「ひと」に着目し、そこから生まれる魅力あふれる商品とその思いをご紹介します。
「作り手」たちの意外な視点や温かい思いを知ると見えてくる、商品の魅力、新しい世界。
新見市大佐の大日高原の、標高約600メートルに位置する紅茶農園兼カフェの『アーリーモーニング』。きつい傾斜があり、朝夕の寒暖の差が激しく、時には霧も立ち込めるという紅茶の有名な産地、インドのダージリンに似た環境を持つこの場所で、紅茶研究家として活躍する宮本さんが、約20年前に移住し約二ヘクタールの紅茶農園を営んでいる。当初より山々の緑と眼下に広がる景色を望める絶好のロケーションで紅茶カフェも運営しており、紅茶愛好家に注目されてきた。2013年には、念願だった自家農園の茶葉を加工する工場を敷地内に新設。オリジナルの紅茶葉を発売するまでになった。
紅茶教室の講師として活動していた当時、「紅茶を語るには実際に紅茶葉を作る土に触れ、育つ環境に向き合わないと、さらに深くは語れない」と感じた宮本さん。そんな熱い思いから、紅茶葉栽培に適した地を探し農園を営むまでに。「15年ほど前に植えた紅茶葉の木も成木になり、強い木になった。ダージリンより冬は厳しく、四季のめりはりがあるこの地で厳しい環境を乗り越えた木、そして茶葉は、強くインパクトのあるものが生まれている」と宮本さんは語る。取材に訪れた5月下旬は春摘みの茶葉を収穫するシーズン。手摘みで行なわれる収穫、また手揉みしながら発酵を加えていく工程は毎回ドキドキするのだという。収穫し、山積みにした茶葉が地熱で温められた時に立ちのぼる香りで「いい茶葉ができるかどうか」がわかるそうだ。本誌が発売される6月下旬頃には店頭に並ぶ予定とのこと。「『ハレマチ特区365』で買ってくれるお客さまから『春摘みの茶葉はいつ頃店に出るの?』という問い合わせが入るらしいんです。お客さまが待ってくれていると思うと励みになりますね」と嬉しそうに話してくれた。
現在、カフェの近くに、茶葉をティーバッグに詰める工程が見学できる施設を建設中。また敷地内に英国庭園も整備している。茶葉を育て、加工する様子を見学でき、また紅茶を語るに欠かせない英国文化や景色を愉しみながら自家農園の紅茶を堪能できる場所へ。紅茶にまつわるあらゆることを体感できる「紅茶のテーマパーク」となるべく、さらなる進化を遂げている。
EIJI MIYAMOTO/アーリーモーニング
紅茶研究家
宮本英治
みやもとえいじ/1964年赤磐市生まれ、新見市大佐在住
幼児教育の道を歩んでいたが、1997年に学生時代から好きだった紅茶の道へと歩むことに。最初は紅茶教室の講師として全国を飛び回る。1999年に自らの手で紅茶を作ろうと大佐に移住。ペンション兼カフェである『アーリーモーニング』で生計を立てながら茶畑を営み、2013年には自作の茶葉を『EIJI MIYAMOTO』ブランドとして販売を始めた。
Information
EIJI MIYAMOTO/アーリーモーニング
- 住所
- 新見市大佐小阪部2239-8
- 電話番号
- 0867-98-3939
- HP
- https://www.earlymorning.co.jp/
ハレマチ特区365
『イオンモール岡山』の5階にある、晴れの国おかやまに息づく、ものづくりのスピリットを体感・体験できる空間。岡山県内を中心に、せとうちエリアの作家や職人、企業による雑貨、ウェア、ストックフード&器など、1000種類以上のアイテムをラインナップ。作家によるワークショップをほぼ毎日行なうスペースも常設。
Information
ハレマチ特区365
- 住所
- 岡山市北区下石井1-2-1 イオンモール岡山5階
- 電話番号
- 086-206-7204
- 営業時間
- 10:00~21:00
- 休み
- なし
- 駐車場
- 約2500台(有料)
- HP
- https://hare365.com/