あたりまえにある身近なあんなものやこんなものに、実はこんな歴史や理由があるのです…。
そんな身近にある何? なぜ?を調べます。
岡山での防災あれこれを再発見!!
今年3月11日で東日本大震災から10年。県内でも被害のあった平成30年7月豪雨からも2年半が経ちました。災害が起こった際は防災意識が高まりますが、今では忘れかけている人もいるのでは? そこで改めて地震や水害などの災害への備えについて紹介します。
地震・水害など災害が起きたとき、避難する場所を知っていますか?
住んでいるところだけでなく、勤務地での避難する場所も知ろう。
平成30年7月豪雨災害では、県内でも実際に避難所に避難したという人も多かったと思います。また岡山では平成7年の阪神淡路大震災で防災の意識が高まったのではないでしょうか。しかし、防災情報は常にアップデートされているので、最新情報を入手して災害に備える必要があります。そこで、今災害が起こったときに、事前に知っておくと役立つ情報のいくつかをご紹介します。
まずチェックしたいのは、住まいで災害にあった場合の避難する場所。そして、避難経路を検討するうえで、ハザードマップを一緒にチェックするのがよいでしょう。お住まいの各市町村では、ハザードマップで避難する場所や浸水、地震などの危険な場所の情報を提供しています。土地の高低差、地盤の強さ、近くに海がある、山があるなど状況によって避難経路の想定が変わってきます。干拓地などでは、液状化現象が起こることもあります。避難する場所を目的地に「今いる場所から避難する場合、どう安全に避難する?」ということを想像してみて、途中の道に川や側溝があふれそうな場所はないか、橋が落ちて先に行けない場合どうするかなどを考えながら散歩してみるのもいいかもしれません。住んでいるところだけでなく、勤務地で被災した場合に避難する場所も確認しておきましょう。
編集部からの避難方法について、リアルに考えてみた。
その一例として、地震があった場合に、『タウン情報おかやま』編集部のある岡山市北区内山下から、避難所として指定されている『岡山市立岡山中央中学校』までの避難を考えてみました。ここまで歩いてみましたが、徒歩約10分でした。近くに旭川が流れているので、浸水の可能性に注意しながら避難ルートを考えてみましょう。城が建てられる場所は見通しがよく小高い土地の場合が多いので、海抜が高そうな岡山城周辺を通りながら避難してみました。避難所の『岡山市立岡山中央中学校』も海抜が4.6mと書いてありましたよ。しかし、津波による川の逆流の可能性もあります。周辺はビルが多いので倒壊したり柱やガラスが散乱したりして想定していた道が通れない場合の別ルートも考えておかないといけません。こんなふうに考えてみましたが、そもそも編集部のある建物からの脱出方法も考えておかなくては! ドアが壊れてしまった場合、ビル2階からどう逃げよう…、周辺はアスファルトの道路なので飛び降りるのは危険だし…など、いざというときのための想像力をフルに働かせて避難ルートを考えておきましょうね。
「岡山県防災マップ」からお住まいの市町村のハザードマップを調べることができます。
災害が起きたときに備えて、知っておいたほうがいいあれこれ。
防災基礎知識として役立つ「ももたろうの防災」。
先ほど紹介した避難する場所をはじめ、自宅や勤務地でどんな災害が起きる可能性があるか、またその場合、どのようなことが起きるのかを想像するために便利な防災ガイドがあります。その名は「ももたろうの防災」。岡山県危機管理課のホームページに掲載されており、52ページにわたる誌面をダウンロードすることができます。地震や風水害、土砂被害が起きたときにどのようなことが起こるか、そのときに対処するためにどのような準備、行動をしたらよいかについて、参考になることが書かれています。さらにはテロや武力攻撃(!)があった場合の行動指針も示されています。南海トラフ地震が起きた場合の想定最大震度や、最大津波高、第一波の津波到達時間も書かれていて想定最大震度は県南では震度6強から5強とされており、想定最大の津波は、地震発生から2時間程度かかると予想されています。また、海辺や河口付近にいるときに地震が起きた場合は、ただちに離れることが書かれています。また、埋立地や河口で起きやすいといわれる液状化現象が起こる危険性が高い場所も色分けして紹介されています。ぱっと見ると、県南の人が多く住んでそうな場所が液状化しそうな場所に含まれている印象。自宅や勤務地が含まれてないか、ぜひチェックしてみてください。
災害時に情報収集するための準備も。
さて、いざ災害が起きたとき。どこから情報収集するか。テレビ? 避難所ではラジオが有効かも? その場合ラジオ用の電池を準備しておかなくてはいけませんね。またネットでは「おかやま防災ポータル」で気象台が発表する大雨、洪水などの警報、注意報や、岡山県内で観測された雨量、河川水位、潮位などの最新の防災情報が提供されています。これは役に立ちそうです。また、同サイトから「Yahoo!防災速報アプリ」に登録しておくと、同様の内容がスマホにプッシュ通知で配信されるのでおすすめですよ!
自主防災組織への参加のすすめ。
災害時に心強い存在なのが地元の自主防災組織。参加していると、いざというときに地域での助け合いがスムーズにすすめられますし、自身にとっても、防災知識が蓄えられ、災害時にどう動けばよいか災害対応力が養えます。自分ひとりでは不安になりそうですが、地域でのつながり、住みやすさや地域の結束を感じることができ、また、助け合いの精神も育まれそうです。「近所に自主防災組織ってあったっけ?」「地元の自主防災組織に参加したいけど連絡先が分からない」といった場合は、お住まいの市町村の防災担当課に問い合わせてみましょう。
岡山県としての災害対策。
訓練、備えなどを行っています!
昨年11月に新しい岡山県総合防災情報システムが稼働し、先ほど紹介した「おかやま防災ポータル」をはじめ、防災情報のスムーズな共有や県民への情報提供がなされるよう整備されました。今年1月にはこの総合防災情報システムを使用して県庁集中配備室にて南海トラフ地震の発生を想定した防災訓練が行われました。また、昨年5月には、大型の台風が接近し高梁川水系で洪水が発生したとの想定で風水害に対する県災害対策本部の応急対応力の向上を図るため、市町村・防災関係機関と連携した訓練が実施されました。さらには災害時の物資調達や物資輸送に関する協力協定の締結なども進められています。いざというときの準備も随時行われているので、県からの情報もチェックしておきたいですね。
東日本大震災の避難者が地元に戻るためのサポートも。
また、10年前の東日本大震災の時に岡山県に避難して来られた人が多くいます。「岡山が好き!」と定住を決めた人がいる一方、元いた場所に戻りたいのに地元の情報が入ってこなくてどう動いていいかわからない人も。そんな東日本大震災避難者に向けた「全国避難者情報システム」が現在運用されています。登録していると、避難前に住んでいた場所の行政情報や避難している人との交流会の情報などさまざまな支援情報が提供されます。引っ越しをすると再登録が必要なのでご注意を。登録は、今住んでいる市町村にお尋ねください。
東日本大震災から10年。改めて防災についてじっくり調べて考えてみる機会を設けてみてはいかがでしょうか。
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※掲載の情報は、掲載開始(取材・原稿作成)時点のものです。状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、利用前には必ずご確認ください
※お出かけの際は、ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用、手洗いや消毒など、新型コロナウイルス感染予防の対策への協力をお願いします