『岡山のおいしい店(ごっつぉ)』2023年版岡山ラーメン本 2023 岡山ラーメン本 2023
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編集者にまかせてちょ~査団スペシャル

《岡山市/つるの玉子本舗 下山松壽軒》130年前から愛され続ける、これぞ日本のマシュマロスイーツ! 岡山銘菓「つるの玉子」で、ふんわり甘~いおやつ時間を。

気になる岡山の街ネタ調べます!まかせてちょ~査団スペシャル

  • 情報掲載日:2020.12.26
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

Mission_68/マシュマロ和菓子は更なる極みへ。味よし、見た目よしの新ブランド、「つるたま」をチェックせよ!

マシュマロで餡を包んだご当地菓子、「つるの玉子」とは?

子どもから大人まで、日々のリラックスに欠かせないのがおやつの時間。甘いものは疲れを癒し、気持ちを切り替えてくれますよね。

忙しい時ほどお茶を味わい、お気に入りのお菓子でひと息入れる。年を重ねると共に、日常の「おやつ時間」を大事にできるようになりました。

今はお取り寄せが浸透したおかげで、全国各地の魅力あるお菓子を気軽に楽しめます。しかしながら、おやつの定番としてぜひ見直してほしいのが、地元で親しまれる岡山銘菓。

岡山県には、きびだんごをはじめとする優れた郷土菓子や名物菓子がたくさんあります。手土産の鉄板としてはもちろん、自分を労う「ご褒美スイーツ」として楽しむのもおすすめ。

昔なじみのお菓子のよさを再発見したり、まだ知らなかったローカル菓子に出合えたりと、地元菓子の奥深い魅力に気づくはずです。

私こと「まかせてちょ~査団」の団長M、数ある岡山銘菓の中で気になっているお菓子があります。それがこちら。

名前は「つるの玉子」。見た目は丸い玉子形で、おめでたい紅白仕様になっています。

あえて説明する必要はないほどの岡山名物ですが、大きな特徴と言えるのがマシュマロ生地。そう、このお菓子はマシュマロで餡を包んだお饅頭なんです。

中に入っているのは黄身餡。マシュマロのふんわり感と餡のなめらかさがマッチして、軽いくちどけがクセになります。口に入れたときの感覚を表現すると、「ふかふか、じゅわっ」。甘いマシュマロがじんわりと口の中で溶けていくのがたまりません! 

団長Mが初めて「つるの玉子」を食べたのは15年ほど前。それ以来、何度食べても新鮮な気持ちにさせられる和菓子です。

この個性的な和菓子をつくったのは『つるの玉子本舗 下山松壽軒(しもやましょうじゅけん)』。

「つるの玉子」は創業時から作られているのだそう。近年は新たなマシュマロスイーツを開発したとのことで、ますます気になる存在です。

オリジナリティあふれるご当地菓子の魅力を探るべく、「桃太郎大通り」沿いにあるお店を訪ねてみました。

明治20年創業。安心素材と手仕事の味にこだわり続ける。

お店に入ると、今回取材に応じてくれた下山恭正さんと、4代目社長のお母様の下山ケイ子さんが笑顔で迎えてくれました。歴史ある老舗店ながら、町の和菓子屋さんといった素朴で温かい雰囲気を感じます。

店頭にはきび団子や調布、煎餅、クッキーなどさまざまな和洋菓子が並んでいました。

社名になっている「つるの玉子」は、創業のきっかけとなった看板商品。明治20年創業なんですね。明治時代にマシュマロがあったとは驚きです。当時としては随分ハイカラだったと思うのですが…。恭正さん、どんな風にして「つるの玉子」が生まれたのですか?

「初代の下山治四郎は、岡山領主池田家の御用菓子司『加喜屋』で修業していました。その時に洋菓子職人からマシュマロの作り方を習い、そのレシピを和菓子に生かすことを考えたそうです」(恭正さん)

ヒントとなったのは、『岡山後楽園』で見た丹頂鶴の姿。その美しさに感銘を受けて、鶴の玉子の形をしたマシュマロ菓子を思いつきました。1800年代にフランスで誕生したとされるマシュマロと、明治17年に一般公開されて間もない『岡山後楽園』。当時の最先端をドッキングさせるなんて、治四郎さんナイスなひらめきですよ!

「まだマシュマロが一般的ではなかった時代ですし、開発には苦労したようですね。それでも何とか『つるの玉子』を完成させて、明治20年にお店を開きました。昔の店舗の写真も残っていますよ」

これは岡山市街地の様子。建物の右下に「つるの玉子」の看板が見えます。

「『つるの玉子』は一世を風靡し、林芙美子の『放浪記』など文豪の作品にも登場しました。しかし、戦争による空襲により店が焼失。二代目の下山眞寿次がゼロからお店を再建しました」

工場ができたのは三代目の下山正明氏の時代。その間にも「つるの玉子」の改良を繰り返し、生産量アップと品質向上の両立に取り組んできたそうです。

いや~、岡山どころか日本の和菓子ヒストリーを語る上でも重要な位置付けでは? 想像を超えるスゴイお菓子であることに今更ながら気づきました。

「代々の店主と職人さんたちの努力の賜物ですね。某局の朝の連続ドラマになってもいいはずなのに(笑)」と笑う恭正さん。

昔の製造現場の様子。当時は小さな部屋で職人たちがすべて手作業でお菓子をつくっていたとか。現在は工場生産ですが、今も多くの工程が職人の手仕事によって行われています。

「手仕事の技に加えて、うちの和菓子は素材のよさが命。その理念は創業時から変わりません」

合成着色料や保存料を控え、小豆や米、玉子、水に至るまで選び抜いた良質素材を使用。誰もが安心して食べられる和菓子づくりにこだわっています。『下山松壽軒』のお菓子が愛されるのは、こうしたおいしさだけではない価値があるからこそですね。

マシュマロと羊羹がコラボ? 試行錯誤の末に誕生した「つるたま」に注目!

ショーケースを見ると、何やら他の商品とはテイストの違う商品が。シンプルなパッケージに目をひかれます。おおっ、これは団長Mが取材に便乗して「絶対に買うぞ」と心に決めていた「つるたま」シリーズではないですか!

「『つるたま』は2017年に販売開始した新ブランドです。創業130年の節目を迎えて原点に立ち返り、新たなマシュマロ和菓子づくりに挑戦しました」

「つるたま」の商品は全部で5種類。そのうちのひとつを製造しているということで、特別に製造現場を見学させてもらいました。

製造を行っていた開発室では、女性の菓子職人の方が材料を火にかけていました。手を止めることなく混ぜ続けるのも大変そうですね。

「今日作っているのは、羊羹とマシュマロを2層に重ねた『廿(ju)』というお菓子です」

え、マシュマロと羊羹!? 斬新な組み合わせですが、マシュマロの新たな可能性を広げる商品ですね。

「マシュマロはお菓子の素材の中でも特に扱いが難しいんです。餡は手でこねることができますが、マシュマロは一旦作り始めると手で触ることができません。そのため、くっつかないように工夫した型に流し込んで成型します。『つるの玉子』も、粉を敷いた型に流し込んで玉子の形に仕上げています」

「廿」の味は3種類あり、この日は「南瓜マシュマロ×抹茶羊羹」を製造していました。マシュマロのベースに南瓜ペーストを加えたら、専用ミキサーでベストな柔らかさになるまでかき混ぜます。

「温度や量、時間により質感や味わいが変わります。特にマシュマロは繊細で、そもそも羊羹とマシュマロをくっつけること自体に無理があるんです(笑)。『つるたま』の開発には1年ほどかかりましたが、失敗の連続でしたね」

さらり・ふわりとした食感、美しい色と形。幸せな気持ちになれる和スイーツ。

「つるたま」はブランド戦略の中でデザイン先行による開発を行いました。マシュマロを極めていく中で、和菓子の魅力である美しさにもこだわっています。

南瓜マシュマロを型に流し込む作業。固めた抹茶羊羹の上に均一に流し込んでいきます。

こちらが完成品で、真ん中が「南瓜マシュマロ×抹茶羊羹」。食材や自然素材で着色しているので、「廿」は優しいツートンカラーをしています。

マシュマロと羊羹が織りなす2層のハーモニー。これだけでもワクワクしますが、「つるたま」はほかにも魅力あふれる商品をラインアップしています。

見てください! この愛らしいルックス。季節を表現する本来の和菓子とは異なり、シンプルモダンな色と形が特徴。デザインも新感覚ですね。

写真の商品をひと通り解説すると、

左上:「点(ten)」…ありそうでなかった、あんこ味のマシュマロ。気軽な一口サイズ。

左下:「玉(gyoku)」…「つるの玉子」のオマージュとなるマシュマロ饅頭。こちらは黒い胡麻餡が入っています。

右上:「廿(ju)」…先に紹介した、マシュマロと羊羹のお菓子。写真は「プレーンマシュマロ×羊羹」をカットしたもの。

右下:「円(en)」…色違いのマシュマロを2層に。オセロみたいな丸い形が特徴。

このほかにも、珍しいマシュマロクリームと味の異なる餡を組み合わせた「面(men)」というマシュマロ餡ペーストも人気。マシュマロをトーストに塗って味わえるという、夢のような商品です。

マシュマロって、おそらく誰もが一度は食べたであろうお菓子だと思います。あのフワフワの食感と甘みを想像しながら「つるたま」を味わうと、多彩なフレーバーと食感によい意味で裏切られるはず。贈り物としても人気で、和菓子好きにも一目置かれる菓子として注目を集めています。

団長Mは「円」を含む3商品をお買い上げ。シンプルな分だけ色と質感が際立ちます。ちょっといい菓子皿で、いつもより丁寧にコーヒーをいれたくなりますねえ。

「和菓子とコーヒーの組み合わせがお好きな方も多いですが、『つるの玉子』を細かくしてブラックコーヒーに溶かして味わうのがおすすめ。私はこれを『つるたまマキアート』と呼んでいます(笑)」と、意外な味わい方を教えてくれた恭正さん。

「新商品の開発と合わせて、既存の商品も改良していきたいですね。マシュマロに手を出すと本当に手間がかかって大変なんですけど(笑)。品質を大事にして、うちにしかないお菓子の価値でお客さんに喜んでいただきたいです」

「つるの玉子」は店舗や、岡山県内のデパート、お土産店、オンラインショップなどで販売中。「つるたま」は店舗とオンラインショップのみで販売しています。

伝統の味を守り、さらなる進化で和菓子の世界を広げている『下山松壽軒』。ふんわり柔らかな和洋折衷のお菓子、ひと口で幸せな気分になりますよ!

Information

Information
株式会社 つるの玉子本舗 下山松壽軒
住所
岡山市北区平和町2-1 [MAP]
電話番号
086-222-2357
営業時間
9:00~18:00
休み
日曜
駐車場
なし
HP
https://tsurunotamago.jp/
オンラインストア
https://shop.tsurunotamago.jp/

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※掲載の情報は、掲載開始(取材・原稿作成)時点のものです。状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、利用前には必ずご確認ください
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