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編集者にまかせてちょ~査団スペシャル

《岡山市・総社市/造山古墳ビジターセンター&吉備路の古墳》古墳のまち・吉備路に、古代の歴史とその魅力を伝える案内所がオープン! 歴史遺産を歩いて登って覗いて楽しむ「墳活」のススメ。【PR】

気になる岡山の街ネタ調べます!まかせてちょ~査団スペシャル

  • 情報掲載日:2020.07.11
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

Mission_57/桃太郎伝説のルーツは古墳にあり!? 全国で4番目に大きい「造山古墳」に登って、古墳の楽しみ方を調査せよ!

岡山で話題のスポットやイベント、知る人ぞ知るレアな情報など、誰もが気になる地元のモノ、ヒト、コトを『タウン情報おかやま』が徹底調査するこの企画。スタッフが実際に現地を訪れ、体験したとっておきの情報をリポートして、「岡山の魅力を再発見できる、よりディープでフレッシュな街ネタ」をお届けします!

古墳と地域の魅力を発信!「造山古墳ビジターセンター」とは?

突然ですが、みなさん「古墳」と聞いて何をイメージしますか? 円形と台形がくっついた独特の形状? それとも埴輪? 全体を見ると、まるで小高い丘みたいですよね、古墳って。

歴史の授業で一度は聞いたことがあると思いますが、古墳は3世紀から7世紀のヤマト政権時代に造られたお墓のこと。王族や地方の権力者によって多種多彩な古墳が築かれていた時代を「古墳時代」と呼び、古代の歴史を知る上で重要な位置付けとなっています。

古墳はいまだに解明されていないことも多く、謎の多い歴史遺産なのです。

その古墳が数年前からじわじわとブームになっているそうで、古墳巡りなどの「墳活(ふんかつ)」を楽しむ歴史ファンも増えているとか。考えてみると、1000年以上も前に作られたものがいまだに残っているなんてすごいことです。

全国的に見ても岡山県は注目すべき古墳が多い県であり、その中心となるのが岡山市から総社市にかけて広がる吉備路エリアです。2000年も前から吉備国として栄えたこの地域にはあらゆる古墳が点在していますが、中でも巨大なのが『造山(つくりやま)古墳』。

何と古墳の長さは350mもあり、その大きさは全国4位だそう。そんなメジャー級だとは知らなかった!

『造山古墳』は、吉備路エリアの観光や校外学習の拠点としても親しまれてきました。その横に、古墳の情報発信基地となる新しい施設がオープンしたと話題を集めています。今回は古墳の魅力を探るべく、まずはここを訪れてみることにしました。

田園風景に突如現れるモダンな外観。ここが2020年4月1日にオープンした『造山古墳ビジターセンター』です。広い駐車場の一角にはトイレや自動販売機を設置。これなら古墳巡りの時の駐車スペースはもちろん、情報収集や休憩スポットとしても役立ちそうですね。

中に入ってみると、大きな窓から造山古墳が一望できます。壁面には『造山古墳』の構造から成り立ち、この地域で栄えた「古代吉備国」について紹介するパネルを展示。歴史のストーリーをひも解くように、古墳にまつわるアレコレを学ぶことができます。

古墳から広がる壮大な歴史ロマン。まずは基本知識と見どころをおさらい。

『造山古墳ビジターセンター』を管理するのは、地元の加茂地区民とボランティアガイドで構成される『造山古墳蘇生会』。造山古墳を生かした地域づくりをはじめ、ボランティアガイドとして古墳を語り継ぐ活動を積極的に行っています。

ビジターセンターには古墳に詳しい「蘇生会」メンバーが常駐しています。古墳巡りのアドバイスなど、聞きたいことがあれば気軽に答えてくれますよ。

会長の定廣さんは、構想13年目にしてついにセンター設立の夢を叶えたという熱い男。子どもたちの間では、「造山古墳のものしり博士」として親しまれているベテランガイドです。

「ここは、日本遺産に制定された『桃太郎伝説』の構成文化財である『造山古墳』をPRするのが目的です。古墳を知ることは、地域の歴史や土地の魅力を知ることにつながります。歴史に詳しくなくても、豊かな風景や観光を兼ねて楽しんでもらえたら。古墳を通じて郷土愛を育んでほしいです」と定廣さん。

確かに古墳は貴重な歴史的財産。郷土の誇りですよね!

「『造山古墳』は大きさだけでいうと全国4位ですが、墳丘に上がれる古墳としては日本最大。日本の古墳の原点と言われる代表的な前方後円墳で、そのスケールから吉備国の豪族がいかに権力を持っていたかが分かります」

そう教えてくれたのは、メンバーの渡邊さん。一緒に写っているのは蘇生会の方々が作った円筒埴輪のレプリカです。あのポカーンとした顔の人型埴輪じゃなく、これも埴輪の一種なんですね。

「古墳を楽しむなら自由に散策するのが一番。いきなり巡ってもいいですが、ここで古墳の特徴や歴史を入れておくと面白さが倍増すると思います!」

『造山古墳』ができたのは5世紀の初め。古墳に使われている石は香川や九州から運んできたそうです。

「当時は基本的に人力ですから、舟で運ぶにしても大変な人手や労力が必要だったはず。はるか昔の地域社会や人々の生き方に思いをはせると、歴史がさらに味わい深いものになりますね」

古墳には遺体を収める「石室・石棺」があり、時代により構造も変化しています。あの丘の中にはどんな有力者が眠っているんでしょうね?

「葬られているのは吉備国の豪族という説が有力ですが、古墳はまだ謎が多くて。公には知られていない古墳の発掘調査も進められています。すべてが分からないところもロマンだなあ」と渡邊さん。

有名な昔ばなし「桃太郎」の元祖といわれる『桃太郎伝説』。そのルーツは古代にさかのぼり、吉備国とヤマトの勢力争いが「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」と「温羅(うら)」の戦いとして語り継がれたと伝えられています。桃太郎の物語と古墳がつながっていたとは驚きました。

古墳と一緒に『鬼ノ城』や『吉備津神社』、『吉備津彦神社』など『桃太郎伝説』ゆかりの地を巡ってみるのも面白いですね。

古墳の基礎知識を頭に入れたところで、いざ『造山古墳』に向かいます。渡邊さんから教えてもらった見どころと絶景ポイント、果たして上手く見つけられるでしょうか?

人が登れる古墳としては日本一!『造山古墳』の絶景を楽しむ。

ビジターセンターから造山古墳の入口までは歩いて数分。整備された石段から墳丘に上がります。

とその前に、ビジターセンターの敷地内にちょっと気になる黄金色の銅像が。こちらは彫刻家・西平孝史氏作の「吉備の大王」。横にさりげなく置かれた埴輪も見逃せません。

石碑の左横には、横穴式石室の中に建てる「石障」の復刻オブジェがあります。こちらも黄金像を手掛けた西平氏の作。実際には見られない「浮き彫り」を鑑賞できるようにと制作されました。

ビジターセンターを後にして、高さ約24メートルの古墳を登っていきます。建物でいうと6階建てくらい? 運動不足の体には少々キツイかも。

後円部に到着! なだらかな丘のような感じで、登ってみると大きさが分かりますね。

初夏の墳丘は緑一色で、前方部には草木が生い茂っています。歩道を歩ける程度に程よく手入れされている印象ですが、古墳は国指定の遺産なので勝手に草木を切ったり抜いたりしてはいけないそうです。左側に草が生えていないのは、大雨により斜面が崩落したため。地面が補強され、周りにはロープが張られています。

渡邊さんが教えてくれた絶景スポットの一つ、後円部から眺める『最上稲荷』の大鳥居。

団長Mのカメラではこれが限界。この日は残念ながら曇り空ですが、でも晴れた日は、青空と山里の緑に朱塗りの鳥居が映えて、とっても美しいはず!

反対側は、まるでパッチワークのような美しい田園風景。田植え時期を迎えた初夏ならではで、暑さと疲れが和らぎます。

前方部の南側には『荒神社(こうじんじゃ)』の御社が。古墳の中にあると神秘性が高まりますね。横には大きな石棺や蓋が置かれていました。

前方部の南端からは、渡邊さんイチ押しの『千足古墳(せんぞくこふん)』が見えます。『造山古墳』の南側に点在する6つの古墳群の中でも一番大きく、全長は81m。横穴式石室がある前方後円墳です。よく目を凝らして見ると、スパッと平らになった上部には埴輪がずらりと並んでいます。「な、なんだこれ?」と思わず駆け寄ってみたくなるほどのインパクト。これは陪塚(ばいづか)と呼ばれ、『造山古墳』と同じ時代に築造されたものだそうです。

観光や散策にもぴったり。「吉備の三大巨石墳」を巡ってみた!

せっかくなので吉備路にあるほかの古墳にも足を運んでみました。

もう一つの「つくりやま」として有名な『作山古墳(つくりやまこふん)』。地元では「造山(ぞうざん)」「作山(さくざん)」と呼び分けるそうですよ。

こちらは全長約282mで、『造山古墳』に次ぐ大きさです。団長Mの撮った写真は、細い山道を上がる途中のハイキングにしか見えませんが…。頂部からは周りの風景が一望できます。古墳の西側には専用駐車場もありました。

お次に向かったのは、ぽっかり空いた穴から石室が見える『こうもり塚古墳』。備中国分寺からもほど近く、田んぼの中にポツンとある古墳です。外から見ると中は真っ暗。ちょっと怖いような、ワクワクするような…。

盛り上がった墳丘の中には、鉄柵で閉じられた石室の中がありました。奥には石棺もあり、ほかの古墳とは違って内部の様子をしっかり見ることができます。こじんまりとした大きさの古墳ですが、『備中国分寺』からも徒歩圏内。風情ある建造物やお庭の散策とセットで訪ねてみるのもおススメです!

吉備三大古墳を駆け足で巡りましたが、古墳の造りや規模もそれぞれ違いがあって面白いですね。石の積み方一つとっても、古代の人々の工夫が感じられます。程よい距離を歩いて体を動かせるので、散歩やサイクリングがてら回ってみるのも楽しいかも。

迫力があって、原始的でちょっと謎めいたところが古墳の魅力。古墳には私たちの祖先が生きた証が残されています。古墳を知ると、今まで知らなかった歴史の面白さに出合えるかもしれません!

Information

Information
造山古墳ビジターセンター
住所
岡山市北区新庄下789(造山古墳の東側)[MAP]
電話番号
086-803-1332(岡山市観光振興課)
営業時間
10:00~15:00
休み
月曜日、年末年始
料金
入館無料
駐車場
約30台
HP
https://www.okayama-kanko.jp/spot/15325
作山古墳
住所
総社市三須[MAP]
電話番号
0866-92-8363(総社市教育委員会文化課)
HP
http://www.city.soja.okayama.jp/bunka/kanko/shitei_bunkazai/kuni/kuni_07.html
こうもり塚古墳
住所
総社市上林[MAP]
電話番号
0866-92-8277(総社市観光プロジェクト課)
HP
http://www.city.soja.okayama.jp/bunka/kanko/shitei_bunkazai/kuni/kuni_09.html

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