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岡山魅力再発見!!

《表町・千日前の今昔》生まれ変わりつつある注目の街「千日前」の今昔をひも解きます。

  • 情報掲載日:2020.07.23
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

あたりまえにある身近なあんなものやこんなものに、実はこんな歴史や理由があるのです…。
そんな身近にある何? なぜ?を調べます。

表町・千日前の今昔

かつては芝居小屋や映画館などが並び娯楽の街として栄えた岡山市表町「千日前」。今は居酒屋や駐車場が集まるエリアですが、音楽や演劇ホールの機能を持つ『岡山芸術創造劇場』(仮称)の2022年開業に向け、周辺は再開発中。生まれ変わりつつある注目の街「千日前」の今昔をひも解きます。

千日前ができた頃。

生まれ変わる街、千日前。

(左)現在の千日前商店街。こんなに空が広い…
(右)かろうじて「千日」の名前が残っている場所「千日センター街」

私がまだ子どもだった約30年前、千日前周辺の印象は映画館の街。それが今はアーケードもなくなりすっかり様変わりしていますね。しかし! このエリアに、2022年頃に今ある『岡山市民会館』と『岡山市立市民文化ホール』などの機能が集まった新しい施設『岡山芸術創造劇場』ができるとあって、現在、街では大工事が行われ、大きく変化しつつあります。そこで、時代ごとに人々の注目が集まる街・千日前について、成り立ちからにぎやかだった頃の話、これからの話を調べてみました。

もとは岡山城下の商人町だった。

今の表町の発展は、宇喜多直家そしてその息子・秀家が岡山城を築城し、その周辺に城下町を整備したことに始まります。慶長2年(1597年)に岡山城天守閣が完成。城下町内の旧山陽道周辺に備前国から多くの商人・職人を集めて住まわせました。そして形成された商人町が、現在の表町商店街なんです。18世紀初頭の資料によると、武士を除く城下町の住人のうちおよそ半数が商人で占められていたのだとか。表町の最南部にある千日前商店街の地域は江戸時代は天瀬可真町と呼ばれ、当時は侍屋敷が立ち並んでいたそうですよ。

千日前を含む表町商店街周辺エリアは城下町として発展

千日前が盛りあがる頃。

千日前の名前の由来には『木下サーカス』が大きくかかわっていた…!

千日前が大きな転換期を迎えたのが、明治時代に映画館が続々とオープンしたこと。まず明治45年(1912年)に『帝国館』ができ、大正8年(1919年)には『金馬館』、大正15年(1926年)に『若玉館』が開館。多い頃には7館の映画館が千日前エリアに軒を連ねました。千日前にあった映画館のうち、『金馬館』『若玉館』『文化劇場』『白鳥座』『岡山劇場』の5館を、今では「木下大サーカス」で有名な『木下サーカス株式会社』が『木下興行部』という名で経営していました。ちなみに、当時『木下サーカス』ではウマの「金馬」とゾウの「若玉」が大人気で、『金馬館』『若玉館』は、その人気にあやかって名付けられたそう。

そもそも「千日前」の名前はどこから、というのが気になりますね。それにも『木下サーカス』が大きくかかわっています。初代団長の木下唯助が大阪の繁華街である千日前にあやかって昭和12年までに名付けたといわれています。今も千日前商店街の最南部に事務所を構える『木下サーカス』が、この商店街の発展に貢献していたんですね! ちなみに大阪の「千日前」も映画館が多かったようですよ。

(左)大正8年にオープンした映画館『金馬館』
(右)『若玉館』の昭和3年の様子。人通りの多さが当時の盛りあがりを伝えています

かつて表町への訪問は船で。京橋が岡山の玄関口だった。

ここで、昔話をひとつ。今ある鉄道路線が周辺にできたのは明治の頃。今ではあまりイメージがないかもしれませんが、その頃までは旭川経由で船で京橋(当時は橋本町と呼ばれた)に着き、そこから街の中心部にある表町に行く人が多かったといいます。明治時代に鉄道が発達してからは船と鉄道で、人々は街にくり出していたようです。昭和16年より千日前に店を構えていた『吾妻寿司』の前社長で岡山千日前商店街振興組合の理事長でもある難波さんに話を伺ったところ、「昔は船や電車でやってきては、女性陣は『天満屋』や商店で買い物、男性陣は千日前周辺で映画や娯楽を楽しむというような具合で、街は大いににぎわっていたよ」と教えてくれました。さらには、千日前エリアには、明治37年(1904年)に日本で最初に純国産製の自動車を製造した山羽虎夫の工場があったんだよ」という話も聞きました。千日前で日本最初の国産車が造られていたなんて知らなかった…!

現在の京橋周辺。かつてこの辺りは水運の要衝で、岡山の玄関口だったようですね
山羽虎夫工場跡には、今は表示板が残る。ぜひ見つけてみて

『木下サーカス』の底力で、戦後、驚異的な早さで復活!そして最盛期に。

戦前から娯楽の地としてにぎわいをみせた千日前。特に、大雲寺にある日限地蔵にお参りする毎月23日の「日限の縁日」の日は、地蔵のある大雲寺から千日前までずらっと屋台が並び、地蔵参りをした帰りの人々でごった返したといいます。朝から晩まで千日前商店街を歩くと行き交う人々の肩に当たらない時間がないほどだったとか!

当時は、地蔵参りのあとに映画を見たり、食事をしたり、屋台で買い食いしたりする時間が、ハレの日の楽しみだったのでしょう。船や電車でわざわざ県北、また四国をはじめとした県外からも、多くの人が千日前へ遊びに訪れました。そんな人々を一日中楽しませようと、『木下興行部』では映画館だけでなく、映画のあとに行きたくなる食堂、旅館、銭湯まで作ったといいます。

しかし戦火には勝てず、第二次世界大戦時の岡山空襲で焼け野原になり、映画館も焼け落ちてしまいました。ところが、岡山空襲から5カ月、終戦から3カ月という驚異的な早さで『金馬館』が復活を遂げることに。これには『木下サーカス』のスタッフが大活躍しました。サーカスは、テントを建てては興行し、解体して移動するスタイル。つまり、資材を調達して建物を突貫で作る能力に長けたスタッフが多く在籍していたのです。焼け野原に残っていた丸太や板、釘を拾い集め、木造の『金馬館』を短期間で建設。千日前の復興のシンボルとなったのです。

その後、昭和30年頃に戦後最大の盛りあがりを見せました。「一番にぎやかだったのは、
昭和25~35年頃かな」と『吾妻寿司』の難波さんも語ります。『若玉館』が『岡山日活』と名を変え、日活映画の岡山封切館として、石原裕次郎や小林旭など大スターの映画が続々と封切りされました。いっぽう、『白鳥座』は大映映画の岡山封切館となり、市川雷蔵、勝新太郎などの名優の映画が上映されます。人気役者の映画見たさに人々は詰めかけ、座席はもちろん、後ろや通路での立ち見では収まらないほど人があふれたといいます。また『文化劇場』は洋画専門館になり、『風と共に去りぬ』をはじめ名作が次々に上映されました。当時は映画自体も盛りあがった時代だったのですね。その頃を最盛期に、昭和60年代まで人通りの多い商店街でした。

昭和34年、小林旭主演『ギターを持った渡り鳥』を上映中の『岡山日活(元・若玉館)』の前で
終戦から3ヵ月、昭和20年11月に復活した『金馬館』。人の多さに、どれだけ人が待ち望んでいたか伺えます

昭和が終わった1989年の商店街で行われていた土曜夜市の様子。約30年前の風景

これからの「千日前」。

現在、周辺は大工事中。景色は一変。

しかし岡山駅前の大型商業施設の影響で人出に陰りが見え、平成に入ると閉館する映画館も出始め、2006年にはほとんどの映画館がなくなり、跡地は駐車場になり、マンションになり、さらに2018年にはアーケードもなくなり…と街は様変わりしていきました。

そして今。千日前商店街周辺の古い建物は取り壊され更地になり、大規模な工事の真っ最中。一部道路も変更されています。こんな視界が開けた千日前エリアを見ることとなるとは…。この大工事の訳は、2022年の完成を目指す『岡山芸術創造劇場』を建築、そしてその周辺を整備しているから。計画では大きく景色が変わるようです。

『木下サーカス』事務所にて、商店街から撤去された看板を発見!
千日前商店街手前にある交差点の南時計台の上には、「サーカスドーム」も!

映画の街からエンタメの街に。今後の千日前に期待!!

もともと、映画をはじめ娯楽の街として発展してきた千日前。新しくできる『岡山芸術創造劇場』も音楽をはじめ演劇やイベントなどが催され、今後も人々を楽しませるエリアとなるよう街づくりが進められています。計画では、商店街は広く開放的な空間に整備され、道沿いには植樹も。緑豊かな通りにはイスが配され、くつろげる場所になるようですよ。カフェやレストランなどができ、音楽イベントやマルシェもできれば…と計画されているそうです。また、今回紹介したような街の歴史が感じられる工夫もされるとか。前述の難波さんによると、来年から出店応募も本格化するのではとのこと。今は大工事中なので、まだどんな街になっていくか予想はつきませんが、2年後に素敵な街並みになりそうな商店街を楽しみに待ちたいですね!

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