Mission_73/ざるそば風のお菓子に、大人限定のどら焼き? 創業400年の老舗、『虎屋本舗』の人気商品をチェックせよ!
たこ焼きにしか見えないアレの正体は? 老舗和菓子店のユニークな試み。
こんにちは。『まかせてちょ~査団』の団長Mです。
先日、県外に住む友人にお祝いのお菓子を贈る機会がありました。
デパートや人気の和洋菓子店をいくつか周り、相手が好みそうなものを物色。ついでに自分が食べたいお菓子もちゃっかり購入しました。
店頭に並んだおいしそうなお菓子を見ると、つい誘惑に負けちゃうんですよね。
相手の顔を思い浮かべながら、「喜んでくれるかな?」とあれこれ悩む時間が楽しくて、いつも以上に気合の入ったチョイスになりました。
なかなか人と会えない今だからこそ、贈り物の定番、お菓子で気持ちを伝えることの魅力を改めて感じています。
それ以来、ギフトやおやつに最適な「甘いもん」をリサーチするのがマイブームになりました。夜な夜な地元や近県の気になるお菓子を調べては、心をときめかせているのですが…。
実は、ものすごく気になるスイーツを発見したんです。それがこちら。
ツヤのあるソースに青のりと鰹節。どこからどう見ても「たこ焼き」です。
「確かに、たこ焼きは軽食だから『おやつ』と言えなくもないよね。『カレーは飲み物』みたいな? よっ食いしん坊!」
いえいえ。食いしん坊なのは認めますが、違います。
実はこれ、見た目がたこ焼きにそっくりなシュークリームなんです!
といわれても、にわかには信じがたいぐらいたこ焼きにしか見えない質感ですよね。しかし、上にかかっているのは秘伝のショコラソース、鰹節は薄くスライスしたミルクチョコレート、青のりは抹茶で仕立てたものだそう。
たこ焼きにしか見えないのに、食べると甘いカスタードとチョコの風味が広がるという衝撃的な一品。決してシュークリームにたこ焼きソースをかけたわけではなく、どこを取っても完全なる「甘いもん」なのです。
さらに私たちを混乱させるのが「お好み焼き」。これもれっきとしたスイーツで、その正体は「マロンケーキ」というから驚きです。
マロンクリームを絞って広島風のソバ入りに見立て、ソースと鰹節はチョコレート、卵はあんずで見事にお好み焼きを表現しています。見た目はお好みソース、口に入れるとチョコとマロンの上品な甘みというギャップに、脳が大混乱してしまいそう。
鉄板に乗せるとお好み焼きっぽさが増しますね。フォークではなく、ヘラで食べてみたくなるスイーツです。
コロッケ、ざるそば、寿司…実はこれ、ぜ~んぶ「甘いもん」なんです。
このユニークなお菓子を作っているのは、備後の和菓子店『虎屋本舗』。人気グルメをスイーツで表現したシリーズ「そっくりスイーツ」が話題を呼び、メディアにも度々取り上げられています。
こちらのお店は『虎屋本舗 井原店』。
広島県福山市内を中心に展開していますが、岡山県内にもお店があるんですよ。
『虎屋本舗』は400年の歴史を誇る老舗の和菓子店で、福山城が築城した際にお饅頭を献上したことから菓匠として創業しました。江戸時代からずっと続く歴史のあるお店です。
「そっくりスイーツ」以外にも、代々受け継がれてきた名物菓子や、定番人気の和洋菓子がたくさんあるとのことで、今回は本拠地である福山市内のお店を訪ねてみました。
おや、「そっくりスイーツ」のディスプレイを発見!
こちらは究極のお惣菜スイーツとして人気を集める、「コロッケそっくりなレアチーズケーキ」。ケーキのスポンジを細かくして衣を再現しています。何とも芸が細かい!
こちらは3個入り650円で、スーパーのお惣菜のようにパック入りで販売しています。そのまま家に持って帰ったら、家族が騙されること間違いなしです。
さらに寄せっぷりを発揮しているのが「ざるそばそっくりなモンブラン」。お店に貼られたイメージ写真を見ると思わず困惑しちゃいます。あれ、ここお菓子屋さんですよね?
ディスプレイを見ても、蕎麦の雰囲気そのまんまのハイクオリティな仕上がり。スポンジの土台にマロンクリームを細く絞って乗せています。蕎麦の色や質感がここまで本物に近いとは!
まだまだあります。この「てまり寿司」の正体は、わらび餅と細工菓子を組み合わせたもの。「そっくりスイーツ」の最高峰と呼び声高く、2015年の「全国お土産グランプリ」を受賞しました。
イクラはタピオカ、シャリは広島産のレモン餡のわらび餅などを使い、タコやウニ、玉子、マグロなど8種の寿司ネタをお菓子で表現しています。一つひとつに手間をかけた芸術的な見た目と、さっぱりとした甘さが魅力的な逸品です。
冷やし中華始めました? 大人がハマるR20指定どら焼き? 気になる商品が目白押し。
紹介したそっくりスイーツ以外にも、カレーやうな重、餃子などバラエティに富んだラインナップ。
今や年中コンビニやスーパーで見かける「冷やし中華」も「そっくりスイーツ」に仲間入り。新商品を待つファンも多く、今後もいろいろなアイデアを商品化していく予定だそう。
それにしても、なぜ老舗の菓匠が面白スイーツを作ることになったのか? 副社長の高田海道さんにお話を伺いました。
「約15年前に初めて発売したのが『たこ焼きにしか見えないシュークリーム』なのですが、これは社長が夜食に食べていたたこ焼きがヒントになりました。たこ焼きが一瞬シュークリームに見えたらしく、『本当にお菓子にしたら面白いんじゃないか?』と試作をしたのがきっかけです」
夜食が商品開発のヒントになったとは! どのお菓子も完成度が高いですね。
「色や質感を出すのがポイントです。どんな素材で表現するのかは菓子職人さんの腕があってこそなので、アイデアと技術をいかに両立するかが難しいですね。見た目だけにこだわるのではなく、食べておいしいことも大事なテーマです」
見た目はちょっぴり変だけど、食べるとおいしい「そっくりスイーツ」は、贈り物に買っていく人も多いとか。
「お子さんの誕生日や記念日スイーツとして買われる方が多いですね。ちょっとしたサプライズ感があって、普段はお菓子を食べない方も喜んでくださいます。バレンタインギフトにも人気ですよ」
そっくりスイーツ以外にも気になるお菓子がたくさん並んでいます。写真の『虎屋本舗 井原店』をはじめ、各店ともに充実のラインナップですが、おすすめの商品はありますか?
「『虎屋本舗』といえばどら焼きが名物で、『元祖名物 虎焼』として販売している看板商品です。中でもR20指定の『大人の虎焼』はちょっと珍しいかもしれません。いかがですか?」
え? R20指定のどら焼き? なんだか魅惑的なコンセプト。大人向けのどら焼きってどんな味なんでしょう?
「コーヒー豆とブランデーを粒あんで炊き込んで、生地にはカラメルを練り込んでいます。ほろ苦いのが特徴なんですよ」
食べてみるとビターな風味とコクが感じられて、何とも芳醇な味わい。甘すぎない甘さが大人にぴったりですね。R20とは言いつつアルコールは含まれないので、子どもが食べてもOKだそうです。
職人の技と遊び心で新商品も続々。「おいしくて楽しい」お菓子文化を届ける。
広島県の土産菓子として人気の「レモンケーキ」。レモン風味のバターケーキとチョコレートで爽やかな風味を楽しめます。
「和菓子店としては、地元の銘菓や季節菓子も推したいですね。地元の素材を使ったお菓子作りにも力を入れています」
フレッシュなはっさく果実を餡と一緒に包んだ「はっさく大福」や、福山銘菓の「とんど饅頭」など、地元感あふれるお菓子はお土産にも最適。ショーケースには生ケーキなどの洋菓子もあり、どんな好みも押さえた商品展開が魅力です。
いろいろな商品を通じてお客さんに笑顔を届けている『虎屋本舗』は、ただお菓子を売るだけではなく、お菓子文化を伝える活動も行っているそうです。
「数年前から、町内会や子ども会などで職人がお菓子の作り方を教える出張和菓子教室を開催しています」
「お菓子を作って売るだけではなく、贈り物やお茶の文化、四季の表現や芸術性なども含めて、お菓子を取り巻く文化や体験すべてを提供したいですね」
「今後は、瀬戸内のアートとコラボしたり、SDGsの視点も積極的に取り入れていきたいです」
400年の伝統を持ちつつ、新しいアイデアをどんどん取り入れている『虎屋本舗』。各商品は、店頭販売のほかにネット通販でも購入できます。「そっくりスイーツ」は一つひとつに手間がかかるため、販売数が限られる場合もあります。まずは一度問い合わせてみるのがおすすめ。
思わず笑顔になれちゃうおいしいお菓子、ぜひ『虎屋本舗』で選んでみてはいかがですか?
Information
Information
株式会社 虎屋本舗 井原店
- 住所
- 井原市井原町126-2 [MAP]
- 電話番号
- 0866-63-3158
- 営業時間
- 月~土曜9:00~19:00、日曜9:00~18:00
- 休み
- なし
- 駐車場
- 5台
- HP
- https://www.tora-ya.co.jp/
- ※井原店のほか福山市に直営店10店舗あり
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