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編集者にまかせてちょ~査団スペシャル

《岡山市/岡山・吉兆庵美術館》創作和菓子で有名な和菓子店に併設されている美術館に潜入!【PR】

気になる岡山の街ネタ調べます!まかせてちょ~査団スペシャル

  • 情報掲載日:2018.12.08
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

Mission_18/『岡山・吉兆庵美術館』に展示してある、人間国宝作の美術工芸品と工芸菓子について調査せよ!

岡山の話題のスポットや、気になるモノなどを徹底調査! 『タウン情報おかやま』スタッフが実際に現地を訪問して、とっておきの情報をお届けするこの企画。

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1946年創業の『宗家 源 吉兆庵』は、四季の果物を使った和菓子を中心とした創作和菓子を製造・販売している企業で、贈答やおみやげなどの用途で利用されたことがある方も多いのではないでしょうか。『宗家 源 吉兆庵』岡山本店に併設されている『岡山・吉兆庵美術館』では、岡山の伝統工芸品である「備前焼」の常設展示や人間国宝による美術工芸品などの展示がされており、伝統芸術に親しめる場となっているようです。

その美術館には、どのような作品が展示されているのかを調査すべく、我々取材班は、岡山市北区幸町にある『岡山・吉兆庵美術館』へと向かいました。

JR岡山駅から徒歩10分ほどで『源 吉兆庵ホールディングス』本社に到着しました。2013年に建てられたという9階建てのビルの1階が岡山本店の店舗で、2階と3階が美術館となっています。

2階の美術館で出迎えてくれたのは、吉兆庵美術館の学芸員である岡田さんです。美術にうとい我々のために、今回は特別にひとつひとつの作品を丁寧に解説してくださりました。

『岡山・吉兆庵美術館』の2階の展示内容は、3カ月間ぐらいのローテーションで変わるそうで、訪れたときは「北大路魯山人展 五感で味わう美」という展示が催されていました(現在は終了)。

「『美食が高じて陶芸を行うようになった』と自ら語っている魯山人は、つねづね『器は料理を盛って完成する』と言うほど、器のデザインに非常にこだわりを持っていました。今回の展示では、魯山人の器に対するこだわりを五感を通じて味わっていただけるような展示をしています」と岡田さん。和菓子を製造している企業の美術館だけあって、食に関連した企画展が多いようですね。

次に、3階にある備前焼の展示を見学しました。「備前市まで行けば備前焼の美術館がありますが、岡山市内に常設展示しているところがありませんでした。当館では岡山を訪れた方に、気軽に備前焼の作品に触れて頂けるようにと、その魅力や見どころをご紹介しています」と岡田さん。

最初のコーナーでは、備前焼の原料となる土が展示されていました。現在、備前焼の作家さんは約400名いるそうですが、最近は原料となる土が手に入りにくくなっているそうです。備前焼は工芸品としても重用されていますが、日常の器として使用してこそ価値のあるもの。食器や器など普段使いができる備前焼とこの美術館は親和性が高いですね。

「平安時代末期に誕生した備前焼は、鎌倉時代の『一遍聖絵』などの歴史的な巻物のなかにも描かれています。また、豊臣秀吉は備前焼の大変なファンだったようで、自分の部下が備前焼の窯を荒らしたり、悪さをしないようにと備前焼保護の制札を出したそうです」。その札も展示してありました。

「備前焼が誕生した平安時代末期から、江戸時代初期までの備前焼を『古備前』と呼びます。桃山時代に作られた、こちらの『備前種壷水指』は、元々種を保存するための壷でしたが、上に新しくフタを取り付けて水指として使うようになりました」。本来茶道具として作られていない物を茶の湯の道具として使うことを「見立て」といい、当時流行したそうです。

こちらの作品はほかの備前焼の作品と違い、色が付いていますね。「江戸時代に九谷焼など色が付いた華やかな焼き物が登場し、茶色一色の備前焼の人気が低迷した時期がありました。そこで岡山藩がおかかえの絵師と陶芸家をコラボレーションさせ、絵師が色を塗った備前焼の作品を生み出したんです」と説明してくれました。

桃山風備前の復興に功績があった金重陶陽氏をはじめ、これまで5名の備前焼の陶芸家が人間国宝に認定されています。「2004年に人間国宝に認定された伊勢崎淳さんの作品は、現代アートに通じるような作風で、オブジェとしても楽しめる作品ですね」。備前焼は、長い歴史があり、さまざまな見どころや作風があることが分かり、備前焼をもっと知りたくなりました。

『宗家 源 吉兆庵』の岡山本店の入口には、お菓子の素材だけで作られたという「工芸菓子」が展示してあります。

今回は、この工芸菓子を手がけている、商品開発部 工芸室の祇園さんにお話を伺うことができました。「工芸菓子は、米粉や白あん、砂糖など和菓子の材料を用いて作っている鑑賞用のお菓子で、商品に季節感を添える役割を担っています」と祇園さんは語ります。

ひとつの作品の完成までに3~4カ月かかるという工芸菓子を間近で見ると、その緻密な技工に驚かされます。「パーツをひとつずつ作っているときは、辛抱強く作っていますが、作品ができあがって展示されると、自分のイメージ通りにできた達成感や喜びがあります」ということで、作り手の方の想いを感じられますね。

祇園さんら4名で作られているという工芸菓子。2017年に開催された『全国菓子大博覧会・三重』に出展した作品は、最高評価の名誉総裁賞と感動大賞(一般客の人気投票1位)を受賞したそうで、その芸術性が高く評価されています。

工芸菓子は四季折々に作られた作品が岡山本店入口で展示されているほか、毎年夏には併設の美術館で催されている、お子さんも楽しめる内容の企画展でも見ることができるそうです。

地域貢献や社会貢献の場となることを目的として開館された『岡山・吉兆庵美術館』は、備前焼をはじめ数々の素晴しい美術工芸を展示していますので、ぜひ足を運んでみてください。

Information
岡山・吉兆庵美術館
住所
岡山市北区幸町7-28  [MAP]
電話番号
086-364-1005
開館時間
10:00~17:00 ※入館は16:30まで
入館料
一般・高校生600円、小中学生300円、65歳以上480円
休館日
第1・3 月曜日(祝日はのぞく)、2018年12月29日~2019年1月3日、展示入替日
HP
http://www.kitchoan.co.jp/site/museum/

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